中華的優良多媒体播放器・Ruizu X02

 1年ちょい使った Transcend MP870 の調子がどうも悪い。ちょっとした衝撃ですぐに電源が落ちてしまう。
 保証期間も切れてるし買い換えるか,ということで後継機種の MP710 を見たのですが,ogg vorbis が再生できなくなっているようです。それに,レビューを見ると MP870 と同様の(おそらく)設計上の問題も残っているようです。かといって Walkman やら iPod も好みでない。もっとディープでチープなものを。ということで白羽の矢が立ったのが,中国 Shenzhen KuRei Digital Technology Co., Ltd.RUIZU X02という機種です。
 ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
 あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!

 ……ではなく,「锐族」と表記するようです。こいつを中国のショップから購入します。
 本体色は3色展開で,「激情紅」「天空藍」「優雅白」があります。今回は「激情紅」を選びました。「激情紅」
 気になるお値段は8GBモデルで US$16.20(1700円くらい)なり。安っ。

 ポチッと注文,待つこと二週間,やっと到着。
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 正規品確認のスクラッチも付いていてなかなかちゃんとしてますが,能書きの英語の怪しさから中小企業感がにじみ出ています。たとえば「RUIZU brand Seiko digital player」なる表現が登場します。「精工」が「Seiko」に機械翻訳されたんでしょうね…… 「美学エディション」とのことですが,他のエディションもあるのでしょうか。

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 内容物は本体,イヤフォン,USB ケーブル,説明書類。
 なお説明書は英語(ただし機械翻訳)ですが内容が薄く役には立ちません。まあ,UI はシンプルで使いやすいので,この手のデバイスに慣れている方であれば操作に迷うことはないと思います。

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 付属イヤフォンが意外といい感じです。高音がややチープですが聴き疲れしない音なので PC 用に最適です。日本の物価で言えばこれだけでも500円分くらいの価値はあるかも。

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 4-5世代の iPod nano に似ていますが,素材やコストの制約を踏まえたアレンジが加わっており,新興メーカーであっても単純な模倣に終始する時代は終わったのだと感じさせます。
 裏面には「X02 多媒体播放器」とあります。かっこいい。

音質
 「入門級 HiFi」を売り文句にしているだけあり,ノイズなどは特に気になりません 1。特定の周波数が出ていないということもないようです。秋葉原で売っている千円くらいの mp3 プレーヤと Walkman や iPod のどちらに近いかで言えば,明らかに後者です。

対応フォーマット
 設定メニュー内に対応フォーマットの一覧があり 2,以下が示されています。
 mp3, wma[wma9, 32-48khz, 5-192kbps],Audible,Flac[8-42khz, VBR, 16bits], APE[8-48khz, VBR, 16bits], wav[8-48khz, up to 1.44mbps]
 書かれていませんが ogg vorbis にも対応しています。というか,販売店情報でそのことを知ったので買ったというのもあります。同様に販売店情報で,この機種は Rockchip 社の RKnano-B という ARM SoC を使用しているようです。
 いちおう動画も対応していますが,フォーマットは中国独自規格の amv のみ,解像度は160*128までの対応と,事前の変換が前提です。しかしまあ,この機種で動画再生をしようという人もいないでしょう。
 他に録音機能,写真再生,テキスト表示機能もあります。FM ラジオ機能もありますが日本の周波数帯には対応していないようです。
 また,「Music」ではなく「Folder」から開くことで,古き良きディレクトリベースの DAP として使うこともできます。開いた場所もちゃんと記憶されます。ただし「Folder」からの参照の場合なぜかファイルの並びが名前順にならず,バラバラになってしまいます。今後の改善を期待したいところです。
 
操作性
 時代に真っ向から反するほぼテキストベースのシンプルな UI ですが,メニューの見通しがよく,レスポンスもよくサクサク動くためとても使いやすいです。日本語の表示にもしっかり対応していますし,先に触れたとおり日本語メニューもあります。操作性は良いですが,いくつか問題も指摘できます。
・ボリューム操作がボタンひとつではできず,まず VOL を長押しして音量メニューを出してから戻る/進むキーで調節する,という手順を踏む必要がある。
VOL+戻すでホールド機能(操作無効化)が有効になるが,間違えて押してしまうことが多い,というか間違えて押してしまうことしかない。そもそもこの機能って使っている人いるんだろうか? 解除には VOL+戻るを3回押す必要がある。設定でオフにできない。
 しかし,全体的には満足のゆくものです。

