SKB-SL18BKN TK-FCM103BK 比較

有線パンタグラフキーボード SKB-SL18BKN レビュー

SKB-SL18BKN

はじめに

サンワサプライの有線パンタグラフキーボード「SKB-SL18BKN」を購入したので,写真入りで紹介しようと思います。けっこう気に入ったので長くなりました。なお,キーボードの評価は各人の好みによる部分が大きいことをあらかじめご承知おきください。

使っている他のキーボード

私が現在デスクトップ PC で使っているのは,「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」です。これは,ThinkPad のキーボード部分だけを切り取って Bluetooth 接続にしたようなブツで,大変コンパクトかつ使いやすいキーボードです。もともと日本での根強い要望をうけて開発されたシリーズらしいです。

キータッチもトラックポイントの感度も実際の ThinkPad に搭載されているものには及びませんが,コンパクトで場所を取らないこととファンクションキーまで揃ったキー数のどちらも妥協できないのであれば,これを超える選択肢は他にないでしょう。

しかし,私が持っているモデルは Bluetooth 接続であるため,OS が起動して Bluetooth スタックが読み込まれるまでの段階では利用できません。定期的な充電が必要であることもあり,有線キーボードへの乗り換えを考えるようになったのでした。

実は,ThinkPad キーボードには有線版も存在します。Bluetooth 版に概ね満足しているのですから,この有線版を購入するのが無難でしょう。

しかし,有線版は micro USB ケーブルを接続したまま使うものであるため,Bluetooth 版のように「ちょっと立てかけておく」ことはできません。私の机は非常に狭いため,キーボードのフットプリントを常に確保しておくことはできません。また,配列も ThinkPad 準拠のため,Let’s note 派の私にとってはそれほど使いやすいものとは言えません。

さらに,今年の CES で後継モデルが発表されており,あとは発売を待つのみとなっています。この新モデルでは,現行モデルでの不満の多くが解消されているようです。ThinkPad キーボードを買い足すにしても,新モデルに切り替わるまで待つべきでしょう。

これらの理由から,別の機種を検討することにしました。まあ先立つものがないというのが一番大きいんですけどね

SKB-SL18BKN の特徴

SKB-SL18BKN はサンワサプライから発売されている USB パンタグラフキーボードで,同レンジの他の製品と比べると,ケーブルを左右に逃して立てて置くことができることと,Fn キーが左側にあることが特長です。

少し賭けにはなりますが,「立てて置ける」というメリットは捨てがたく,SKB-SL18BKN を注文してみました。

実際に使ってみた感想

どんな感じ?

SKB-SL18BKN 箱

サンワサプライキーボード伝統の緑箱。箱も非常にコンパクトです。

SKB-SL18BKN 箱 裏

私が購入する決め手となった「立てて収納できる」という点は,ベンダの側でもプッシュしている特長です。逆に言えば,特徴はそれくらいです。

SKB-SL18BKN

安いだけあってチープな見た目ですが,思ったよりいい感じです!

案外重く,しっかりとした作りです。すこし捻ってみてもきしみがなく,安定しています。その代わり,パンタグラフキーボードとしては厚めです(とはいえ手前は薄くなっているため別途パームレストが必要なほどではなく,見た目だけです)。

SKB-SL18BKN キー アップ

キーは全くの平面となっているタイプですが,特殊な配列ではないためすぐに慣れます。標準サイズの主要なキーはしっかりしており,隅の方を押してもしっかりと押せます。小さいキーはややがたつきが大きいですが,それで困るほどではありません。

キーの周り,凹ませている部分に光沢があるのが安っぽさの原因ですねえ。こうするとどれくらい安くなるんでしょうか?

