中華的優良多媒体播放器・Ruizu X02

 1年ちょい使った Transcend MP870 の調子がどうも悪い。ちょっとした衝撃ですぐに電源が落ちてしまう。
 保証期間も切れてるし買い換えるか,ということで後継機種の MP710 を見たのですが,ogg vorbis が再生できなくなっているようです。それに,レビューを見ると MP870 と同様の(おそらく)設計上の問題も残っているようです。かといって Walkman やら iPod も好みでない。もっとディープでチープなものを。ということで白羽の矢が立ったのが,中国 Shenzhen KuRei Digital Technology Co., Ltd.RUIZU X02という機種です。
 ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
 あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!

 ……ではなく,「锐族」と表記するようです。こいつを中国のショップから購入します。
 本体色は3色展開で,「激情紅」「天空藍」「優雅白」があります。今回は「激情紅」を選びました。「激情紅」
 気になるお値段は8GBモデルで US$16.20(1700円くらい)なり。安っ。

 ポチッと注文,待つこと二週間,やっと到着。
DSC00038
 正規品確認のスクラッチも付いていてなかなかちゃんとしてますが,能書きの英語の怪しさから中小企業感がにじみ出ています。たとえば「RUIZU brand Seiko digital player」なる表現が登場します。「精工」が「Seiko」に機械翻訳されたんでしょうね…… 「美学エディション」とのことですが,他のエディションもあるのでしょうか。

DSC00039
 内容物は本体,イヤフォン,USB ケーブル,説明書類。
 なお説明書は英語(ただし機械翻訳)ですが内容が薄く役には立ちません。まあ,UI はシンプルで使いやすいので,この手のデバイスに慣れている方であれば操作に迷うことはないと思います。

DSC00095
 付属イヤフォンが意外といい感じです。高音がややチープですが聴き疲れしない音なので PC 用に最適です。日本の物価で言えばこれだけでも500円分くらいの価値はあるかも。

DSC00062
DSC00069-a
 4-5世代の iPod nano に似ていますが,素材やコストの制約を踏まえたアレンジが加わっており,中小企業であっても単純な模倣に終始する時代は終わったのだと感じさせます。
 裏面には「X02 多媒体播放器」とあります。かっこいい。

音質
 「入門級 HiFi」を売り文句にしているだけあり,ノイズなどは特に気になりません 1。特定の周波数が出ていないということもないようです。秋葉原で売っている千円くらいの mp3 プレーヤと Walkman や iPod のどちらに近いかで言えば,明らかに後者です。

対応フォーマット
 設定メニュー内に対応フォーマットの一覧があり 2,以下が示されています。
 mp3, wma[wma9, 32-48khz, 5-192kbps],Audible,Flac[8-42khz, VBR, 16bits], APE[8-48khz, VBR, 16bits], wav[8-48khz, up to 1.44mbps]
 書かれていませんが ogg vorbis にも対応しています。というか,販売店情報でそのことを知ったので買ったというのもあります。同様に販売店情報で,この機種は Rockchip 社の RKnano-B という ARM SoC を使用しているようです。
 いちおう動画も対応していますが,フォーマットは中国独自規格の amv のみ,解像度は160*128までの対応と,事前の変換が前提です。しかしまあ,この機種で動画再生をしようという人もいないでしょう。
 他に録音機能,写真再生,テキスト表示機能もあります。FM ラジオ機能もありますが日本の周波数帯には対応していないようです。
 また,「Music」ではなく「Folder」から開くことで,古き良きディレクトリベースの DAP として使うこともできます。開いた場所もちゃんと記憶されます。ただし「Folder」からの参照の場合なぜかファイルの並びが名前順にならず,バラバラになってしまいます。今後の改善を期待したいところです。
 
操作性
 時代に真っ向から反するほぼテキストベースのシンプルな UI ですが,メニューの見通しがよく,レスポンスもよくサクサク動くためとても使いやすいです。日本語の表示にもしっかり対応していますし,先に触れたとおり日本語メニューもあります。操作性は良いですが,いくつか問題も指摘できます。
・ボリューム操作がボタンひとつではできず,まず VOL を長押しして音量メニューを出してから戻る/進むキーで調節する,という手順を踏む必要がある。
VOL+戻すでホールド機能(操作無効化)が有効になるが,間違えて押してしまうことが多い,というか間違えて押してしまうことしかない。そもそもこの機能って使っている人いるんだろうか? 解除には VOL+戻るを3回押す必要がある。設定でオフにできない。
 しかし,全体的には満足のゆくものです。

バッテリの持ち
 素晴らしく良いです。公称値は80時間。自分の使い方だと二週間くらい平気でいけます。ちなみに,さらに2.5倍,公称200時間(!)の X08 という機種もあるのですが,ボタンが少なすぎますので,操作性とのバランスの良さそうな X02 にしました。

サイズ・重量・質感
 いい意味でチープです。というのも,実測で厚さ8mm・重さ30g と非常に薄く軽く,ポケットに入れていることを忘れるほどなのです。値段も値段ですから,特に扱いに気を使うこともありません。文具の感覚で気軽に使えます。近ごろ多機能化・高音質化の追求で主流派 DAP が高級化・肥大化していっていますが,やっぱり DAP はこうでなくちゃ。
 梨地加工 3になっているので,質感は意外にも高く,なんとなく指で撫でたくなる感じです。見た目にもお洒落な印象を受けます。ただ,この加工は角の削れや黒ずみが付き物ですので,使っている内にどうなるかは気になります。まあ,普通で言えばカバーぐらいの値段なので,汚れてきたら買い換えるという割り切りもできるといえばできますが。

2016/11/28追記:プラグジャックの接点がきついようで,イヤフォンのプラグに傷が付くことに気付きましたので,追記しておきます。特に実用上の問題はありませんが,高価なイヤフォンを挿すのは避けるべきでしょう。安価ながら音質の良さに定評のある KZ ED9 などを一緒に注文しておくのもいいかもしれません。

 ということで,Ruizu X02 はかなりお勧めできる DAP でした。
 しかし最近の中国新興メーカー製品の品質の向上は凄まじいです。スマートフォンなどを見るとわかりやすいですが,極端にコモディティ化した分野では既に絶対的な品質で比べても負けつつあります。日本は一刻も早く労働集約的な「ものづくり」から脱却しないと大変なことになるはずです 4

17/08/22 ちょっと修正

Notes:

  1. ただし外から来るノイズには弱いらしく,スマートフォンと重ねて使ったりすると,通信に合わせてノイズが乗ることがあります。
  2. 英語版では「Supported formats」ですが,なぜか日本語版 UI では「サポートされていないファイル形式」と誤訳されています。
  3. 古い Thinkpad とかのアレ。
  4. そこ,もう既に手遅れだとか言わない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。