バッテリの持ち
 素晴らしく良いです。公称値は80時間。自分の使い方だと二週間くらい平気でいけます。ちなみに,さらに2.5倍,公称200時間(!)の X08 という機種もあるのですが,ボタンが少なすぎますので,操作性とのバランスの良さそうな X02 にしました。

サイズ・重量・質感
 カシオの「チプカシ」のように、いい意味でチープです。というのも,実測で厚さ8mm・重さ30g と非常に薄く軽く,ポケットに入れていることを忘れるほどなのです。もちろん値段も安価ですから,特に扱いに気を使うこともありません。文具の感覚で気軽に使えます。近ごろ多機能化・高音質化の追求で主流派 DAP が高級化・肥大化していっていますが,やっぱり DAP はこうでなくちゃ。
 梨地加工 3になっているので,表面加工の質感は意外にも高く,なんとなく指で撫でたくなる感じです。見た目にもお洒落な印象を受けます。ただ,この加工は角の削れや黒ずみが付き物ですので,使っている内にどうなるかは気になります。まあ,普通で言えばカバーぐらいの値段なので,汚れてきたら買い換えるという割り切りもできるといえばできますが。

2016/11/28追記:プラグジャックの接点がきついようで,イヤフォンのプラグに傷が付くことに気付きましたので,追記しておきます。特に実用上の問題はありませんが,高価なイヤフォンを挿すのは避けるべきでしょう。安価ながら音質の良さに定評のある KZ ED9 などを一緒に注文しておくのもいいかもしれません。

 ということで,Ruizu X02 はかなりお勧めできる DAP でした。
 しかし最近の中国新興メーカー製品の品質の向上は凄まじいです。スマートフォンなどを見るとわかりやすいですが,極端にコモディティ化した分野では既に絶対的な品質で比べても負けつつあります。日本は一刻も早く労働集約的な「ものづくり」から脱却しないと大変なことになるはずです 4

19/04/25 なぜか最近この記事へのアクセスが増えているようなので、現在の状況について追記します。1台目は1年ほど使ったところでコンクリートの道路に落としたところバッテリが機能しなくなってしまったため2台目を購入し、すでに1年半ほど使っています。ポケットに入れているため負荷がかかって筐体側面の中ほどが白く変色していますが割れや歪みはありませんし、バッテリ劣化なども見受けられません。おすすめです。

17/08/22 ちょっと修正
19/04/25 現在の状況について追記

Notes:

  1. ただし外から来るノイズには弱いらしく,スマートフォンと重ねて使ったりすると,通信に合わせてノイズが乗ることがあります。
  2. 英語版では「Supported formats」ですが,なぜか日本語版 UI では「サポートされていないファイル形式」と誤訳されています。
  3. 古い Thinkpad とかのアレ。
  4. そこ,もう既に手遅れだとか言わない。

ThinkPad T61 に Debian 8 + xfce をインストールしたメモ

 ジャンクの ThinkPad T61 を買ったので Debian 8 + xfce セットアップのメモ。

1, まず普通にインストール

2, sources.list 編集

# nano /etc/apt/sources.list

cdrom: 行をコメントアウト。
contib/non-free が必要な場合、ついでに追加。

3, 最低限使うソフトをインストール

# aptitude update
# aptitude install sudo vim keepassx arandr xfce4-whiskermenu-plugin icedove icedove-l10n-ja zotero-standalone xul-ext-zotero

4, 自分をグループ sudo に入れる

# gpasswd -a hoge sudo

一度ログアウトするまで反映されない。

5, ユーザに戻って ~/ をデフォルト(英語)に

$ LANG=C xdg-user-dirs-update --force

6, トラックポイントでのスクロールを有効化

$ sudo vi /usr/share/X11/xorg.conf.d/20-thinkpad.conf

以下をコピペ。

 Section "InputClass"
     Identifier "Trackpoint Wheel Emulation"
     MatchProduct       "TPPS/2 IBM TrackPoint|DualPoint Stick|Synaptics Inc. Composite TouchPad / TrackPoint|ThinkPad USB Keyboard with TrackPoint|ThinkPad Compact USB Keyboard with TrackPoint|USB Trackpoint pointing device"
     MatchDevicePath    "/dev/input/event*"
     Option             "EmulateWheel"          "true"
     Option             "EmulateWheelButton"    "2"
     Option             "Emulate3Buttons"       "false"
     Option             "XAxisMapping"          "6 7"
     Option             "YAxisMapping"          "4 5"
 EndSection

