有線メンブレンキーボード ELECOM TK-FCM103BK ミニレビュー

背景

買った理由

特定のキーばかり酷使するソフトウェア操作や WASD を酷使する(カジュアル)ゲーミング用に,安くて丈夫なメンブレンキーボードが欲しくなったため,1040円で購入しました。

無線 USB ドングルタイプという選択肢もありましたが,プロプライエタリの無線プロトコルは Mousejack 脆弱性への対応から Logicool (Logitech) の Unifying 以外は全く信用しておらず,その条件では良いものがなかったため,有線キーボードを選びました。

使っているキーボード

基本的にテンキーレスのコンパクトなキーボードしか使いません。

普段使っているのは ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード(パンタグラフ)で,ときどき気分転換に GAMDIAS HERMES E2 (メカニカル・ノーブランドスイッチ)の青軸と赤軸を使っています(以前1枚2000円とメンブレン並に安かったのでつい……)

その前によく使っていたのは SANWA SUPPLY SKB-KG3BK というメンブレンキーボードで,コンパクトながら無理のない圧縮配列なのが特徴です。SKB-KG3BKN としておそらく同じものが現在でも販売されているようです。

しかし,実際のところ,打っている時間が最も長いのは Let’s note SX2/3 のキーボードです。

ELECOM TK-FCM103BK ミニレビュー

配列

通常の JIS キーボードからテンキーを取り除いただけの素直なテンキーレス配列です。今回この機種を選んでみた理由はこれです。

もっとも,使い始めてすぐに気づいたのは,Let’s note のキーボードに慣れた自分には PageUp/Down などのキーは独立していても特にメリットにはならず,むしろ Fn と方向キーの組み合わせのほうが使いやすいということでした。これまで使っていたキーボードと比べて方向キー等の島の分幅が大きく,トラックボールまで手を伸ばす距離が増してかえって使いにくく感じます。これは盲点でした。

筐体

流行に真っ向から反した分厚い筐体で,見た目もシックでクラシカルな雰囲気です。

おそらく鉄板などは入っていませんが,値段からすればかなりしっかりした作りです。

キーピッチ・キートップ

19mmキーピッチで,キー表面の曲面加工なども適切です。

キートップの印字はレーザー刻印のはずですが,少しの使用でくすんできます。

打鍵感・キーストローク・打鍵音

TK-FCM103BK キートップ

打鍵感はやや重め,かつ不安定で,あまり良くありません。Logicool K270 などに近い感覚です。

キートップの端のほうを押すと打鍵感が変わるのみならず,うまく入力できず取りこぼすことがあり,イマイチ設計がよくないように感じます。

筐体よりこっちにコストをかけてほしかった……

まったく使えないほどかと言うとそうでもありませんが,同じメンブレンでも,たとえば Lenovo プリファードプロ II USB キーボード などのもう少しちゃんとしたものと比べると歴然たる差があります。

打鍵音はメンブレンとしてはやや大きめですが,この価格帯では一般的な程度です。

総評

メンブレンであり,1000万回のキーストロークに耐えるとする(もっともこの公称値は特に高いものではなく,メンブレンキーボードとしてごく一般的な数字です)など安価ながら一定の耐久性は期待できるため,この配列の静電容量無接点/メカニカルキーボードを愛用している人のサブ用など,配列に高い価値を見いだせる場合はアリかもしれませんが,一般的におすすめできるかというと難しいところかと思います。

Debian 10 + Xfce + Let’s note RZ4 で画面自動回転

GNOME 3 であれば iio-sensor-proxy 経由で加速度センサによる画面自動回転にデフォルトで対応していますが,GNOME 3 はラップトップのデスクトップ環境としての実用性が限られているという問題があります。しかし,Linux の常としてセンサの入力もデバイスファイルとして扱われているので,他のデスクトップ環境でも,簡単なスクリプトで状態を読んでやれば画面の自動回転ができるようになります。

とはいえスクラッチで書くのも大変なのでとりあえず ArchWiki で紹介されている “rotate.py” を試してみたところ,そのまま画面回転ができました。

ただし,このスクリプトでは RZ4 のタッチパネルは想定されず,このままではタッチ操作のジオメトリが変わらずに表示とずれてしまいますので,ちょっとだけ修正する必要があります。幸いにも処理の実際の内容である xinput での設定自体は全く同じでよいので,タッチパネルとして扱わせるためにスクリプトが用意しているリストに書き加えるだけです。

RZ4 は eGalax 製のデジタイザを使用しており,xinput –list –name-only での表示名に(”touchscreen” “wacom” は含まれず)”eGalax” の文字列が含まれるため,

touchscreen_names = ['touchscreen', 'wacom']

とある行を

touchscreen_names = ['touchscreen', 'wacom', 'egalax']

と書き換えてください(入力を一度小文字にした上で比較しているので,すべて小文字の egalax と指定してください)。

あとはこの rotate.py を自動起動して常駐させるなり,必要なときに起動するなりすれば, Xfce やその他のデスクトップ環境でもばっちり画面回転できるようになります。Onboard と組み合わせればタブレットとしてそれなりに実用的に使えるようになります。

