1000円のポケットマルチテスタ MASTECH M300

写真で見る MASTECH M300

手元に常備できるようなポケットテスタが欲しくて,秋月電子で MASTECH M300 というデジタルマルチテスタを購入しました。

小型タイプであるにもかかわらず値段は税込1000円とお手頃ですが,最近秋月が推している MASTECH という香港のベンダの製品であり,期待できそうです。このサイズで電流測定もできるというのが売りのようです。

M300 外観

△ これが M300 です。安いのに,見た目はなかなかかっこいい。

M300 と付属スリーブ

△ 塩ビのスリーブケースも付属します。

M300 リードの展開

△ 筐体の周りにぐるっと一周格納されているリードを引き出すとこんな感じ。ちょうど使いやすい長さです。

M300 リードの収納

△ ただ,長さがかなりギリギリなので丁寧に巻かないとうまく収まってくれません(上の写真はうまく収まっていない図)。思ったほど手軽ではないのは残念です。

少し力をかけないと収まらず,リードが断線しないか心配です。この専用のプローブでないと収納できないわけで,リードの寿命が製品の寿命ということになるでしょう(普通のリードをはんだ付けしてポケットじゃないテスタとして使い続けることはできますが)。

M300 内部(裏)

△ 電池交換等のための分解はネジ1本でできます。……こうして見るとやはり値段なりのチープさですね。とはいえ,ネジを金属で受けているなど,あくまで工具として設計されている感じはします。

電池は 12V アルカリ電池と少々特殊なものですが,テスタの電池は何年も持つので問題ないでしょう。ただ,デリケートなアルカリ電池しか使えず保管環境を選び,液漏れ防止のため切れていないか定期的に確認する必要があることに注意する必要があります。

また,調整用らしき可変抵抗があります。

M300 内部(表)

△ 基板はツメで止められているだけであり,これも簡単に分解できます。フレキケーブル等を使わずバネ状のコンタクトで接続してある安心設計です。液晶が接触不良になりそうで気になりますが,筐体裏蓋で機械的に押し付けることで接触を確保しています。

MASTECH M300 の機能面

……については,専門外なので,あまり詳しく評価できません。ごめんなさい。

ただ,いろいろ試してみたところ低電圧ではやや不安定で,3V 未満では 0.05〜0.3V 程度高めに出る傾向があるようであり,精度にはそれほど期待しないほうがよいかと思います。もっとも,自分がしているように,趣味でデジタル回路のちょっとした調査・修理をする程度であれば何も問題なさそうな感じです。

DER-EE DE-200A

なお私がメインで使っているテスタは,中学生の頃に買った DER-EE の DE-200A です。これも機能が絞られたエントリークラスの機種ですが,おそろしく頑丈で、精度も上々です。電池もマンガン電池が使えて安心です。リードもスナップオンで簡単に交換できます。趣味の工作程度なら一生モノじゃないかと思います。筐体がけっこう大きいことがデメリットではありますが,最初の1台なら断然これがお勧めです。

余談

バッテリチェッカ BT-168D

最近400円前後で出回っている「BT-168D」というノーブランドのバッテリチェッカは,なかなか正確でしかも 3V まで対応しており,かなりお勧めです。アナログメータモデルの「BT-168」というのもあるのでお気をつけください。安く見かけたらゲットしておくといいかと思います。

これいいかも? OpenWrt 搭載の無線 LAN ルータ「GL-MT300N-V2」

サイバー・ウィンドウ・ショッピング

興味深いネットワーク機器を見つけたので紹介します。UbiquitiMikroTik の製品と同様にカスタマイズ性の高い Linux ベースのルータの部類に属するものですが,完全に家庭用として設計されている代わりにベンダ独自でなく OpenWrt ベースのファームウェアが搭載されており,無線 LAN に対応し,しかもこの手のデバイスとしてはかなり安価(約2200円)……という特長があります。

OpenWrt とは

まずは OpenWrt について簡単に説明しましょう。OpenWrt は家庭用無線ブロードバンドルータ向けの代替ファームウェアのひとつであり,ソフトウェアレポジトリから手軽に拡張可能な Linux ディストリビューションの一種でもあります。

以前、Fon の安価な無線 LAN ルータに DD-Wrt を導入することが流行ったことがありますが,DD-Wrt も OpenWrt から派生したものです 1

OpenWrt では,ベンダ純正ファームウェアでは差別化のためやサポートコスト削減のために除外されているような高度な機能を利用できるほか,Linux の知識を活かした柔軟な運用が可能というメリットがあります。

しかし対応デバイスは限られているほか,電波法の問題があり,無線 LAN ルータで利用できる局面は限られているというのが現実です。

GL-MT300N-V2 とは

そこで GL-MT300N-V2 です。GL-MT300N-V2 は香港 GL.iNET (GL Technologies & Microuter Technologies 社)の小型ルータで,OpenWrt ベースのファームウェアが標準搭載されています。

MIPS 24KEc 580MHz (MT7628N),128MB DDR2,16MB フラッシュメモリというスペックで,CPU には AES-128/256 のハードウェア支援に対応した拡張機能があるので,OpenVPN も快適に利用できそうです。

しかもルータのくせに USB ポートに加え GPIO ピンまであり,拡張性も申し分ありません。

無線 LAN は 11n 300Mbps までの対応,GbE 非対応,5Ghz 帯非対応,アンテナ内蔵で電波の飛びも悪そうと,コンピュータとしてのポテンシャルの高さからするとかなり割り切った仕様ですが,一人暮らしならこれで充分ですし,小型で超低消費電力(2.75W未満) 2というメリットもあります。 3