もうちょっと詳しい話は Debian 公式 Wiki の当該項目を参照のこと

7, xfce の設定
– 標準からパネル1削除、パネル2を画面下端へ。
– ワークスペースを1つに。
– 標準メニューボタン、ワークスペーススイッチャー、アクションボタンを削除。
– Whisker Menu とシステム負荷モニターを追加。
– 合成処理有効化ほか、環境や気分に合わせ設定。
– 初回ログアウト時には確認画面の「次回ログインのためセッションを保存する」のチェックを外す。

8, Mozc の設定
 なにやら難しくてよくわからない理由により標準では一部の設定項目が変更できません。仕様の違いが原因のため、バグとしては扱われていません。なので何年も前からこの状態ですし、修正する予定もないようです。ワークアラウンドとしては、いったん uim-mozc を削除したうえで mozc-utils-gui を起動し設定を行えば問題なし。

$ sudo aptitude remove uim-mozc

句読点変更、サジェスト自動表示・リアルタイム変換を無効化したうえで

$ sudo aptitude install uim-mozc

9, CapsLock を Ctrl に
「設定>セッションと起動>自動開始アプリケーション」から「setxkbmap -option “ctrl:nocaps”」を追加。
液晶が見にくく感じる場合は、このとき「xgamma -gamma X.X」も追加してガンマ値を下げるなどしておくと良いかもしれません。バックライトが黄ばんでいる古いマシンでは -bgamma を上げるのもおすすめ。

10, 画面ロックを xscreensaver から light-locker に変更
先日の記事参照のこと。

11, 完了
やったぜ。

 この機種 T61 についてですが,1960年代にソビエト連邦が開発した第2世代主力戦車で……じゃなかった,2007年発売の14.1型ラップトップです。数字が同じ X61 と同世代のようです。
 T シリーズは初めてなのですが,なかなかいいですねコレ。X をそのまま引き伸ばした感じで,X 独特の“秘密基地感”のようなもの(伝われ)が出ています。その一方で画面が物理的に広々として見やすく,キーボードも無理がありません。スピーカもステレオで,ついつい用もなく音楽をかけてしまいます。それでいて「小脇に抱える」ことができる程度のフットプリント・軽さ・薄さを保っており,モバイルマシンならではのわくわく感(伝われ)が損なわれていません。Core2 Duo T7100 1.8GHz + GM965 Express のモデルなので性能は大したこと無いはずなのですが,インタフェースにゆとりがあるためか,体感としてはなかなか快適です。リース落ちが一気に出たようでかなり安かった(PC-NET で3千円)ので,買った翌週にも秋葉原に寄って実家用にもう一台確保してしまいました。
 
参照:
製品の概要 – ThinkPad T61, T61p – Lenovo Support (JP)
Hothotレビュー レノボ「ThinkPad T61」レビュー ~Santa Rosaとワイド液晶で強化

Raspberry Pi 3 model B の国内販売が開始

「Raspberry Pi 3 Model B」発表のお知らせ – Raspberry Pi Shop by KSY
Raspberry Pi 3 Model B – Raspberry Pi

 先月末に発表・発売された Raspberry Pi 3 model B の国内販売が始まったようです。3 B は無線 LAN と Bluetooth の内蔵が大きな特徴ですが,「技術基準適合証明等 1」を取得したうえでの発売であるため,日本国内において合法的に使用することができます

 Raspberry Pi Foundation 公式サイトで 2 と比較しての特長として挙げられているのは以下。

  • A 1.2GHz 64-bit quad-core ARMv8 CPU
  • 802.11n Wireless LAN
  • Bluetooth 4.1
  • Bluetooth Low Energy (BLE)


そのほかにも細かな改良や仕様変更があります。詳細は冒頭にリンクを貼った KSY のプレスリリースを参照のこと。注意すべき点として,推奨される電源電流が 2.5A に引き上げられています。もっとも,2 でも無線ドングル込みで安定動作させるにはそれくらい用意するのが普通でしたので,そういう意味ではこれまで通りと言えましょう。

 気になる点として,価格が税抜5250円(税込5670円)と,米国の35ドル 2 や英国の25ポンド 3を考えると,かなり割高な印象を受けます。よく不満の声を聞く EU でも 35,65 ユーロ 4となっています(以上全て税抜価格)。実に1ドル150円・1ポンド210円・1ユーロ147円という世界です。為替が不安定とはいえ,ここ30年くらいを振り返ってみても,そこまで行くことはなかったはずです。
 もちろん技適証明にもけっこうなコストがかかりますし,そもそも原価ギリギリと思われるので,輸送や在庫のコストも直接反映されてしまうのでしょう。しかし,いくらなんでも高すぎるような気がしないでもありません。国内で販売してくれるというだけでもありがたいところではありますが,多くの人の善意のうえに成り立っている競争のないジャンル・製品ですので,一応言及させていただきました。

 そんなわけで,ますますパワフルかつ便利になった Raspberry Pi,手に入れたら何に使いましょうか?