ご覧の通り矢印キーは一段下がるのでもなく「_」と Shift の間に食い込むのでもなく,単純に半分の高さにして1列分に押し込まれています。ここは好みの分かれる部分でしょうか。個人的には特に気になりません。

SKB-SL18BKN 裏 ゴム足

ゴム足は手前だけにありますので,机の材質によってはずれやすいかもしれません。まあ,なにか適当に貼れば解決する話です。

SKB-SL18BKN ケーブル

こんな感じにケーブルを横に逃がせるので,立てて置けるというワケです。左右好きな方向を選べます。これは本当に便利。にしても,スマートフォンで写真を撮るのって難しいな……

Linux で USB 情報を取得してみると,以下のような ID となっています。

ID 1c4f:0027 SiGma Micro 

"SiGma Micro" なるベンダ名ですが,ウェブ検索しても情報が得られず詳細は不明です。

良い点

価格やサイズの割に良好なキータッチ

パンタグラフキーボードとしては最低価格帯で,数が出ない分手抜きになりやすいコンパクトモデルですが,キータッチに大きな問題はなく,贅沢を言わなければ普通に使えるレベルです。もちろん Let’s note や ThinkPad のキーボードには及びませんが,一般的なラップトップと遜色ないレベルのキーボードです。

もちろん,それではまったく我慢ならないという方もいるでしょう。しかし,大抵の人はこれで充分であり,私もこれでとりあえずは充分です。

いずれにせよ,この値段のキーボードとしてはかなり健闘しています。

ケーブルを横出しして立てて置ける構造

この機種を他の機種から差別化しているのは,ケーブルを左右から逃して立てて置くことができる構造です。これによって,狭い机上スペースを有効活用できるようになります。

本当に地味なことではありますが,これはなかなか技ありで,一度使うと戻れなくなります。

コンパクトなフットプリント・一般的なラップトップ互換の配列

テンキーがないのはもちろん,カーソルキーや PgUp / PgDn なども圧縮されたラップトップ配列のため,非常にコンパクトです。これには2つのメリットがあります。

まずは,もちろん,限られた机上のスペースを有効活用できることです。書類,コーヒーの入ったマグカップ,携帯電話と,キーボードやマウスの他にも置いておきたいものはたくさんあります。無駄なものを置いておく必要はありません。それがキーボードのキーであっても。

もうひとつは,人間工学的なメリットです。すなわち,腕を大きく広げず作業できるため,負担が小さく疲れにくいのです。右利きの方であれば,キーボードの右側にマウス――私の場合はトラックボールですが――を置くことでしょう。Enter よりも右側にキーがあると,腕を広げる必要があるため肩が凝りやすく,右腕だけを広げるかキーボードの中心が体の真向かいにないか,いずれにせよかなり不自然な体勢での作業を強いられます。 Enter より右には何もないコンパクトなキーボードであれば,そのような心配はありません。体の構造に合わせた自然な体勢で作業できますので,長時間の作業でも疲れにくいです。

もちろん,いくらコンパクトなものであってもキーボード自体が使いにくいものであったら意味はありません。このキーボードは一般的なラップトップ PC と同じ配列を採用しており,キーピッチもフルキーボードと同じ 19mm を確保しているため,快適に作業できます。

左 Fn

好みの問題ですが,私は Fn キーは左手を使う派なので(Fn 組み合わせのキーは右手側に多いのでこの方が楽),左に Fn があるこの配列のほうが好みです。

ラップトップマシンでも,Fn キーがひとつだけの機種では左手側にある場合が多いです。

残念な点

ファンクションキーが「島」になっていない

ちょっとわかりにくいですが,お使いのキーボードのファンクションキー(F1~F12)をご覧になってください。F4 と F5 の間,F8 と F9 の間,F1 の前と F12 の後ろに少しスペースがあって,F1~F4,F5~F8,F9~F12 がそれぞれ「島」になっていることに気づくかもしれません。

ファンクションキーの「島」

ファンクションキーの位置は機種によって大きく異なります。たとえば,SKB-SL18BKN や ThinkPad では「7」の真上には F8 がありますが,TK-FCM103BK では F5 と F6 の間,Let’s note では F6 と F7 の間です。こうした混乱の中で,すばやく目的のファンクションキーを見つけるための重要な手がかりとなるのがこの「島」なのです。

(ちなみに Let’s note はここにもこだわりがあるようで,10インチでキーピッチの狭い RZ シリーズでもファンクションキーの位置関係を保ちつつなんとかこの「島」も作っていて「お主やりおるな!」となるのですが,それはまた別の話……)