ルータ親機としての利用のみならず,中継器/コンバータとしての利用にも対応しているため,特にハックせずとも利用の幅はかなり広いでしょう。

……いや,ここまでならよくある開発ボードと言うこともできるでしょう。GL-MT300N-V2 を真にユニークにしているのは以下の点です。すなわち,なんとベンダ自ら中国価格で Amazon.co.jp で販売しており(しかも Amazon 発送),さらに驚くべきことに,技適にもしっかり対応しているのです。

私が知る限り,OpenWrt が標準搭載されて技適に対応した無線 LAN ルータは他に選択肢がありませんし,ベンダ独自のディストリビューションを採用したものでも,手軽に買える値段のものはありません。

カスタマイズ可能なルータを構築する用途に Raspberry Pi のようなシングルボードコンピュータを使うのはオーバースペックであり,発熱の問題に悩まされることにもなりましたが,超低消費電力な CPU を搭載したこの機種であればまさにピッタリなのではないかと思います(もっともこのマシン自体が Raspberry Pi と同程度に安定するのかはまだわかりませんか……)。

個人の勉強用はもちろん,大学や専門学校でのネットワーク技術の教材としても使えるのではないかと思います。

ただし,GL-MT300N-V2 は OpenWrt 最新版安定版 18.16.2 に対応しているものの,開発版リリースでは特に積極的にサポートされていないようであり,次の安定版リリースで公式対応から外れる可能性があることに注意しておく必要があります。

購入リストへ

今のところいじろうと思って放置しているデバイスが多い(La Frite ももうすぐ発送みたいですし……)のでモチベーションがありませんが,この値段はお値打ちですし,無線 LAN が使えるのはユニークです。ホビー感たっぷりの「マンゴー色」の筐体もブツヨクをそそります。いずれ購入したら紹介したいと思います。

Notes:

  1. なお,DD-Wrt は、カスタマイズ可能な Linux ディストリビューションとしてよりも簡単に使える代替ファームウェアとしての側面にフォーカスしている,プロプライエタリのドライバも多く導入することで対応デバイスを増やしている,といった方向性の違いがあるようです。
  2. 同じくらいの CPU と RAM を搭載した一般的なルータの消費電力は10〜20W
  3. もちろん,できればハイパワーモデルや業務用モデルの選択肢も欲しいところですけどね。

Nextcloud プロバイダの無料プランを比較する

 自由ソフトウェアのオンラインストレージソリューション,Nextcloud をご存知でしょうか?
 簡単に言えば,Dropbox と Google Drive と Google Docs と Google Calendar をすべて合わせた上にマルチメディアやビデオチャットなどの機能も加えたものを自分のサーバで利用できるようにするという恐ろしい代物です。さらに,オンラインストレージ・コラボレーションツールとして定評があった ownCloud の創業者および主要開発者陣が独立してフォークした 1という経緯から,この多機能さにもかかわらずエンタープライズレベルの安定性があり,既に様々な組織で採用されているようです 2。Linux, Windows, macOS, Android, iOS, Windows Phone に対応した使いやすい公式クライアントが提供されており 3,大規模な組織から個人まであらゆるニーズに対応しています。

 Nextcloud ではユーザが自分自身でサーバを運用することが基本です。では,サーバ管理の手間なしに手軽に利用したい場合はどうすればよいのでしょうか? 開発元の Nextcloud GmbH ではホスティングサービスも提供していますが,法人向けプランのみです 4。もっとも,Nextcloud は自由ソフトウェアであるため,同一のソフトウェアでサービスを提供するサードパーティのプロバイダも存在します。プロバイダの一覧は Nextcloud 公式サイトで公開されており 5,こうしたプロバイダが提供するサービスには,安価な個人向けプランがあるのはもちろん,無料プランも存在しています。

 以下が,これらの無料プランを比較した表です。

プロバイダ名 DediSERVE Vault oCloud.de OwnDrive Pixel X e.K. Serverdiscounter Unixcorn Project Webo Hosting woelkli Cloud Storage Zaclys
運営主体 Dediserve Ltd. 個人(情報開示あり) 個人(情報開示あり) Pixel X e.K. 個人(情報開示あり) 不明 個人(情報開示あり) oriented.net GmbH Association la mère Zaclys
種別 非公開の株式会社(アイルランド) 個人事業(ドイツ) 個人事業(ノルウェー) 無限責任社員1名の会社(ドイツ) 個人事業(ドイツ) 不明(フランス?) 個人事業(スロベニア) 有限会社(スイス) 非営利団体(フランス)
運営主体設立年 2009 不明 不明 不明 不明 不明 不明 2014 1998
                   
容量(GB) 10GB 1GB 1GB 5GB 5GB 1GB 1GB 1GB 1GB
ファイルサイズ制限 不明 不明 不明 100MBまで 不明 不明 不明 不明 不明
                   
サーバ所在地 不明 ドイツ EU ドイツ ドイツ ドイツ 不明 スイス フランス
可用性(%) 99.99 非公表 非公表 非公表 99.5 非公表 非公表 非公表 非公表
定期バックアップ 不明 あり 不明 なし 不明 不明 不明 不明 なし
UPS 不明 あり 不明 不明 不明 不明 不明 不明 不明
サーバサイド暗号化 あり あり 不明 不明 不明 不明 不明 あり 不明
バージョン 不明 13.0.0 不明 不明 12.0.3 不明 不明 不明 不明(最新版)
サイトの言語 完全な英語対応 良好な英語対応 完全な英語対応 ほぼドイツ語のみ ドイツ語が多い ほぼフランス語のみ スロベニア語が多い 完全な英語対応 フランス語が多い