Notes:

  1. として言及されているが,たぶん工事設計認証
  2. 16年3月26日現在1ドル=約113円なので約3957円
  3. 同上約159.8円,約3995円
  4. 同上約126.2円,約4500円

キングジム,折りたたみキーボードのモバイル PC「PORTABOOK XMC10」発表

フルサイズをコンパクトに、たためるパソコン「ポータブック」 | キングジム
【Hothotレビュー】キングジム 「ポータブック XMC10」 ~開閉型キーボード搭載のコンパクトWindows 10ノート – PC Watch
動画:キーボード変形Win10 PC『ポータブック XMC10』開発者ロングインタビュー – Engadget Japanese

 どこもかしこも判で押したような退屈でくだらないモバイル機器ばかりを出しているモバイル不毛の時代ではありますが,まだこの世の中も捨てたものではありませんね。なにしろこの「XMC10」が世に出ることができたのだから。
 XMC10 はスペックこそ近頃はやりの「PC の形をしたタブレット」ですが,そんじょそこらのガラクタとは一線を画しています。見てください,このキーボードを。名機 Thinkpad 701 を彷彿とさせる,ユニークな変形キーボードを搭載しているのです! 個人的にはこの手のギミックの有用性については懐疑的だったりするのですが,ともかくこれを実現させて世に送り出した心意気は素晴らしい。ポインティングデバイスもタッチパッドなんておもちゃじゃありません。Thinkpad Tablet で採用例のある人差し指で操作するタイプの光学式ポインティングデバイスです。でも,せっかくなら Thinkpad のような物理的なトラックポイントにして欲しかったですね。コストや厚さの兼ね合いから妥協もやむを得なかったのでしょうけども。閑話休題,液晶もあの忌々しいグレア液晶ではなく,屋外や日光の差し込む環境でも快適に使える安心のアンチグレア液晶です。このマシンはモバイルマシンであることに加えディスプレイが8インチとかなり小さめですので,ディスプレイが見やすいアンチグレアであることは重要なポイントです。プロジェクタの接続を念頭に置いてでしょう,変換コネクタ不要の VGA 端子も搭載しています。 
 一方で難点や荒削りな部分も目立ちます。まずは何より価格でしょう。Atom,RAM 2GB,eMMC 32GB というスペックで予価「9万円前後」というのは相当厳しいと言わざるを得ないでしょう。もっとも,独特で手の込んだ造り,ニッチ製品で数が出ることは期待できないことを考えると,仕方のないことだとは思います。バッテリ駆動時間が公称5時間というの厳しいです。バッテリ駆動時間は徐々に縮んでいくものであることを考えると,せめて8時間は超えて欲しいところです。また,バッテリが取り外せないのもマイナスです。そして,これはかなりクリティカルな問題ですが,重量が公称で820gと実はあんまり軽くありません。10.1〜13.3インチの普通のモバイルマシンと同じくらいあります。たとえば,予算をあと3万円ほど足せば,性能が遥かに上でバッテリも倍持って重量が85g軽い Let’snote RZ4 が買えてしまいます……
 とはいえ,これはキングジムの初のモバイル PC です。代を重ねるごとにユーザの声を取り入れて進化していった Pomera のように,これからユーザの声に応えて洗練されてゆくことでしょう。正直なところこの機種はそれほど売れないとは思いますが,それにこりず,第二弾・第三弾とユニークなモバイルマシンを投入していって欲しいものです。これからもキングジムのモバイル PC に注目していきたいと思います。

16/11/25追記:発売から一年近く経ったいま,値段は22000円前後まで落ちているようです。一般的なタブレット構成のラップトップより安いですから,これは間違いなく破格です。尤も特殊な仕様ですから「他のを買うならこれを」という勧め方はできません。ともかく,うっかり買ってしまわないよう気をつけたいと思います(?)