もちろん,ここまで気を使っていないベンダのほうが多いでしょう。私が持っている ThinkPad キーボードでもこの「島」は消滅しています(今年発表の新モデルで復活)。安価なUSBキーボードにそこまで求めるのは酷というものです。しかし,それほどのコスト増加なしに使いやすさに大きな違いをもたらす工夫であるので,全体的に見て手堅く通好みの仕様である分もったいなく感じます。

Ctrl と Fn の配置

このキーボードは,左下の端には Ctrl, その右に Fn キーが配されています。一方,Let’s note や ThinkPad では Fn が端でその右に Ctrl です。

好みの問題ですが,Ctrl は OS のキーアサインで自在に追加・変更できるのに対し,Fn は特殊なキーなので,個人的には Fn が端の方が好みです。ちなみに ThinkPad のキーボードライトはキーボードの左下の隅にある Fn と右上の隅にある Delete の組み合わせで点灯できるため,暗くてキートップが見えない状態でもすばやくオンにできるという工夫にもなっています。

もっとも,シェアで言えばおそらく Ctrl が端のベンダのほうが上なので,妥当といえば妥当ではあります。また,ラップトップでもここは機種によって混在しているので,案外混乱せず対応できます。ただ,あえてこのキーボードを選ぶような人はラップトップの好みも渋いような気はします(偏見)。

他のキーボードとの比較

ThinkPad キーボードとの比較

SKB-SL18BKN ThinkPad キーボード 比較

奥をぴったり揃えて重ねて置いてみました。こんな感じで,コンパクトな ThinkPad キーボードと比べてもさらに一回り小型です。

キータッチには,やはりはっきりとわかる程度の差があります。とはいえ,ThinkPad キーボードを 100 とするならばこれは 67 程度(やたら中途半端な数字なのは実際微妙なところだからです)で,まあ,同等とは言えないにしてもタッチタイプで普通に使える範疇です。

SKB-KG3BK との比較

現在は終売となり,おそらく型番リネームの SKB-KG3BKN となっています。同じサンワサプライの製品で,おおむね SKB-SL18BKN のメンブレン版のような製品です。値段も多少安い程度で,それほど変わりません。

別の拠点で使っているため重ねた写真は撮っていませんが,フットプリントは SKB-SL18BKN より大きく ThinkPad キーボードより小さい程度です。

これもまたコストパフォーマンスの高いキーボードで,粗は目立つものの心地よくしっかりしたタイプ感であり,耐久性も高いです。なお,USB ベンダ ID によれば,SKB-KG3BK は電源で有名な台湾 Zippy Technology 社の OEM 品のようです。

SKB-SL18BKN を SKB-KG3BK と比べると,キートップの傾斜加工がないなど造りでは一歩譲る一方でタイプ感自体はより軽くかつ安定しており,どちらかといえば今回購入した SKB-SL18BKN のほうがおすすめです。もっとも,パンタグラフとメンブレンでは全く違うフィーリングなので,好み次第という部分はあるでしょう。

TK-FCM103BK との比較

SKB-SL18BKN TK-FCM103BK 比較

以前買って失敗した一般的なテンキーレス配列の ELECOM TK-FCM103BK と比べるとこんな感じで,当然ですがフットプリントには圧倒的な差があります。

キータッチにも大きな差があります。値段も1.5倍ですが,それをずっと上回る差です。ホント,最初からこっちを買っておけばよかった……

結論

SKB-SL18BKN は非常にコストパフォーマンスの高いキーボードでした。フルキーボードも含めても,アンダー2000円ではかなり上位の完成度だと思います。

折しもテレワーク化の時流で,PC を大きなディスプレイに接続して使っている方も多いでしょう。省スペースなキーボードをお探しの方はもちろん,普段ラップトップをお使いの方にとっても,安価でありながら非常に使いやすいキーボードであるはずです。

なお,フルキーボード・メンブレン派の方にはバッファローの BSKBCG300BK/BSKBCG305BK をおすすめしておきます(G300 と G305 は販路・パッケージ違いの同じ品です)。オーソドックスな外観ながらゲーミング向け仕様で,比較的安価でありながらそこそこの品質です。リネームで1000円程度の大幅値上げがされてお得感はなくなってしまいましたが,今でも値段なり+αの価値はあります。

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