Linux でサスペンドからのレジューム後にタッチパッドが使えない時は

 ラップトップ PC によっては,サスペンドからのレジューム後にタッチパッドが使えなくなる場合があります 1。BIOS/UEFI の設定で改善したという話もあり,どうも BIOS/UEFI の挙動に原因があるように見受けられますが,幸いにもドライバモジュールの再読込だけでも正しく認識されるようになります。具体的には,サスペンド時に modprobe -r psmouse,レジューム時に modprobe psmouse を実行してやれば良いわけです。
 なお,最近の機種の場合,異なるバスのデバイスが使われている場合もあり,その場合には i2c_hid や rmi_smbus を試す必要があるようです。なお,これらのモジュールはタッチパッド以外にも使われている場合があり,アンロードは psmouse の場合ほど安全ではないため,事前に調査するべきでしょう。

 さて,早速片付けてしまいましょう。
 まずはサスペンド時に modprobe -r するサービスを書きます。

# vi /etc/systemd/system/tptweak-suspend.service


[Unit]
Description=Unload psmouse
Before=suspend.target

[Service]
Type=simple
ExecStart=/sbin/modprobe -r psmouse

[Install]
WantedBy=suspend.target

 同様に,レジューム時に modprobe するサービスを書きます。

# vi /etc/systemd/system/tptweak-resume.service


[Unit]
Description=Load psmouse
After=suspend.target

[Service]
Type=simple
ExecStart=/sbin/modprobe psmouse

[Install]
WantedBy=suspend.target

 あとは,登録するだけです。簡単ですね。

# systemctl daemon-reload
# systemctl enable tptweak-suspend.service
# systemctl enable tptweak-resume.service

 非常にシンプルなサービスのため,たまには失敗するかもしれませんが,今のところうまく機能しています。

参照:
Synaptics タッチパッド – ArchWiki
電源管理 – ArchWiki
サスペンドの前後でコマンドを実行する。 – ガジェット好きの日記

Notes:

  1. いままでに何台かの富士通製で遭遇。

Debian Testing で最新の Firefox を使う

 Firefox のバージョンも60を数えた2018年。Shiretoko (バージョン3.5)がもう遠い昔のことであるように思われます。アドオン類もメインストリームは Quantum 対応に移りつつあり,Quantum アップデートによる改革は成功したと言えるでしょう。
 ところで,Debian GNU/Linux が採用している Firefox ESR は Quantum アップデート以前のバージョン52で,これをメインで使ってきた私は半年間に渡って世界の流れ(?)から取り残されてきたことになります。
 もちろん Mozilla が配布しているパッケージを導入することもできるのですが,/opt 以下にインストールすることは想像もしたくない,かといって ~/ 以下にインストールするのもユーザ権限で改変できるわけで気持ち悪い……というわけでなんとなく ESR を使い続けてきました。しかし,unstable (Sid) にある firefox が Mozilla による正式リリース版ほぼそのものだということを(今更)知ったので,unstable のレポジトリから持ってきてみました。偉大なる APT は我らを導く!
 基本的にはDebian Mozilla team APT archive のページにある通りなのですが,ひとつ重大な問題があって,この通りにするとシステム全体が unstable にアップグレードされてしまいます。こわい。なので,これに加えて Default-Releasae も指定してやる必要があります。具体的には以下のような手順になります。

1. unstable のレポジトリを追加

# vi /etc/apt/sources.list.d/10-unstable.list
deb http://http.debian.net/debian unstable main

 
2. Default-Release を設定

# vi /etc/apt/apt.conf.d/10default-release
APT::Default-Release "testing";

 
3. firefox と firefox-l10n-ja をインストール

# apt update
# apt install -t unstable firefox firefox-l10n-ja

 
 以上で最新の Firefox がインストールされました。
 今の最新版は 60.0.1,検証期間が完了して Debian レポジトリの Firefox ESR が 60.2 に置き換わるまでにはしばらく時間がかかりますが,これでもう安心です。もっと早く気づくべきだった
 なお,Debian Mozilla team APT archive ページを見るに,このやり方を stable で実行することは推奨されないようです。実際に試してみると,なぜか libc6 等にまで依存関係があり巻き込んでアップデートしてしまうようで,たしかにこれはあまりよくないです。stable ではおとなしく firefox-esr を使うか ~/ にバイナリを置くかするようにした方がよいかと思われます。
 
 
 
以下は自分用メモ(読まずにコピペしないこと!)