※ 2018年3月31日現在。Nextcloud 公式サイト掲載のプロバイダ一覧 https://nextcloud.com/providers/ に掲載されているサービスのみ。
※ 以下のサービスは除外しています。
Hostiso(情報不足), IndieHosters(情報不足), Open IT Store(情報不足), XT3(サーバ設定に問題), Quality Location UG(日本からのアクセスが遮断)

Comparison Chart of Nextcloud Providers’ Free (Gratis) Plans

Provider DediSERVE Vault oCloud.de OwnDrive Pixel X e.K. Serverdiscounter Unixcorn Project Webo Hosting woelkli Cloud Storage Zaclys
Organization Dediserve Ltd. Individual (disclosed) Individual (disclosed) Pixel X e.K. Individual (disclosed) N/A Individual (disclosed) oriented.net GmbH Association la mère Zaclys
Type Limited company (IE) Sole proprietorship (DE) Sole proprietorship (NO) “Eingetragener Kaufmann” (DE) Sole proprietorship (DE) N/A (FR?) Sole proprietorship (SI) Limited company (CH) Non-profit Organization (FR)
Established 2009 N/A N/A N/A N/A N/A N/A 2014 1998
                   
Server space (GB) 10GB 1GB 1GB 5GB 5GB 1GB 1GB 1GB 1GB
File size limitation N/A N/A N/A Up to 100MB N/A N/A N/A N/A N/A
                   
Server location N/A Germany EU Germany Germany Germany N/A Switzerland France
Availability (%) 99.99 N/A N/A N/A 99.5 N/A N/A N/A N/A
Backup N/A Yes N/A No N/A N/A N/A N/A No
UPS N/A Yes N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A
Server Side Encryption Yes Yes N/A N/A N/A N/A N/A Yes N/A
Server Version N/A 13.0.0 N/A N/A 12.0.3 N/A N/A N/A N/A (latest)
Web site language Perfect English support Good English support Perfect English support Mostly in German Many German pages Mostly in French Many Slovenian pages Perfect English support Many French pages

※ As of 31 Mar 2018. Within the scope of services listed on Nextcloud official website https://nextcloud.com/providers/
※ Services below have been excluded.
Hostiso (insufficient information), IndieHosters (insufficient information), Open IT Store (insufficient information), XT3 (problem with server configuration), Quality Location UG (access from Japan is blocked)

 表中にあるサーバサイド暗号化とはデータをサーバ上で暗号化して保管する仕組みで,経路を保護するエンドツーエンド暗号化(E2EE),データをローカルで暗号化したうえでアップロードするクライアントサイド暗号化とは区別されるべきものです。クライアントサイド暗号化と違い通信量は増加しませんが,原理上サーバ管理者による盗聴には無力です。
18/04/26追記:Nextcloud では各クライアント間の同期までを一連の通信とみなしているらしく,「end-to-end encryption」の語をクライアントサイド暗号化と同じ意味で使っているようです。 6
 大半のサービスは 1GB の提供となっており,10GB もの容量を提供している DediSERVE が圧倒的な存在感を持っています。運営主体の DediServe 社はこのリスト中では最も大規模な事業者であり 7,アイルランド企業であることから完全に英語に対応している,障害情報等の報告も充実しているといった強みもあって,大容量であるだけでなく安心感も大きいです。欠点は Nextcloud サービスではサーバ所在地が選択できず限定もされていないことで,DediServe 社が利用しているサーバには米国,香港,シンガポール,インドネシアといった法的リスクが比較的高い国に位置するものが含まれている 8ことに加え,アジアおよび北米のサーバは香港 PCCW 社のデータセンタを利用しているものが少なくないようです 9。もっとも,(Dropbox や Google のような)一般的なサービスの基準でいえばまったく問題にされないレベルのリスクですし,Cryptomator 等を利用してクライアントサイド暗号化で利用することもできます。
 DediSERVE 以外では Pixel X e.K. と Serverdiscounter が 5GB を提供していますが,どうも両方ともユーザ数が非常に少ないようですし 10,前者はそもそも有料プランとの差別化のためのファイルサイズ制限が厳しすぎます。
 結論としては,無料プランが前提であれば DediSERVE を選べば間違いないと思われます。
 18/04/02追記:登録を試みたところ,自動検出により不正な登録であると判断され,1) クレジットカードの発行銀行および発行国を証明する書類,2) 写真付き身分証明書のスキャンまたは写真,3) 住所が記載された公共料金請求書のスキャンまたは写真 のうち2点以上をアップロードするよう求められました。もちろん全く論外であり,この条件ではおすすめできません。
18/04/26追記:再度試みてみたところ,今度はすんなりとプランを追加できました。どういう基準になっているのか謎ですが,弾かれた場合も日を置いてまた試してみるといいかもしれません。

謎のシンクライアント,ION A603 で遊ぶ

 無くなりそうで無くならない秋葉原某店の300円ジャンクシンクライアントの話。記事を書こうと思いつつ棚から無くなりつつあるのを見て「やっぱりいいか……」となるのを何度か繰り返しましたが,先週行った時にはまたみっちり並んでいたので,まだたくさん隠し持っている(?)と見なしてひとまず記事にします。
 