CPU1GHz,RAM512MB で5ドル! Raspberry Pi Zero 登場

本日,Raspberry Pi Zero の即時の頒布開始をお知らせできることをうれしく思います。メイド・イン・ウェールズ,そして価格はちょうど5ドルです。Zero は Raspberry Pi ファミリの一人前の構成員で,以下を搭載しています:

  • Broadcom BCM2835 アプリケーションプロセッサ
    • 1GHz ARM11 core (Raspberry Pi 1 より 40% 高速)
  • 512MB LPDDR2 SDRAM
  • micro-SD カードスロット
  • mini-HDMI ソケット,1080p60 映像出力
  • Micro-USB ソケット,データ入出力および電源用
  • 端子未実装の 40-pin GPIO ヘッダ
    • Model A+/B+/2B と同一のピンアウト
  • 端子未実装のコンポジット出力ヘッダ
  • これまでの Raspberry Pi で最小のフォームファクタ,65mm x 30mm x 5mm
  • Raspberry Pi Zero: the $5 computer – Raspberry Pi

 あの Raspberry Pi に新モデルが登場しました。価格は衝撃の5ドル。しかし価格以上に衝撃なのは,この値段で完成したコンピュータとして機能し,しかも第1世代の Raspberry Pi を超える基本スペックを持っているという点です。
 だって……5ドル。5ドルですよ? Arduino より安いどころか PIC ボードのキットより安いですよ? それどころか私が昨日食べたラーメンより安いんですよ? なのに 1GHz の CPU と 512MB の RAM 載っけてて Debian(Raspbian) が動くって……金銭感覚狂いそうです。
 Raspberry Pi A+ と比較して省かれたものはオーディオ出力 1および DSI ポート 2です。GPIO とコンポジット出力もコストカットのため端子が省かれていますが,配線はちゃんと引いてあります(えらい! 素晴らしい!)。USB ポートも micro になっています。HDMI も mini です。販売価格での差が数百円程度までなら通常サイズの方がよかったですが,それは先進国のホビイストの考えというもので,途上国ではまた違った需要があるのかもしれません。ともかく,電子工作ネタやなんちゃって IoT ネタはこれからは Zero で決まりですね。
 日本での価格は,おそらく800円〜1000円といったところでしょうか? 近ごろ為替相場も落ち着いてきているので600円台で出してくる可能性も無きにしもあらず。いずれにせよ非常に安くなるものと思われます。これまで「自分には使いこなせないだろうし……」と敬遠してきた人も手に取りやすくなって,DIY の裾野が広がるといいですね!

Notes:

  1. コメント欄を見ると HDMI での音声出力には対応しているようです。
  2. カメラとか繋ぐアレ。

よさそうなキーボードのメモ

 現在,安いメンブレンキーボードを使用中。腱鞘炎になりそうになったら高いキーボードを買おうと思いつつも,意外となんともないもので,なんとなく使い続けている状況。晴れて(?)腱鞘炎になりそうになった時のためにメモ。

私の理想のキーボード

  • 腱鞘炎などになりにくく,疲れにくく,さらに作業能率を落とさないもの。
  • キー荷重は軽めがよい。キーストロークは,テンポ良く入力できるものであればどのようなものでも構わない。
  • キートップに位置に合わせた傾斜加工が施してあるもの。
  • コンパクトなもの。テンキーは不要。
  • 可能な限り標準的な配列であるもの(少なくとも,少し慣れればタッチタイプが可能である程度であること)。また,ファンクションキー(F1〜F12)やカーソルキーが独立したキーとして存在するもの。
  • 無線であることが望ましい。その場合,安全な暗号化方式でなければならない。
  • 曲線的なデザインよりは角張ったデザインがよい。
  • タイプ音は静かであることが望ましい。
  • キートップの刻印が消えにくいものが望ましい。あるいは逆に無刻印のものもよい。
  • キーボードを見るたびに Windows のロゴが目に入るのは不愉快だから代わりに Tux キーをつけろ(暴言)

Realforce91UBK(約14,500円)
 最有力候補。東プレが誇る静電容量無接点方式のスイッチで,実用品としてはおそらく最高峰のもの。キータッチは言うに及ばず,耐久性も折り紙つきで,チャタリングの心配もない。テンキーレスモデルでトラックボールまで動かす手の移動が少なくてすむ。無線ではなく有線であるという欠点はあるものの,他は非の打ち所がない。なお,テンキーレスではないが30g荷重モデル(このモデルは45g荷重)もあり,悩むところ。

I-T Touch AS-KB91T(約7,500円)
 テンキーレス,シンプルなデザインと自分の好みにあっている上,Cherry スイッチのメカニカルキーボードとして最安クラスでもある。これも有力候補ながら,下記 Majestouch 2 Tenkeyless との価格差2500円が悩ましい。

Majestouch 2 Tenkeyless FKBN91M/NFB2(約10,000円)
 国内メカニカルで一番人気の Majestouch で,Cherry MX 茶軸,テンキーレスで,刻印がキートップではなく側面になされているモデル。すっきりした印象でかっこいいけど,あと5000円足せば Realforce に手が届くんだよなあ。