echo "deb http://http.debian.net/debian unstable main" > /etc/apt/sources.list.d/10-unstable.list; echo "APT::Default-Release "testing";" > /etc/apt/apt.conf.d/10default-release; apt update; apt install -t unstable firefox firefox-l10n-ja

Firefox で国際化ドメイン名を punycode で表示する ―― IDN 悪用フィッシングにとりあえず対策

 最近になって暗号通貨取引所に成りすましたフィッシングサイトが多く現れているようで,国際化ドメイン名(IDN)悪用の問題が話題になっているようです。
 この問題は国際化ドメイン名の登場当初から指摘されており,たとえば「apple.com」ではなく「аpple.com」(キリル文字で「アー・エル・エル・パーロチカ・イェー」)で登録するなどして,正規ウェブサイトのドメイン名と視覚上見分けがつかないドメイン名を取得し,フィッシングに悪用するという手法です。

窓の杜 – 【NEWS】Mozilla/Firefox/Operaなどに国際化ドメイン名の盲点をついたURL偽装の問題(2005/02/08)
肉眼では偽物と見抜けない国際化ドメイン悪用のURL偽装、Google Chromeなどで対策進む – 窓の杜(2017/04/21)

 国際化ドメイン名のコンセプト自体に起因している問題であるため抜本的な対策は困難で,十年以上にわたり対策が試みられ続けてきてなお完全な解決を見ていない問題ですが(なにしろ Unicode には十万以上の文字が収録されていますし,各レジストラのポリシも様々です) 1,国際化された表示を無効化し,国際化ドメイン名表示のための符合である punycode で表示するように設定することでさしあたりユーザ側で簡単にフィシング対策ができます。

about:config を開き,
network.IDN_show_punycode」の値を true にしてください。

これで,国際化ドメイン名が punycode で表示されるようになります。先述の「аpple.com」なら「xn--80ak6aa92e.com」と表示され,正規のサイトではないことが一目瞭然になります。
デメリットは国際化ドメイン名がわかりにくくなることですが,それで困る人がいるのかは不明。

Notes:

  1. レジストラが紛らわしいドメイン名の登録を拒否する,Firefox などクリックせずに EV-SSL の組織情報が表示されるブラウザで EV-SSL を利用する等が考えられますが,現実的には難しいでしょうね。

常時 TLS に対応しました

 このサイトで利用しているホスティングサービス Minibird (StarServer) が Let’s Encrypt に対応していたので,遅ればせながら導入してみました。そういえば随分前に対応予定のアナウンスが出ていたのですが,すっかり忘れてしまっていました。
 ネットオウルのアカウント情報画面から「サーバー管理ツール」にログインし,「SSL設定」を開き対象とするドメイン名を選択して「無料独自SSL」>「独自SSL設定を追加する(確定)」をクリックするだけでした。
 こうやって,ごく普通の廉価なホスティングサービスにも Let’s Encrypt の統合による常時 TLS 化機能が浸透しているのはよいことですね。数年前からしたら夢のような話です。

Piwik,Matomo になる

Piwik is now Matomo – Announcement – Analytics Platform – Matomo

 このサイトでも利用している自由ソフトウェアのアクセス解析ソフトウェア「Piwik」が,「Matomo」という名称へと変更されました。「Matomo」とは,そう,「まとも」に由来しています。
 Matomo という名称は「あらゆる言語で発音しやすい。(簡単に)覚えられる短さ。簡潔。そしてなにより… Matomo は日本語で honesty を意味し,これは私たちの重要な価値基準のひとつである透明性に通じるものです」 1とのことで,Piwik という名前が一部の言語では発音が困難であることを受けた選定であるようです。
 ただ,最大の理由は別にあるようです。「なぜ名前を Piwik のままにしないのですか?」という質問に答える形で,以下のような記述があります。「いくつか理由があり,そのうちの一つは,Piwik とは違って Matomo ではその名前を他の企業とは共有しないことを保証するためです。私たちはまた,Matomo ブランドを保護し,オープンソースコミュニティの名前としてずっと保ちたいと考えます」 2
 ここで言及されているのは「Piwik PRO」のことかと思われます。「Piwik PRO」についてはプロジェクト公式サイトの FAQ で説明されています 3。これはポーランドのある企業であり,Piwik を開発しているチーム及び InnoCraft 社とは資本的にも人的にも一切関係がないばかりか,プロジェクトへのコントリビューションも無いとのことですが,プロジェクト創設者から許諾された「Piwik PRO」という商標を所有しており,これを自らのビジネスで使用しているとのことです 4。この Piwik PRO がプロジェクト公式のものであると誤認されることを防ぐためにリブランディングの必要があったものと思われます。おそらくですが,許諾された当時は Piwik も「Piwik PRO」もずっと小さく,何年かでここまで成長するものとは思っていなかったために,現在の状況では不合理が生じていたのでしょう。
 ともかく Piwik 改め Matomo は本当におすすめのアクセス解析ソフトウェアです。日本語化もほぼ完全であり,簡単に使うことができます。この機会に是非試してみてください。