 まず,本体シールからこいつの機種名は「ION A603」であることが判明しています。これで検索してみると,いくらか情報が出てきます。早速タイトルの「謎」が謎でなくなっていますが,気にしないこと。
・製造元らしき FIC のページ http://www.fic.com.tw/product/iona603.aspx
・AMD ウェブサイトでも紹介されている http://wwwd.amd.com/catalog/salescat.nsf/doclookupweb/CEF3492F57763CCF8625725800148E8D
 これらの表によると,CPU は AMD Geode LX800 (500MHz) のようです。この石の性能は同クロックの C3 よりはマシという程度の模様。もっともグラフィックやメモリのおかげか体感的にはもうちょっと速いです。また,4ポート USB 2.0,100M イーサ,RAM は最大1GB対応と,今でもアプライアンスサーバ的な使い方なら充分使えるスペックだということがわかります。また,定格電流が3.33Aであることも判明しました(以前 AC 付きも売られていた時にも購入しており,その AC アダプタも 12V 3.33A センタープラスで,Li Shin International Enterprise Corp. 製 LSE0107A1240 というものでした。FIC ロゴなどはありませんが,おそらくこれが純正品だと思います)。3A でも代用可能だと思います。HDD の消費電力分を考えると 2.5A でもたぶん行けるでしょう。

 それでは実物を見ていきましょう。「ROUTER」のシールは自分で貼ったものなので気にしないように(ラズパイルータの代替ハードウェアとして導入予定……だがなかなか取り掛かれず)。金属製のしっかりした上質な筐体です。萌えー
 前面には USB 2.0 ポートが4つ,インジケータ,電源ボタン,スピーカ,マイク端子とヘッドフォン端子。

 背面には LINE OUT,VGA 端子,LAN,電源コネクタ,ケンジントンロック用の穴。電源コネクタは一般的な外径5.5mm/内径2.1mmではなく5.5mm/2.5mmですが,千石などでアダプタを購入できます(100円程度)。入力は上記の通り 12V 3.33A センタープラスです。

 マザーボードはこんな感じ 1。筐体に排気口がないことからもわかりますが,ファンレス仕様です。萌えー
 一般的なケーブルを用立てれば 2.5 の IDE HDD が乗るようです。キャパシタは変なのも多いですが主要なやつは一応三洋の105℃品です。

 裏側。オンボードではなく 512MB の DDR SODIMM が挿されています。これはなかなか!

 ところでこれ…… SoC にヒートシンクも何も付いてないんですが,元々こんなものなんでしょうか? どうも心配です。HDD マウンタまで熱を逃してやりたいところですが,基板から直接外装へ熱を逃がす作りになっているようにも見え,かえってキャパシタの寿命を縮めるのではないかという感じもします。

 組み立ては逆にすればいいのですが,少々コツがいります。まず,下の赤丸の部分にプラスティックのツメがあるので,筐体下側から先にはめること。

 また,下の赤丸部分に金属の細かな接点?があるので,これを破壊しないよう,気をつけながら挿していきます。

 BIOS は一般的な Award BIOS で,特に面白そうな項目はありませんでした。
 目論見通り USB ブートに対応しており,Debian Jessie を USB メモリに普通の i586 用インストールメディアを使って難なくインストールできました。
 (なお,今回インストールした環境では,そのままでは”atempt to read or write outside of disk ‘hd0′”というエラーが出て起動できませんでした。起動ドライブの UUID が変わって発生するエラーのようだと踏んで,Grub の設定を UUID でなく /dev/* の指定を渡すよう記述を変えましたが効果はないようです。とりあえず起動時に Grub のオプションを適当にいじる 2,たとえば noacpi を指定してやる 3と(なぜか)起動できるので,今回はそれで済ませました。しばらく前に別のマシンにインストールした環境は大丈夫なのでカーネル絡み,何らかのデータ破損,BIOS 設定のいずれかだと思いますが目下検証する時間がないので……時間ができたらまた書きます。)
 17/3/26追記:追記を忘れていましたが,デスクトップ環境とディスプレイマネージャもインストールしたところ問題なく起動しました。ここにきて再びの謎です。ハードウェア省電力機能とかの話なのかもしれません。

/proc/cpuinfo はこんな感じ。

processor		: 0
vendor_id		: AuthenticAMD
cpu family		: 5
model			: 10
model name		: Geode(TM) Integrated Processor by AMD PCS
stepping		: 2
microcode		: 0x8b
cpu MHz			: 498.027
cache size		: 128 KB
fdiv_bug		: no
f00f_bug		: no
coma_bug		: no
fpu				: yes
fpu_exception	: yes
cpuid level		: 1
wp				: yes
flags			: fpu de pse tsc msr cx8 sep pge cmov clflush mmx mmxext 3dnowext 3dnow vmmcall
bogomips		: 996.05
clflush size	: 32
cache_alignment	: 32
address sizes	: 32 bits physical, 32 bits virtual
power management:

 一応 i686 互換対応っぽいです。

lspci はこんな感じ。ちゃんと 100M イーサですね。

00:01.0 Host bridge: Advanced Micro Devices, Inc. [AMD] CS5536 [Geode companion] Host Bridge (rev 33)
00:01.1 VGA compatible controller: Advanced Micro Devices, Inc. [AMD] Geode LX Video
00:01.2 Entertainment encryption device: Advanced Micro Devices, Inc. [AMD] Geode LX AES Security Block
00:0d.0 Ethernet controller: Realtek Semiconductor Co., Ltd. RTL-8100/8101L/8139 PCI Fast Ethernet Adapter (rev 10)
00:0f.0 ISA bridge: Advanced Micro Devices, Inc. [AMD] CS5536 [Geode companion] ISA (rev 03)
00:0f.2 IDE interface: Advanced Micro Devices, Inc. [AMD] CS5536 [Geode companion] IDE (rev 01)
00:0f.3 Multimedia audio controller: Advanced Micro Devices, Inc. [AMD] CS5536 [Geode companion] Audio (rev 01)
00:0f.4 USB controller: Advanced Micro Devices, Inc. [AMD] CS5536 [Geode companion] OHC (rev 02)
00:0f.5 USB controller: Advanced Micro Devices, Inc. [AMD] CS5536 [Geode companion] EHC (rev 02)

 lsusb には 1.1/2.0 の root hub しかありませんでした。
 とりあえず今回はこんな感じで!

