ThinkPad E495 購入記(注文・配送・開梱編)
ThinkPad E495 とは
ThinkPad E?
ThinkPad E495 はその名の通り,ThinkPad の「E シリーズ」に属します。これは ThinkPad シリーズでも最下位に属するシリーズであり,もともとは ThinkPad の廉価モデルである R → SL (→ のちに L)よりもさらに安価なラインを狙った Edge シリーズに始まるもので,家庭用への特化を経て,現在は再び L のコストダウン版に近い位置づけになっているようです。
外観上も違いがあります。 X/T は天板と底面に梨地塗装のマグネシウム合金が使われているのに対し,E は天板にプラスティックまたは梨地塗装ではないアルミニウムが使われており,ボトムはプラスティックのみです。ヒンジ受けの金属パーツを見せる伝統も採用されていません。もっとも目立つ違いはその程度で,トラックポイントもありますしキーボード配列も同じで,ThinkPad ロゴの「・」が光るどーでもいいギミックもちゃんと備えていたりします。
圧倒的な低価格が大きな魅力で,E495 の価格コム限定構成では Ryzen 5 3500U とフル HD の IPS 液晶を搭載しつつ 4 万円を切る価格で購入できます。さらにここにポイントやキャッシュバックが加わるのですから,価格破壊もはなはだしいです。
なぜ E495 を購入することにしたか
ラップトップを使う機会が増えたものの,12 インチの SZ5 や X260 では画面が小さすぎて疲れるというのが理由です。12 インチでは,画素数の上では WUXGA や FHD であっても 100% 表示だと細かすぎるため拡大して使う必要がありますが,14 インチならなんとか問題なく,画面を広く使えます。持ち運ぶこともあるとはいえ毎日抱えて往復するような用途ではありませんから,重量はほどほどであれば足ります。
そして,E495 は腐っても ThinkPad です。公式サイトの製品ページを見る限り堅牢性・信頼性を重視した ThinkPad シリーズとしての位置づけは明確で,家庭用の機種や法人向けの廉価機種でありがちなトラブルに悩まされることはなさそうです。これが IdeaPad シリーズや Lenovo シリーズなら安くても無視しますが,一応は ThinkPad となれば話は別です。
15.4 インチ版の ThinkPad E545 もほぼ同価格になっていますが,筐体が大きすぎて取り回しが悪いことに加え,なによりテンキーレスキーボードがないことが決定的な理由となって避けました。テンキーが付いているとキーボードの中心がディスプレイの中心にならないため違和感があり,Enter の横に余計なキーがあるためタイピングの妨げにもなり,生産性が大きく下がってしまいます。
ところで,E495 には後継機種として既に E14 Gen2 (AMD) が発売されています。この機種は APU が 4500U であり,E495 の 3500U から性能向上と大幅な省電力化を実現しています。同じ構成なら値段も大差ないので,あえて E495 を購入する理由などないようにも思えます。実際私は当初 E495 は見送る予定だったのですが,E14 Gen2 (AMD) では E495 のようには構成を削ることができなくなっていることに気が付きました。特に,SSD 128 GB モデルは全世界で展開がなく,今後も期待できそうにありません。割高な純正パーツを CTO 選択する必要があり,最終的には大きな価格差が生じてしまいます。性能に差があるとはいえ,GPU に Navi アーキテクチャを採用して飛躍的なゲーミング性能向上を果たしたモデルも遠からず出るであろうことを考えると,相対的には大きな差ではないかもしれません。圧倒的なコストパフォーマンスの E495 が販売終了になる前に購入するのが得策と判断しました。また E14 Gen2 (AMD) では 2.5 インチ SATA スロットがなくなっており,手持ちの 2.5 インチ SATA SSD を流用できないというのも大きなデメリットです。RAM も 1 スロットがオンボードになっています(E495 の感覚で E14 Gen2 (AMD) を 4 GB 構成で注文してしまうことがないようにくれぐれも注意しましょう)。
あと,「E495」という型番がなんか好きという理由もあったり。
ThinkPad E495 の仕様(私の構成)
私の構成を紹介します。注文確認メールから必要な部分だけ転載します。
