Weller 乾電池式ハンダこて BP650MP レビュー
Weller BP650MP とは
秋葉原・千石電商でジャンク扱い 500 円で売られていた,手のひらくらいの大きさのコレ。実は乾電池式のハンダこてなんです。
セラミックヒータと細い特殊なこて先を使うことで乾電池によるたった 4.5W の出力でもハンダを溶かせるようにしているもので,国内で一般的な機種としては Goot MSD-20 や Hakko FX901-01 があります。
MSD-20 は安いところで買っても 2000 円近い値段がします。FX901-01 なら 3000 円近くです。この機種自体,Amazon.co.jp では Amazon 販売でやはり 2000 円近い値段が付いています(仕様は明らかに MSD-20 の方が上なので,この値段なら MSD-20 をおすすめしますが)。乾電池式ハンダこてが 500 円で使えるならお得! とりあえずゲットしましたが,どうなのでしょうか?
手にとって見てみると明らかに安っぽいのですが,ノーブランド品ではなく,米国の大手工具ベンダ Apex Tools Group が有する「Weller」ブランドの製品です。Weller は米国では Hakko と並んで人気があるベンダですので,悪いものではなさそうです。
本体とこて先・キャップの他に,こて先を取り外すための金具,無鉛ハンダ,Duracell の単3アルカリ乾電池3本が付属しています。電池の使用期限は2021年でした。ジャンク扱いの理由はまったくわからずじまいでしたが,おそらく,パッケージが少し傷んでいるのと,電池の仕様期限が近づいていることでしょうか。もっとも,まだまだ期限内ですし,容量も普通にありました。
使用方法
BP650MP は単3アルカリ乾電池3本を使用します。底部の黒い部分が電池蓋で,両側のタブ(ツメになっています)を押しながら引くことで取り外せますが,電池が入っていない状態では非常に硬いので気をつけてください。タブの真ん中よりやや本体側を親指と人差し指の腹でぐっと押し,少しだけひねりながら引くのがコツです。電池を入れた状態では電極バネの反発力で簡単に取り外せるようになりますが,そうすると今度は火事や液漏れの心配が……
透明キャップを外し,電源をオンにするとオレンジのランプが点灯します。そのまま30秒程度待つと温度が上がり使用可能になります。早い!
以下は取扱説明書の抜粋です。
実際に使ってみた感想
半信半疑だったのですが,使ってみるとかなり快適でした。ざっくり言うと,予熱さえ足りていればニクロム線 40W くらいの使用感です。作業ごとに 10-20 秒程度の予熱を挟む必要がありますが(ハンダの匂いでわかります),私のようなホビー用途では考えたりチェックしたりする時間のほうが長いため問題ありません。一般的な電子回路であれば,電解キャパシタやコネクタ類の交換を除けば,これ一本でだいたい対応できるのではないかと思います。立ち上がりの早さも相まって,かなり電子工作を身近にしてくれた感じがします。
ただ,乾電池式の難点として,常に同じ性能ではありません。電池残量によって加熱の具合は変化します。使うたびに電池を出し入れするのも面倒ですし,乾電池の機器としてはかなりの高出力であるため,使用に伴い電池が熱くなるのも少し気になります。超低出力こての可能性は BP650MP で思い知ったので,次は USB 給電タイプのもの(Goot MSD-5 がよさそう)を購入したいと思います。
3月に購入したもので,私が秋葉原に行ったのも先月が最後なので,今もまだあるのかはわかりません。「是非買いに!」とは言えないご時世ですが,次に千石の店頭を通ったときにまだ残っていたら,買ってみる価値はあると思います。
「Weller 乾電池式ハンダこて BP650MP レビュー」への2件のフィードバック
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本日、千石電商 秋葉原デパート店で500円で入手しました。ジャンクの箱に1個だけ有りました。
まだ使っておりませんが前からコードレスハンダゴテほしかったので良い買い物ができました。
ラスイチ(?)おめでとうございます。思ったより長く残っていましたが,そろそろ品切れでしょうかね。
このコテは今も時々使っています。こういう出物があるのが秋葉原巡回の醍醐味ですね。