17/3/26:記事タイトルから「(1)」を削除

Notes:

  1. 特にこの季節は,基板類に触る前に必ず大きな金属製品などに触れて静電気を逃しましょう!
  2. リスト画面で E キー,起動は Ctrl-X
  3. “linux /boot/vmlinux-… ro quiet” とある行が起動時カーネルオプションです。

Raspberry Pi Zero が日本国内発売へ

ニュース – 5ドルPCボード「Raspberry Pi Zero」、2017年第1四半期に日本で発売:ITpro

 これまで(残念なことに)英・米のショップにしか供給されていなかった Raspberry Pi Zero ですが,来年春からついに! 日本でも発売されるそうです!
 これまでも Pimoroni など海外ショップから入手することは可能でしたが,送料が本体価格の倍くらいかかるという問題がありました。
 最近日本にも製造ラインが作られたようで,先月から 3B が国内生産品に切り替わっており,ひょっとしたらこのことも関係あるかもしれません。
 Zero は PC ライクな用途には不向きですが,マイコンボードとしてはかなりの高性能,かつ Debian が動作するマシンとしてはかなりの低消費電力であり,いわゆる IoT モノ,ウェアラブル,デジタルサイネージ,画像や音声の処理を伴わないロボットなどの DIY プロジェクトにうってつけです。気軽に手を出せる価格であることから 1,詳しくないが DIY や Linux に興味のある人の「お試し」購入,あるいはそういう人を沼に突き落とす道具としても最適でしょう(?)

関連記事:
CPU1GHz,RAM512MB で5ドル! Raspberry Pi Zero 登場 – 怠惰の形而上学

Notes:

  1. PC のように使うためには追加のコスト(8GB 以上の microSD カードに加え,AC-USB アダプタ,電源用 microUSB ケーブル,microUSB ホストアダプタ,miniHDMI-HDMI アダプタ,HDMI ケーブル)が必要ですが,液晶・キーボード/マウスを除けば,通販と百円均一で1000-2000円程度で揃います。

JINS の通販で眼鏡を買ってみたメモ

 JINS 店頭で眼鏡を買ったら通販限定の30%引き券を貰ったので,通販も試してみました。おもいっきり導線に引っかかってる。
 
 商品選択・度数選択は JINS の通販ウェブサイトでできます。度数はユーザが勝手に入力する仕組みなので,むちゃくちゃな度数の眼鏡も作ろうと思えば作れるはずです(だからどうしたという話ですが)。店頭と違いレンズの屈折率を自分では選べないようで,おそらくこれが理由で,私の度数ではレンズ面が大きなフレームは選択できませんでした。ひょっとしたらレンズの在庫状況なども関係しているのかもしれません。
 欠点はむろん実際にかけて試せないことですが,私はもともとオーソドックスなものしか選ばないのであまり問題ではありませんでした。むしろ,細かい寸法データを比較しながらゆっくり選べるのがよかったです。
 
R0013046
 注文してから数日後,こんな箱に入って届きました。配送は佐川急便でした。撮る前に破ってしまいましたが,この上からビニール袋で覆ってあって雨などで濡れないようになっています。写真がむちゃくちゃなのは資料だから許して。
 
R0013048
 封筒の中には「ご注文納品書」,「保証書」,「返品・交換カード」,それにレンズのパッケージが入っていました。店頭で買うのと同じ Hoya Lens Thailand ltd. 製レンズです。

R0013049
 空中に浮かせて衝撃から保護するタイプのパッケージングです。

R0013050
 眼鏡を不織布で覆って眼鏡ケースのなかで動いて擦れないようにされています。当然ですが,傷などはありませんでした。
 
 税込6372円が30%引きで4461円也。いい買い物。
 私は小さい頃から眼鏡なので,眼鏡といえば精密な医療器具という感覚なのですが,「安物」でも案外値段ほどの差はないものです。JINS の眼鏡は既におそろしく安いですが,通販によるコスト圧縮で品質を落とさず値段を更に下げるというのはよい考えですね。一方で JINS 一強の現状は消費者としてはどうも危なげな気もしますし,医療器具というイメージから産業の空洞化的アレにも思いを馳せたりしつつ新しい眼鏡でこの記事を書いています。ま,とにかく良い眼鏡が安く手に入ってよかったです。

中華的優良多媒体播放器・Ruizu X02

 1年ちょい使った Transcend MP870 の調子がどうも悪い。ちょっとした衝撃ですぐに電源が落ちてしまう。
 保証期間も切れてるし買い換えるか,ということで後継機種の MP710 を見たのですが,ogg vorbis が再生できなくなっているようです。それに,レビューを見ると MP870 と同様の(おそらく)設計上の問題も残っているようです。かといって Walkman やら iPod も好みでない。もっとディープでチープなものを。ということで白羽の矢が立ったのが,中国 Shenzhen KuRei Digital Technology Co., Ltd.RUIZU X02という機種です。
 ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
 あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!