構成内容:ThinkPad E495
Part No: 20NECTO1WW
● AMD Ryzen 5 3500U プロセッサー (2.10GHz, 4MB)
● Windows 10 Home 64bit – 日本語版
● 4GB DDR4 2400MHz SoDIMM
● 128GB Solid State Drive, M.2 2242, PCIe-NVMe, TLC
● 14.0型FHD液晶 (1920 x 1080 IPS 250nit) 光沢なし
● 内蔵グラフィックス
● 日本語キーボード
● 720p HDカメラ(マイクロフォン付)
● TPMあり(TCG V2.0準拠,ハードウェアチップ搭載)
● 3セル リチウムイオンバッテリー (45Wh)
● 65W AC Adapter PCC (2pin)-Japan (USB Type C)
● インテル Wireless-AC 9260 (2×2) + Bluetooth
● 14.0型FHD液晶 (1920×1080 IPS ) 光沢なし、GSブラック、アルミニウム
● AMD Radeon Vega8グラフィックス
● 1年間 送付修理 メーカーへの送付・梱包料はお客様負担
基本的に最低構成ですが,AC アダプタだけ 65 W のものに変更しています。
大きさは 329.3 x 242.8 x 19.9mm,重さは 1.75kg と,モバイルも可能なサイズです。
より詳細な仕様は以下から参照できます。
ThinkPad E495 の注文
構成
ThinkPad E495 を手に入れる最も安価な方法は,価格コム限定構成を直販で注文することです。これは後継機種の E14 Gen2 (AMD) でも変わっていません。
レノボ直販は週末に多少安くなりますが,金額に下限があり,それを下回る構成はエラーとなり注文できないので,週末のほうが安く買えるとも限りません。
日本語キーボード派の場合,平日の RAM 4 GB 構成か週末の RAM 8 GB 構成で検討することになることかと思います。英語キーボードは追加料金となり 4 GB でも下限を超えられるので週末のほうが得です。8 GB x1 構成なら標準 RAM を有効活用して 8 GB x2 構成にできるというメリットがありますが,実のところ 4 GB 構成と 8 GB の差額よりも 8 GB モジュールを別のところで買ったほうが安かったりします。DRAM ベンダ純正モジュールならそれだけの価値もありますが,レノボの低価格モデルは基本的に中国のモジュール製造ベンダ RAMAXEL 製なので,Crucial などのものを別途買ったほうがよい気もします(もちろん RAMAXEL モジュールにも何ら問題はありませんが,なんとなく気分の問題です)。
たった 1100 円の差ですので,AC アダプタは標準の 45 W から 65 W に変更しておくことをお勧めします。Ryzen 5 3500U は TDP 15 W の低消費電力モデルとはいえ,高性能な Vega 8 iGPU を搭載しており,高負荷時の電力消費は多めです。パーツ増設や周辺機器接続も消費電力を押し上げます。消費電力はむしろ下がっているはずの後継機種 E14 Gen2 (AMD) でも 65 W が標準となっているように,Ryzen 5 3500U で 45 W は少し不安が残ります。
なお,同時購入割引も注目に値します。ご一緒にポテトはいらないタイプの私は見ずにスルーしてしまいましたが,人気の周辺機器がかなり安くなっています。
「ThinkPad トラックポイント・キーボード」はコンパクトなキーボードが好きな人にはたまらないですし,「ThinkPad USB レーザー・マウス」も定価の時点でコストパフォーマンスが高すぎる優秀なチルトホイール付きマウスです。メールマガジンを登録しておけば週末セールでこれくらいになることもありますが,チェックするのが面倒で見逃しがちです。もっとも,納期に影響を及ぼす可能性もあります。
キャンペーン類
以下のキャンペーンを適用しました。
- AMD Ryzen×価格.com キャッシュバックキャンペーン(3000 円)
- PC 買い替えキャンペーン(下取り,5000 – 250 = 4750円)
- 楽天リーベイツポイント 6.5%(2538 円相当)
もし仮にすべて問題なく適用されたとしたら,実質価格は 39050-(3000+4750+2538) = 28762 円ということになります。やばい。(→ 以下に追記した通り,されました。やばい)