EnduraPro(14,380円)
 Model M などが有名な IBM バックスプリング方式キーボードの末裔で,静電容量無接点方式でもメカニカルスイッチ方式でもない独自のスイッチ構造を採用している。キーに仕込まれた大きなバネの反発力でキーを戻すという仕組みで,音もかなり大きいらしい。このモデルは Ultra Classic というモデルの派生で,ユニークなことにトラックポイントが付いている。ニッチさ+機能性を考えれば安い印象だが,実用品として Realforce と比較すると……? ダイアテックが国内正規代理店になっている。Unicomp 直販でも買えるものの,送料が6000円くらいするのでダイアテックで買ったほうが得。余談ながら Unicomp 直販では Linux ユーザのための交換キートップセットなんてのも売っている。

Happy Hacking Keyboard Professional 2(約22,000円)
 Realforce と双璧を成すキーボードで,これも東プレの静電容量無接点方式スイッチを採用。プログラマのためのミニマムなキー配列を備える。ファンクションキー(F1〜F12)がないので,残念ながら日本語の文章を書くのがメインである自分には厳しい。

Kinesis Advantage Qwerty(42,530円)
 いわゆるエルゴノミクスキーボードの代表的なもの。Cherry MX 茶軸。疲れにくさに定評があるが,流石にこの値段では手が出ない。

The Recreated Sinclair ZX Spectrum(77.99GBP+送料約20GBP)
 英国のコンピュータ史に名を刻む名機 ZX Spectrum を忠実に再現した Bluetooth キーボード。忠実に再現しているのでゴム製キートップのチクレットキーボード。実用性とかそういう退屈なことを考えてはいけない。これ自体はそうでもないけど Amazon.co.uk の関連商品にある「Sinclair ZX Spectrum Mug」がむっちゃ欲しい。

Qwerkywriter(329USD+送料50USD)
 タイプライタ風 Bluetooth キーボード。見た感じかなりしっかりした造り。中身はメカニカルキーボードなので,こっちは実用もできそう。ただやっぱり高すぎる。

iBuffalo BSKBC02BKF(約1,300円)
 最低価格帯にもかかわらず手の込んだ作りになっていて,コストパフォーマンスが素晴らしいと人気のキーボード。値上げ騒動があったものの,まだ在庫があるようで今のところ実勢価格は変わらず。まあ上がっても2000円を切るくらいだとは思うけど,欲しい方はお早めに。

SANWA SUPPLY SKB-KG3BK(約1,500円)
 コンパクトな PS/2 キーボードが欲しくて買ったやつ(って最初の趣旨から完全にズレてるな……)。軽いキータッチ,配列やキーピッチへの影響を最低限にしつつのフットプリント圧縮となかなか悪くありません。安物シリーズではこれもおすすめ。

ジャンクの VersaPro VC-7 を買ったメモ

秋葉原 PC-NET でジャンクの NEC VersaPro VC-7 (PC-VY14A/C-7) を買ったメモ。

  • C2D SU9400,RAM 1GB(DDR3,MAX 3GB,非公式ながら5GBまで認識可),HDD 120GB
  • むっちゃ軽い。バッテリ込みで実測900g切ってる。軽さに惹かれて衝動買い。
  • こう軽けりゃ当然 SSD に換装するしかない(?)けど,軽さの代償として,分解を前提とした作りにはなっていない。構造上,ダメージ無く分解することはほぼ不可能。この手の作業には慣れてるつもりだけどキータッチが少しおかしくなってしまった…… なお分解レポートを公開してくださっている方がいることもあり,分解自体は比較的簡単(参照:2011年05月04日の記事 | nana1451@たぶん日記 – 楽天ブログ
  • AC がちょっと特殊な 10V 4A のブツ 1で,秋葉原でも発見が難しい。幸いネット通販でなら中古2000円ほどで入手可。
  • RAM は DDR3 で,4GB 追加の合計5GBまで認識することを確認。初期の DDR3 モデルに共通の仕様として,2Gbit チップまでの対応なので注意 2
  • 腑分けしてびっくり,無線 LAN 非搭載モデルだった 3。残念。
  • Debian Wheezy が普通に動く。
  • 自分の個体のバッテリはそれほど劣化していなかった。互換バッテリが売られていないので,バッテリの劣化が激しい個体を引き当てるとけっこうつらいかも。

かかった費用(本体以外は概算)