 ……ではなく,「锐族」と表記するようです。こいつを中国のショップから購入します。
 本体色は3色展開で,「激情紅」「天空藍」「優雅白」があります。今回は「激情紅」を選びました。「激情紅」
 気になるお値段は8GBモデルで US$16.20(1700円くらい)なり。安っ。

 ポチッと注文,待つこと二週間,やっと到着。
DSC00038
 正規品確認のスクラッチも付いていてなかなかちゃんとしてますが,能書きの英語の怪しさから中小企業感がにじみ出ています。たとえば「RUIZU brand Seiko digital player」なる表現が登場します。「精工」が「Seiko」に機械翻訳されたんでしょうね…… 「美学エディション」とのことですが,他のエディションもあるのでしょうか。

DSC00039
 内容物は本体,イヤフォン,USB ケーブル,説明書類。
 なお説明書は英語(ただし機械翻訳)ですが内容が薄く役には立ちません。まあ,UI はシンプルで使いやすいので,この手のデバイスに慣れている方であれば操作に迷うことはないと思います。

DSC00095
 付属イヤフォンが意外といい感じです。高音がややチープですが聴き疲れしない音なので PC 用に最適です。日本の物価で言えばこれだけでも500円分くらいの価値はあるかも。

DSC00062

DSC00069-a
 4-5世代の iPod nano に似ていますが,素材やコストの制約を踏まえたアレンジが加わっており,新興メーカーであっても単純な模倣に終始する時代は終わったのだと感じさせます。
 裏面には「X02 多媒体播放器」とあります。かっこいい。

音質
 「入門級 HiFi」を売り文句にしているだけあり,ノイズなどは特に気になりません 1。特定の周波数が出ていないということもないようです。秋葉原で売っている千円くらいの mp3 プレーヤと Walkman や iPod のどちらに近いかで言えば,明らかに後者です。

対応フォーマット
 設定メニュー内に対応フォーマットの一覧があり 2,以下が示されています。
 mp3, wma[wma9, 32-48khz, 5-192kbps],Audible,Flac[8-42khz, VBR, 16bits], APE[8-48khz, VBR, 16bits], wav[8-48khz, up to 1.44mbps]
 書かれていませんが ogg vorbis にも対応しています。というか,販売店情報でそのことを知ったので買ったというのもあります。同様に販売店情報で,この機種は Rockchip 社の RKnano-B という ARM SoC を使用しているようです。
 いちおう動画も対応していますが,フォーマットは中国独自規格の amv のみ,解像度は160*128までの対応と,事前の変換が前提です。しかしまあ,この機種で動画再生をしようという人もいないでしょう。
 他に録音機能,写真再生,テキスト表示機能もあります。FM ラジオ機能もありますが日本の周波数帯には対応していないようです。
 また,「Music」ではなく「Folder」から開くことで,古き良きディレクトリベースの DAP として使うこともできます。開いた場所もちゃんと記憶されます。ただし「Folder」からの参照の場合なぜかファイルの並びが名前順にならず,バラバラになってしまいます。今後の改善を期待したいところです。
 
操作性
 時代に真っ向から反するほぼテキストベースのシンプルな UI ですが,メニューの見通しがよく,レスポンスもよくサクサク動くためとても使いやすいです。日本語の表示にもしっかり対応していますし,先に触れたとおり日本語メニューもあります。操作性は良いですが,いくつか問題も指摘できます。
・ボリューム操作がボタンひとつではできず,まず VOL を長押しして音量メニューを出してから戻る/進むキーで調節する,という手順を踏む必要がある。
VOL+戻すでホールド機能(操作無効化)が有効になるが,間違えて押してしまうことが多い,というか間違えて押してしまうことしかない。そもそもこの機能って使っている人いるんだろうか? 解除には VOL+戻るを3回押す必要がある。設定でオフにできない。
 しかし,全体的には満足のゆくものです。

バッテリの持ち
 素晴らしく良いです。公称値は80時間。自分の使い方だと二週間くらい平気でいけます。ちなみに,さらに2.5倍,公称200時間(!)の X08 という機種もあるのですが,ボタンが少なすぎますので,操作性とのバランスの良さそうな X02 にしました。

サイズ・重量・質感
 いい意味でチープです。というのも,実測で厚さ8mm・重さ30g と非常に薄く軽く,ポケットに入れていることを忘れるほどなのです。値段も値段ですから,特に扱いに気を使うこともありません。文具の感覚で気軽に使えます。近ごろ多機能化・高音質化の追求で主流派 DAP が高級化・肥大化していっていますが,やっぱり DAP はこうでなくちゃ。
 梨地加工 3になっているので,質感は意外にも高く,なんとなく指で撫でたくなる感じです。見た目にもお洒落な印象を受けます。ただ,この加工は角の削れや黒ずみが付き物ですので,使っている内にどうなるかは気になります。まあ,普通で言えばカバーぐらいの値段なので,汚れてきたら買い換えるという割り切りもできるといえばできますが。

2016/11/28追記:プラグジャックの接点がきついようで,イヤフォンのプラグに傷が付くことに気付きましたので,追記しておきます。特に実用上の問題はありませんが,高価なイヤフォンを挿すのは避けるべきでしょう。安価ながら音質の良さに定評のある KZ ED9 などを一緒に注文しておくのもいいかもしれません。

 ということで,Ruizu X02 はかなりお勧めできる DAP でした。
 しかし最近の中国新興メーカー製品の品質の向上は凄まじいです。スマートフォンなどを見るとわかりやすいですが,極端にコモディティ化した分野では既に絶対的な品質で比べても負けつつあります。日本は一刻も早く労働集約的な「ものづくり」から脱却しないと大変なことになるはずです 4