3000 円キャッシュバックキャンペーンは AMD および価格コムによるものです(既に終了)。納期が早まったおかげでギリギリ申し込めましたが,添付画像に不備があればアウトなのでまだ安心できません。
下取りはレノボおよびソフマップによるキャンペーンで,条件を満たす PC について買取価格を 5000 円増額するものです。振込手数料として 250 円が必要です。ほぼ一律に 0 円査定になるようなので,ヤフオクでも値段がつかないような Atom や Celeron のマシンを処分するのがよいかと思います。到着後2週間以内にラクウル買取申し込みをして,レノボ・ショッピングの納品書(コピー)を同梱して発送します。梱包資材は自前での準備のほか,専用箱を無料でもらうこともできます。
申込に先立って身分証のアップロードが必要ですが,解像度が低いと,明らかに読み取れても自動的に「不鮮明」扱いで却下されるようです。1000 万画素程度以上はあったほうがよいと思います。私の場合,普段メモ用に使っている 500 万画素設定のカメラで何回か試して却下され,ふと気づいて最高の 1200 万画素にして撮りなおしたところ通過しました。
ラクウルの買取条件に加え,以下のようなキャンペーン適用条件があります。
- Windows 7,8,10 が初期導入されているモデルで,Lenovo,DELL,HP,Acer,ASUS,NEC,Fujitsu,Dynabook,Panasonic,VAIO,Mouse または Microsoft 製である(東芝・ソニー時代のものも可と思われます。ショップブランド系に加え EPSON,MSI 等も対象外である一方マウスコンピュータだけ OK と,やや独特ですので気を付けましょう)。
- 「起動しない物、液晶に異常のある物、壊れている物、バッテリー・ACアダプターが無い物」のいずれにも該当しない。
詳細はキャンペーンサイトおよび利用ガイドをご確認ください。
楽天リーベイツは楽天以外での買い物にポイントが付加されるもので,購入額の一部が楽天ポイントとして還元されるものです(基準となるのは税抜価格です)。ショップが集客に対する報酬として楽天リーベイツに支払った金額の一部が消費者へ還元される仕組みとのこと。レノボ側のメリットがまるで見えないのでかなり怪しげに感じますが,いわゆる「自己アフィリエイト」と同様の仕組み(ポイントを現金化できないだけの違い)であり,登録時の初期設定だと広告メールが怒涛の勢いで届きますので,一部の健康食品や美容器具等に見られるようなゴミ利益率のきわめて高い商品を売る広告としてトータルでは収益化されているのかもしれません。もしそうであれば,レノボ直販のようにショップ側にメリットがなさそうなものは楽天側も身を切っているのかもしれません。なんにせよ,今回はどうせ買うつもりのものにポイントが付くだけなので,(もともと楽天に個人情報を教えているなら)デメリットはなさそうです。私が注文した時は 6.5 % でした。時期によっては 20 %,ちょっと前でも 10 % だったのですが,まあ仕方ない。
なお,楽天リーベイツの代わりに LINE ショッピングのポイント還元を利用することもできます。楽天リーベイツ同様に料率は時期により上下します。
注文の流れ
詳細は各公式サイトに説明がありますので,一例として簡単に述べるにとどめます。他にもいくつか方法がありますが,もっとも正攻法と思えるやり方に拠りました。
1) まずは,念のために広告ブロックやサードパーティクッキーブロックは解除しておきましょう。2) あらかじめレノボアカウントを作っておきます。これによってカートを保存することができるようになります。レノボアカウントは ThinkPad を使い始めてからも必要になります。2) 価格コムを開きます。リンクをクリックして販売ページに遷移し,「ThinkPad E495:価格.com限定 パフォーマンス・FHD搭載」をクリックします。3) 構成変更画面に移りますので,思う存分オプションを外しましょう。4) 完成したら「後で使用するために保存」からカートを保存します。
5) さて,ここでいったんタブを閉じ,楽天リーベイツの「レノボ・ショッピング」のページを開いてください。6) 「ストアに進む」を押して直販サイトに遷移します。7) 「マイアカウント」から保存したカートを呼び出し,注文を確定します(この際,クーポンが適用されていることと納期をよくご確認ください)。これで注文は完了です。座して待ちましょう。