  • 本体 – ジャンク3780円
  • AC ケーブル – 中古2000円
  • DDR3 SODIMM 2GB – 中古500円
  • SSD 32GB – 新品3500円
  • PC カード wlan アダプタ – 中古300円
    合計:10080円

本体は安かったものの,というジャンク品の王道パターンにはまってしまったなあ。そして,これで実戦可能なモバイル機が意味もなく4台に……

15/2/8 スペック(CPU,RAM)情報修正,リンク追加

Notes:

  1. 何種類かある。自分が購入したのは ADP69 という機種。
  2. 簡単な見分け方としては,4GB の場合,裏表8枚ずつ全部で16枚チップがついてるやつ。2Gbit*16=32Gbit=4GB。
  3. PCI-E half size スロット(筐体の構造上フルサイズは入らない)はある。アンテナは無し。

クアッドコアの新型 Raspberry Pi,「Raspberry Pi 2 B」発売

 2日,Raspberry Pi の新型がサプライズ発表・発売されました。今回はマイナーモデルチャンジではなく全面的な刷新で,新機種の名前は「Raspberry Pi 2 model B」。Twitter ではかなりの反響が見られ,公式サイトも一時落ちてしまっていました。嬉しいことに,日本でも同時発売です。
 「2」の特長は 900Mhz のクアッドコア Cortex-A7 プロセッサ「BCM2836」と 1GB に倍増した RAM,そして旧モデルから据え置きの価格(35ドル,RS 日本は4,291円)です。CPU は従来モデルから最大6倍の性能アップになるとのこと。6倍はマユツバな気もしますが,シングルスレッドのベンチ(つまり,1コアあたり)だと約1.5倍の性能だということなので,ヒートシンク付けてしっかり冷却する前提ならなるほど妥当なところかという気もします。
 地味ですが大きな特長として,旧モデルとの完全な互換性が維持されているということがあります。Adafruit のいかした液晶筐体のようなこれまでに発売された拡張機器はどれもそのまま使えるし(追記:Switch Science 社のブログによると,ケースによっては干渉が生じ,加工する必要がある場合もあるようです),これまでに Raspberry Pi についてのレクチャーを受けた子供たちはそのまま「2」に乗り換えることができるわけです。営利企業の製品じゃあ,なかなかこうはいかないでしょうね。それから,今回はマイクロソフトから ARM 版 Windows 10 付きの IoT 開発環境が無償提供される予定のようです。
 
 以下戯言。ネットに上がっている Unixbench の結果報告を見ると,先代 Raspberry Pi B 512MB/B+ System Benchmarks Index Score は概ね100前後(1,2,3)で,Atom N2800 がだいたい800くらい(1,2,3),Atom 230 がだいたい400くらい(1,2,3)のようです。両者の比率は Passmark の表とも一致しますので,ここから強引に換算して BCM2836 の(推定される)ベンチ性能と同じぐらいのものを探してみると,Intel Celeron N2805,PentiumM(Banias?) 2GHz,AMD C-50 などが見つかります。ちなみに先代 BCM2835 はかろうじて VIA Samuel 2 という2001年発売の化石が引っかかる程度です。どうでしょう? なかなかいい感じじゃありませんか?

新発売のレノボ YOGA TABLET 2-851F はなかなかお買い得

 今月28日にレノボから「YOGA TABLET 2-851F(YOGA TABLET 2-8 with Windows)」という機種が国内発売されるようです。名前の通り,「スタンド付き」ギミックで知られる Android タブレット YOGA TABLET シリーズの Windows 8.1 with Bing 版のようです。この機種は8インチ液晶ですが,10インチ液晶を搭載しキーボードがセットになる以外は同様のスペックのモデル「YOGA TABLET 2-1051F」も既に5万円程度で発売されています(この機種のレビューを見ると概ね高評価で,2-851F も期待できそうです)。さてこの機種ですが,価格比較サイトでは発売前から既に最安値が32,000円を割り込んでいるという安さながら,解像度が1920×1200で,MS Office H&B 2013 も搭載しているというお買い得っぷりなのです。もはやおなじみ 32GB しかストレージがないmicroHDMI コネクタも miracast 等への対応もなく 1,内蔵グラフィックをいかした外部出力が不可能という弱点がありますが,タブレットとして使う前提であればそれほど困らないでしょう。それに MS Office くらいであれば USB-VGA でも問題ないはずです。IPS 液晶,公称15時間バッテリ駆動,重量 426g,Wifi は 11n 対応で Bluetooth も 4.0 と,ストレージや外部出力の他には特に弱点は見つかりません。この機種は8インチ Windows タブレットの新定番となることでしょう。