Get Matomo – Analytics Platform – Matomo

DuckDuckGo を検索バーに追加するときの URL パラメータ

 プライバシを尊重する検索エンジン・DuckDuckGo には,非常に柔軟な URL パラメータが用意されており,Cookie が無効化されていたり頻繁に削除されたりする環境でも快適に利用できるようになっています。どれくらい柔軟かというと,広告を無効化するパラメータなるものが存在しているほどです 1
 この記事ではおすすめの設定を紹介します 2

https://start.duckduckgo.com/?&kl=jp-jp&ks=m

・サブドメインの start. は,初回訪問者向けの DuckDuckGo の紹介などが表示されない“常連向け”の表示にするものです。
・kl=jp-jp は検索結果を日本語に最適化したものにする設定です。DuckDuckGo はフィルタバブルを避けていることを大きな売りの一つとしていることもあり,デフォルトでは言語ごとの最適化はされません。Cookie を保存しない環境では都度言語ごとの最適化をオンにする必要があり煩雑になってしまいますが,このパラメータを付すことで解決します。
・ks=m はフォントサイズを多少小さくする設定です。s を指定すると更に小さくできます。
 ブラウザによっては,以下のような形で登録することになるでしょう。

https://start.duckduckgo.com/?&kl=jp-jp&ks=m&q=


https://start.duckduckgo.com/?&kl=jp-jp&ks=m&q=%s

 パラメータは他にも多く用意されています。!bang 機能ほど知られてはいませんが,DuckDuckGo を便利に使うためには見逃せない機能なので,是非確認してみてください。

DuckDuckGoのURLパラメータ

 もっとも,これらの URL パラメータの利用は原理的には匿名性を害しうるものであるということは忘れてはいけません。必要最低限の――同じ組み合わせのパラメータを使っている人が多いと考えられる――パラメータのみを利用するのが無難だろうと思います。

Notes:

  1. もっとも,DuckDuckGo で表示される広告は古典的なキーワードベースで表示もテキストリンクのみであり一般的な広告とは比べ物にならないほど害が小さいですし,収益から毎年かなりの金額がネットの自由を守る団体や自由ソフトウェアプロジェクトに寄附されているので,無効化やブロックは全くお勧めできませんけどね。
  2. 実は,新しいデバイスを買った際などに空で打とうとして間違えることが少なからずあるので備忘録をネットに公開しておこうというのが本当の目的だったり。

Source Han フォント(源ノ角ゴシック・源ノ明朝)のすゝめ

なぜ Source Han フォントを使うべきか

利用に制限のない自由なライセンスのフォントなので,クロスプラットフォームで統一された表示を実現できる 1
・ Adobe と Google が自分たちのビジネスで使うために開発したフォントであり,トップクラスの商用フォントベンダである Adobe とイワタによって制作されているため高品質
・ CJK+欧文に対応しているので国際化にも最適

Source Han Sans/Source Han Serif と源ノ角ゴシック/源ノ明朝の違い

 同一のフォントの英名と和名です 2 3 4。Source Han Sans の日本語名が「源ノ角ゴシック」,Source Han Serif の日本語名が「源ノ明朝」です。なお,Source Han は Google が公開する Noto フォントにも取り入れられており,Noto フォントの CJK 部分も同じものになっています 5

Source Han フォントを導入するには

Step 1. ダウンロード

Source Han Sans
Source Han Serif

 さまざまな形式が用意されていますが,「Language-specific OTFs」の日本語向けのものを選ぶとよいでしょう。
 なお,日本語に関する部分だけを切り抜いてサブセットにした「Region-specific Subset OTFs」というものも用意されており,公式の説明ではどれを選べばよいかわからない場合の推奨とされていますが(古いシステムでも使える,ファイルサイズが小さいなどの理由による 6),アプリケーションからは元々の Source Han フォントとは別物として認識されてしまい,自由なライセンスによる環境や言語を超えたフォントの統一というアドバンテージは減じてしまいますので,「Language-specific OTFs」をおすすめします。
 Sans(ゴシック体)では SourceHanSansJ.zip を,Serif(明朝体)では SourceHanSerifJ_EL-M.zip および SourceHanSerifJ_SB-H.zip の両方をダウンロードします。これらを解凍すると,Sans と Serif それぞれで基本となる7ウェイト(太さ)のフォントファイルが準備できます。