リーベイツを適用できているかどうかは以下から確認できます(反映までに一週間程度かかるようです)。
以下は通知メール。期間限定ポイントではなく通常ポイントで付くのはいいですね。
なお,規約の解釈によっては価格コム限定構成は対象外とも取れ(そもそもあの手の規約は白紙委任状みたいなもん),同じ手順でもポイントが付かなかったというケースもあるようです。リーベイツは(も?)それほど期待せずに運だと思っておいたほうがよいでしょう。
配送
到着予定日はあってないようなもの
タイミングが悪かったようで,注文時に表示されていた発送予定は「最短 3~4 週間」とのことでした。長い! さらにここに最短でも 1 週間はかかる国際配送が加わります。
しかも,レノボ直販はしばしば当然のように発送日が延びることで悪名高いです。2か月以上放置された挙句強制キャンセルになるようなこともあるとか……おそろしい。グローバルの洗礼を感じます。まあ,言われてみれば正確には「納期」ではなくあくまで「予定」ですからね。
で,そんな葛藤を乗り越えて注文したところ,6 月 29 日に注文・カード払いして発送予定日は 7 月 20 日,到着予定日は 7 月 31 日とのこと。
構成を変更可能なモデルについては,原則キャンセル不可で,まな板の鯉のように待っているほかありません。ただしレノボも鬼ではなく,決済から 2 週間経っても発送されない場合に限りキャンセル可能です。
CTO製品(お客様がシステム構成を変更・選択の上、注文された商品)については、あいにく、お客様のご都合による変更やキャンセルはできません。但し、ご決済日より14日以内に出荷されない場合はこの限りではなく、お客様都合による キャンセルが可能です。※1
あいにくってそれ煽ってるでしょ
突然の短縮!
人気モデルだし,世界的に需要は高まっているし,いつ届くかは見当もつかない……キャンセルも含みで様子を見ていたのですが,思ってもみないことが起きました。
なんと,当初予定より 16 日も早い 7 月 4 日に突然発送され,到着予定日が半月以上短縮した 7 月 13 日になっていたのです! しかも,国際配送業者である日通 NEC ロジスティクスの追跡ページでは 7 月 11 日となっていました。中国から 1 週間なら,かなりのスピードです。最高。
ただ,ありがたいことではありますが,これ予定日まで海外出張とかで半月間受け取り不可みたいな人はどうすればいいんでしょう? 保管しといてくれる? 強制キャンセル? まさか中国に返送ということはないでしょうが……
ま,自分はそんなこともありませんので,さっくり受け取ることができました。日通 NEC の予定通り,11 日に到着しました。
なお,国内配送は日通ではなくヤマト運輸でした。
開梱
梱包はコンパクトながらしっかり
梱包は今どきのごくコンパクトなものです。中国発送ですが,工場直送で日通 NEC による国際配送(ただし,Packing List によると実際の輸送業務は小物類と同じくスイスの CEVA Logistics が担当している模様)なので,角が多少つぶれている程度で,ほとんどダメージがありません。中国郵政のドキドキ箱潰れルーレットに参加しなくていいのはとても幸せなことです。
二重箱になっています。内側がこれ。いいねー
中もしっかり保護されています。
付属品は最低限度
付属品は AC アダプタ,メガネケーブル,ちょっとした添付書類,以上!
シンプルなのはソフトウェア面もそうで,ブロートウェアは Windows によるソフトおよびリンクと Windows 自体のほかにはマカフィーの体験版くらいです。設定ツールの Lenovo Vantage でさえストアから自動ダウンロードするリンクという徹底っぷり。いいですね!
PC リサイクルマークについて
法人向けの ThinkPad なので PC の無償回収に必要な PC リサイクルマークは貼付されていませんが,Lenovo では個人の購入者に対してシールを無償で発行しています。申込は以下からできます。申込は 1 度のみ可能で,紛失時の再発行はできません。
と,これからが本番ですが,今回はここまでとします。次回はファーストインプレッションと改造についてです。
なお,この文章もパーツを増強した E495 で書いています。思った以上に快適で,買ってよかったとしみじみと感じています。
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