余談:
 DELL Stream 11 と類似したスペック・価格(199.99ドル)の ACER Aspire ES1-111M-C40S 同等とみられる ES1-111M-F12N という機種が先月から国内販売されていたようですが,どのショップも横並びで29,800円という価格になっています。

2015/4/11追記:
コメント欄でいただいた情報によると,Windows 版の本機種も実際には miracast に対応しているとのことです。

Notes:

  1. 14/12/16追記:日本版および米国版の製品ページを確認しても miracast 等について言及されていないことから対応していないと判断しましたが,Android 版のみの前機種でも言及がないものの実際には対応しているようなので,ひょっとしたらこの機種も対応しているかもしれません。少なくとも対応できない/しない理由は思いつきません

Brastel 050 Free を契約したメモ

概要
・いわゆる SIP サービス。
月額基本料(050番号使用料を含む)無料,Brastel 050 Free 回線同士の通話も無料。電話回線への通話料も携帯電話の音声回線と比べて安い。また,オープン標準に準拠したサービスであるため好きなクライアントを利用できる。
・事業者のブラステル株式会社は1996年設立で国際電話が主力の日本の会社。電話回線のノウハウもあるはずなのでよくある新興の専業企業より安心できそう。それにサーバが国内にあるので海外のサービスと比べて対電話回線の通信が安定する,かも。
・セキュリティがどうなっているのかは記載がなく不明。SRTP が使えず TLS も使えないので垂れ流しの可能性が高い。信頼できる回線(自宅の共用でない固定回線,モバイル回線など)でのみ利用しましょう。また,その場合でも,国家機密とかについて話すのはやめときましょう。->なお NTT Com の「050plus(月額基本料324円)」は SRTP,TLS 対応らしい。もちろん対電話回線の通話ではサーバまでの暗号化なのでその場合はこっちもやはり国家機密は話せませんが(?)
・また,IP 電話に共通する話として,電話回線と比較して信頼性が低いのでそのへんは頭の片隅に置いておきましょう。

契約
・けっこうわかりにくい。
・クレカでのオンライン登録が可能だが,SMS に対応した(つまり音声通話に対応した)携帯電話回線が必要になるほか,始めに2000円チャージする必要あり。Brastel Card を取り扱い店舗に行けば500円のチャージで登録できるらしい。
・左の「インターネット電話」>「スマホ・パソコン・その他端末」から登録開始(「Flipのお申し込み」ではない)。
・「ユーザーID」は「アクセスコード」の左8桁,「暗証番号(PIN)」は「アクセスコード」のスペースを挟んだ右4桁。ややこしいので注意。
・個人情報を入力したり規約(余談。短いのは嬉しいものの不備が多い気がする。特に「利用の停止について」6-iiは定義なしの「他の団体」に不正行為を行った利用者の個人情報を提供すると読めるのでアレ)に同意したりして登録完了
・050 Free の登録と050着信サービスの登録は別なので注意! 末尾「7800」はシステムの発信専用番号です。左上「ログイン」からログインの上「カード情報」>「SIPアカウント」から番号追加。番号は選べない。

準備
・標準アプリは無料の「Cloud Softphone」およびその有料版の「Acrobits Softphone」というものの2つで,プッシュ着信はこの2つのソフトでのみ公式サポート。ただ,あんまり使いやすくはない。バッテリ消費量如何では「CSipPhone」みたいな定番のほうがいいかも。その場合も,アカウント名(ソフト内でのみ使用する任意の名前),サーバ(ドメイン/ホスト),ユーザ名(ユーザーID),パスワードを入力するだけで利用可能。

発信
・冒頭にチャージ残高での通話可能時間についてのガイダンスが入る(数秒)。10秒くらいの自社サービス宣伝が流れることもある。そのまま待つと発信,普通に通話できる。
・まだちゃんと会話して試してはいないけれど,自分の回線にかけてテストしてみた限り,DTI 490円 SIM のベストエフォート250kbps回線でも問題なく通話可能。

着信
取得した050番号で着信できる。着信はプッシュ対応。
某巨大掲示板の情報によると APN f1.mobile.ne.jp または lte-mobile.jp に接続する回線ではプッシュ着信はそのままでは利用できないらしい。その場合でも「PNF NoRoot」というソフトを導入することで解決できるらしい。
ありがたいことに,向こうに聞こえる「○×にお繋ぎします」のようなガイダンスはなし。そのまま繋がる(番号と音質以外は電話回線と変わらない感覚で利用してもらえる)。