19/04/25 なぜか最近この記事へのアクセスが増えているようなので、現在の状況について追記します。1台目は1年ほど使ったところでコンクリートの道路に落としたところバッテリが機能しなくなってしまったため2台目を購入し、すでに1年半ほど使っています。ポケットに入れているため負荷がかかって筐体側面の中ほどが白く変色していますが割れや歪みはありませんし、バッテリ劣化なども見受けられません。おすすめです。

17/08/22 ちょっと修正
19/04/25 現在の状況について追記

Notes:

  1. ただし外から来るノイズには弱いらしく,スマートフォンと重ねて使ったりすると,通信に合わせてノイズが乗ることがあります。
  2. 英語版では「Supported formats」ですが,なぜか日本語版 UI では「サポートされていないファイル形式」と誤訳されています。
  3. 古い Thinkpad とかのアレ。
  4. そこ,もう既に手遅れだとか言わない。

ThinkPad T61 に Debian 8 + xfce をインストールしたメモ

 ジャンクの ThinkPad T61 を買ったので Debian 8 + xfce セットアップのメモ。

1, まず普通にインストール

2, sources.list 編集

# nano /etc/apt/sources.list

cdrom: 行をコメントアウト。
contib/non-free が必要な場合、ついでに追加。

3, 最低限使うソフトをインストール

# aptitude update
# aptitude install sudo vim keepassx arandr xfce4-whiskermenu-plugin icedove icedove-l10n-ja zotero-standalone xul-ext-zotero

4, 自分をグループ sudo に入れる

# gpasswd -a hoge sudo

一度ログアウトするまで反映されない。

5, ユーザに戻って ~/ をデフォルト(英語)に

$ LANG=C xdg-user-dirs-update --force

6, トラックポイントでのスクロールを有効化

$ sudo vi /usr/share/X11/xorg.conf.d/20-thinkpad.conf

以下をコピペ。

 Section "InputClass"
     Identifier "Trackpoint Wheel Emulation"
     MatchProduct       "TPPS/2 IBM TrackPoint|DualPoint Stick|Synaptics Inc. Composite TouchPad / TrackPoint|ThinkPad USB Keyboard with TrackPoint|ThinkPad Compact USB Keyboard with TrackPoint|USB Trackpoint pointing device"
     MatchDevicePath    "/dev/input/event*"
     Option             "EmulateWheel"          "true"
     Option             "EmulateWheelButton"    "2"
     Option             "Emulate3Buttons"       "false"
     Option             "XAxisMapping"          "6 7"
     Option             "YAxisMapping"          "4 5"
 EndSection

もうちょっと詳しい話は Debian 公式 Wiki の当該項目を参照のこと

7, xfce の設定
– 標準からパネル1削除、パネル2を画面下端へ。
– ワークスペースを1つに。
– 標準メニューボタン、ワークスペーススイッチャー、アクションボタンを削除。
– Whisker Menu とシステム負荷モニターを追加。
– 合成処理有効化ほか、環境や気分に合わせ設定。
– 初回ログアウト時には確認画面の「次回ログインのためセッションを保存する」のチェックを外す。

8, Mozc の設定
 なにやら難しくてよくわからない理由により標準では一部の設定項目が変更できません。仕様の違いが原因のため、バグとしては扱われていません。なので何年も前からこの状態ですし、修正する予定もないようです。ワークアラウンドとしては、いったん uim-mozc を削除したうえで mozc-utils-gui を起動し設定を行えば問題なし。

$ sudo aptitude remove uim-mozc

句読点変更、サジェスト自動表示・リアルタイム変換を無効化したうえで

$ sudo aptitude install uim-mozc

9, CapsLock を Ctrl に
「設定>セッションと起動>自動開始アプリケーション」から「setxkbmap -option “ctrl:nocaps”」を追加。
液晶が見にくく感じる場合は、このとき「xgamma -gamma X.X」も追加してガンマ値を下げるなどしておくと良いかもしれません。バックライトが黄ばんでいる古いマシンでは -bgamma を上げるのもおすすめ。

10, 画面ロックを xscreensaver から light-locker に変更
先日の記事参照のこと。

11, 完了
やったぜ。

 この機種 T61 についてですが,1960年代にソビエト連邦が開発した第2世代主力戦車で……じゃなかった,2007年発売の14.1型ラップトップです。数字が同じ X61 と同世代のようです。
 T シリーズは初めてなのですが,なかなかいいですねコレ。X をそのまま引き伸ばした感じで,X 独特の“秘密基地感”のようなもの(伝われ)が出ています。その一方で画面が物理的に広々として見やすく,キーボードも無理がありません。スピーカもステレオで,ついつい用もなく音楽をかけてしまいます。それでいて「小脇に抱える」ことができる程度のフットプリント・軽さ・薄さを保っており,モバイルマシンならではのわくわく感(伝われ)が損なわれていません。Core2 Duo T7100 1.8GHz + GM965 Express のモデルなので性能は大したこと無いはずなのですが,インタフェースにゆとりがあるためか,体感としてはなかなか快適です。リース落ちが一気に出たようでかなり安かった(PC-NET で3千円)ので,買った翌週にも秋葉原に寄って実家用にもう一台確保してしまいました。
 
参照:
製品の概要 – ThinkPad T61, T61p – Lenovo Support (JP)
Hothotレビュー レノボ「ThinkPad T61」レビュー ~Santa Rosaとワイド液晶で強化

Raspberry Pi 3 model B の国内販売が開始

「Raspberry Pi 3 Model B」発表のお知らせ – Raspberry Pi Shop by KSY
Raspberry Pi 3 Model B – Raspberry Pi