余談:
この機種は Buster ではバックライトをホットキーから調整できない問題がありますが,例によって xorg の設定ファイルを追加するだけで対応可能です。

さらに余談:
どうやら UEFI で設定された画面輝度が OS 起動後に操作できる上限となるようで,UEFI での輝度が一定以下だと OS 起動後の輝度調整ができなくなります。わかってしまえばどうということもないことですが,上記のハードウェア認識の問題と混同してしまうと苦労することになるので気をつけましょう。 UEFI 画面が表示されるのは一瞬のことですので,通常は最大輝度にしておくのがよいでしょう。

……ということをなぜ書くかというと,以前ハマったこの問題にまたハマってしまい,検索したらこの記事が出てきて,ふと思い出して無事解決できたからです。次も思い出せるかはわからないので記録しておきます(何度も忘れるな)。

Debian 10 “Buster” が stable に

2019年7月6日,Debian 10 “Buster” が stable になりました。これにともない, “Stretch” は oldstable となります。

Buster ではそれほど目立つ変化はありませんが,AppArmor のデフォルトでの有効化,UEFI 対応強化など足回りが着実に強化されています。これまで testing として使ってきた感覚では,全体的に X 周りの安定性が高まっている印象もあります。

Stretch は2022年頃まで LTS 対象となる見込みです。Buster は2022年頃まで stable としてサポートされ,2024年頃まで LTS 対象となる見込みです。

La Frite AML-S805X-AC (1)

Kickstarter で back していた Libre Compter 製 La Frite AML-S805X-AC が届いたので,とりあえず写真だけ簡単に紹介。

La Frite は珍しい Amlogic 製 SoC を搭載した SBC で,メインラインカーネルでのサポートを含めたソフトウェア面にも力を入れるというのが売りです。ボード自体も比較的安価(Early bird で 1GB モデルが送料込み $19,通常 perk で同 $24)な割に高性能・低消費電力であり,モダンな仕様でいろいろ遊べます。もっとも,Raspberry Pi 4 model B が登場した今となっては,インパクトを欠く印象は否めませんが。

SoC Amlogic S805X
CPU Quad Cortex-A53 ~1.2GHz
GPU Mali-450
RAM DDR4 1GB or 512MB
ストレージ USB メモリ・別売専用 eMMC 対応
ブートローダ U-boot(NOR フラッシュ)

Libre Computer はこれまでにも量産実績のあるベンダですが,いままでのプロジェクトよりかなり back 数が多かったせいかやや苦戦し,半年以上遅れての発送となりました。多忙のせいか終盤には進捗報告を欠くことも増え,「一体どうなったんだ」「せめて進捗を教えてくれ」「静かに待つしかない」などコメント欄に不穏が空気が流れ始めたところで突然「やあ,大体終わってそろそろ発送するから週末までに配送先を確かめといてね」とのアップデートがあってずっこけたのもいい思い出です。

La Frite,配送パッケージ
ぴったりサイズのダンボールに収めて送られてきました。パッケージの中には,静電気防止の袋とスポンジで保護された La Frite が入っています。よい梱包です。ところで,なぜか税関検査で開封されていました。これまでにもいろいろ怪しげなものを個人輸入してきましたが,初めてのことです。たまたま?

La Frite,付属ネジ

短いネジが付属していました。eMMC の固定用?

La Frite,箱表

パッケージと本体の表面。パッケージがかっこいい。珍しい白色の PCB が目を引きます。ハンダ付けもちゃんとしてる。

La Frite,箱裏

裏面。パッケージには概説図が印刷されています。見ての通り microSD スロットがなく,別売りの eMMC を買っていない場合は USB ブートで使用します。2.0なので速度は推して知るべし。PCB は裏面も白く,くり抜く形で LAN ポートが実装されているため薄型です。

La Frite,Orange Pi PC との比較

ここまででお気づきかもしれませんが,けっこう小さく,Raspberry Pi model A シリーズのフォームファクタです。安物 SBC の雄 Orange Pi PC と比べるとこんな感じ。

La Frite,本体表

表面アップ。イイネー

La Frite,本体裏

裏面アップ。サイコー

ただこれ,残念ながら対応イメージがまだ公開されておらず,そのままでは動作確認はできません。(しばらく追っていなかったので開発が今どういう状況なのかはわかりませんが,おそらく芳しくはないのでしょう……)

とはいえ別の SoC 用のイメージでもキャラクタインタフェースは拝めるでしょうから,またあとで動かしてみましょう。

19/07/07追記:6日にプロジェクトアップデートがあり,Debian Stretch および Ubuntu Bionic の対応イメージが正式公開されました(実はそれ以前から開発中のイメージは公開されており,フォーラムなどにリンクがあったようです。見逃してた)。

正直,思ったより遥かに早い展開です。多くの開発者との協力の上に成し得たことであり,自由ソフトウェアの強みが発揮されています。

現在,Debian Buster,RetroPie,Android 9 の作業に取り掛かっているとのことです。