 先月末に発表・発売された Raspberry Pi 3 model B の国内販売が始まったようです。3 B は無線 LAN と Bluetooth の内蔵が大きな特徴ですが,「技術基準適合証明等 1」を取得したうえでの発売であるため,日本国内において合法的に使用することができます

 Raspberry Pi Foundation 公式サイトで 2 と比較しての特長として挙げられているのは以下。

  • A 1.2GHz 64-bit quad-core ARMv8 CPU
  • 802.11n Wireless LAN
  • Bluetooth 4.1
  • Bluetooth Low Energy (BLE)


そのほかにも細かな改良や仕様変更があります。詳細は冒頭にリンクを貼った KSY のプレスリリースを参照のこと。注意すべき点として,推奨される電源電流が 2.5A に引き上げられています。もっとも,2 でも無線ドングル込みで安定動作させるにはそれくらい用意するのが普通でしたので,そういう意味ではこれまで通りと言えましょう。

 気になる点として,価格が税抜5250円(税込5670円)と,米国の35ドル 2 や英国の25ポンド 3を考えると,かなり割高な印象を受けます。よく不満の声を聞く EU でも 35,65 ユーロ 4となっています(以上全て税抜価格)。実に1ドル150円・1ポンド210円・1ユーロ147円という世界です。為替が不安定とはいえ,ここ30年くらいを振り返ってみても,そこまで行くことはなかったはずです。
 もちろん技適証明にもけっこうなコストがかかりますし,そもそも原価ギリギリと思われるので,輸送や在庫のコストも直接反映されてしまうのでしょう。しかし,いくらなんでも高すぎるような気がしないでもありません。国内で販売してくれるというだけでもありがたいところではありますが,多くの人の善意のうえに成り立っている競争のないジャンル・製品ですので,一応言及させていただきました。

 そんなわけで,ますますパワフルかつ便利になった Raspberry Pi,手に入れたら何に使いましょうか?

Notes:

  1. として言及されているが,たぶん工事設計認証
  2. 16年3月26日現在1ドル=約113円なので約3957円
  3. 同上約159.8円,約3995円
  4. 同上約126.2円,約4500円

キングジム,折りたたみキーボードのモバイル PC「PORTABOOK XMC10」発表

フルサイズをコンパクトに、たためるパソコン「ポータブック」 | キングジム
【Hothotレビュー】キングジム 「ポータブック XMC10」 ~開閉型キーボード搭載のコンパクトWindows 10ノート – PC Watch
動画:キーボード変形Win10 PC『ポータブック XMC10』開発者ロングインタビュー – Engadget Japanese

 どこもかしこも判で押したような退屈でくだらないモバイル機器ばかりを出しているモバイル不毛の時代ではありますが,まだこの世の中も捨てたものではありませんね。なにしろこの「XMC10」が世に出ることができたのだから。
 XMC10 はスペックこそ近頃はやりの「PC の形をしたタブレット」ですが,そんじょそこらのガラクタとは一線を画しています。見てください,このキーボードを。名機 Thinkpad 701 を彷彿とさせる,ユニークな変形キーボードを搭載しているのです! 個人的にはこの手のギミックの有用性については懐疑的だったりするのですが,ともかくこれを実現させて世に送り出した心意気は素晴らしい。ポインティングデバイスもタッチパッドなんておもちゃじゃありません。Thinkpad Tablet で採用例のある人差し指で操作するタイプの光学式ポインティングデバイスです。でも,せっかくなら Thinkpad のような物理的なトラックポイントにして欲しかったですね。コストや厚さの兼ね合いから妥協もやむを得なかったのでしょうけども。閑話休題,液晶もあの忌々しいグレア液晶ではなく,屋外や日光の差し込む環境でも快適に使える安心のアンチグレア液晶です。このマシンはモバイルマシンであることに加えディスプレイが8インチとかなり小さめですので,ディスプレイが見やすいアンチグレアであることは重要なポイントです。プロジェクタの接続を念頭に置いてでしょう,変換コネクタ不要の VGA 端子も搭載しています。 
 一方で難点や荒削りな部分も目立ちます。まずは何より価格でしょう。Atom,RAM 2GB,eMMC 32GB というスペックで予価「9万円前後」というのは相当厳しいと言わざるを得ないでしょう。もっとも,独特で手の込んだ造り,ニッチ製品で数が出ることは期待できないことを考えると,仕方のないことだとは思います。バッテリ駆動時間が公称5時間というの厳しいです。バッテリ駆動時間は徐々に縮んでいくものであることを考えると,せめて8時間は超えて欲しいところです。また,バッテリが取り外せないのもマイナスです。そして,これはかなりクリティカルな問題ですが,重量が公称で820gと実はあんまり軽くありません。10.1〜13.3インチの普通のモバイルマシンと同じくらいあります。たとえば,予算をあと3万円ほど足せば,性能が遥かに上でバッテリも倍持って重量が85g軽い Let’snote RZ4 が買えてしまいます……
 とはいえ,これはキングジムの初のモバイル PC です。代を重ねるごとにユーザの声を取り入れて進化していった Pomera のように,これからユーザの声に応えて洗練されてゆくことでしょう。正直なところこの機種はそれほど売れないとは思いますが,それにこりず,第二弾・第三弾とユニークなモバイルマシンを投入していって欲しいものです。これからもキングジムのモバイル PC に注目していきたいと思います。

16/11/25追記:発売から一年近く経ったいま,値段は22000円前後まで落ちているようです。一般的なタブレット構成のラップトップより安いですから,これは間違いなく破格です。尤も特殊な仕様ですから「他のを買うならこれを」という勧め方はできません。ともかく,うっかり買ってしまわないよう気をつけたいと思います(?)