Step 2. インストール
各 OS のフォントインストール機能を利用してください。
Windows の場合,コントロールパネルから「デスクトップの設定>フォント」を選択し,表示されたパネルにフォントファイルをドラッグ&ドロップします
macOS の場合,「Font Book」アプリケーションを利用します
Linux の場合,~/.fonts/(ユーザのみ)または/usr/share/fonts/opentype/(システム全体)にフォントファイルをコピーします。最後に,fc-cache -v を実行してフォントキャッシュを更新してください。フォントビューアー gnome-font-viewer などのフォント管理アプリケーションを利用してインストールこともできます。ユーザのみに導入する場合,このスクリプトを使うことで一括ダウンロード&インストールすることもできます。

どのウェイトを使うべきか

 Source Han フォントは Adobe によって開発されているだけあり,タイポグラフィでの利用を念頭に7種類ものウェイトが用意されています。しかし,オフィススイートなどで“普通の”フォントとして使うにはどのウェイトを使えばよいのでしょうか。Medium, Normal, Regular と似たようなものが多く迷いますが,Regular が標準的なウェイトで,既存のフォントと並べても違和感のない表示になります(欧文フォントでは regular の語が正体という意味で使われます)。もっとも近年は細身のフォントが文書作成の用途でも使われるようになってきていますので,お好みで Light を使うのもよいかと思います。

Source Han フォント以外のお勧めフォント

VL ゴシック
 固定幅の「VL ゴシック」と可変幅の「VL Pゴシック」からなります。M+ フォントに欠けている文字をさざなみフォントで補ったうえで調整を加えたもので,Linux 界では長らく IPA ゴシックと並んで標準ゴシック体の地位を占めているフォントです。クリーンで読みやすいフォントであり,個人的には Source Han Sans より好みです。ぜひ Linux 以外の環境でも使ってみてほしいフォントです。

IPA Mona フォント
 IPA フォントを元にしてフォント幅を「MS ゴシック」「MS Pゴシック」「MS UIゴシック」「MS 明朝」「MS P明朝」に近づける調整が加えられた「IPA Mona ゴシック」「IPA Mona Pゴシック」「IPA Mona UIゴシック」「IPA Mona 明朝」「IPA Mona P明朝」からなります。Windows 以外の環境で Windows 環境に極力近い表示結果を得たい場合に役に立つフォントです。

Debian + Xfce の外観を改善する設定ファイル

 デスクトップ環境として Xfce を選択して Debian をインストールしたときの外観の初期設定は本当にうんざりするほど古くさく,しかも使いにくいです。
 いやいや,Xfce の実力はこんなもんじゃあないんですってば。安定第一なんでしょうけど,この初期設定で Xfce に初めて接した人が抱く第一印象が悪くなってしまうとしたら本当にもったいないことです。
 ということで,以下の2点を特徴とする,手っ取り早く導入できて見た目をそれなりに改善できる設定ファイルを公開してみます。

  • Debian Strech インストール直後の状態にて標準で入っているパッケージだけを使用し,パッケージ追加なしで導入できる
  • GUI から再変更できる部分だけの変更で,バイナリのアートワーク等も含まない

 Debian 9.1 “Stretch”(Xfce バージョン 4.12)のインストール直後の状態で導入できるようになっています。なお当然ながら,もし既にご自身で設定を変更されている場合は,必ず事前にバックアップを取ってください。
 ディレクトリ ~/.config/xfce4 (/home/ユーザ名/.config/xfce4) を削除し,この tar ball に含まれる「xfce4」以下を代わりにコピーした上で再起動してください。
Xfce 4.12(Debian 9.1)用設定ファイル
 

 初期状態。このデッドスペースは一体……


 上記設定ファイル導入後。パネルは透過させています。数十キロバイトの割にけっこう改善されていません? メニューもより多機能で洗練された Whisker Menu に変更してあります。
 テーマは「xfce4-flat」ですが「アドワイチャ(adwaita)」もお勧めです(特に LibreOffice のようにツールバーを複数持つアプリケーションの見た目がすっきりします)。
 外観以外にも一般的に有用と思われる設定変更をいくつかしてありますが,ひょっとしたら問題の原因となるかもしれません。特に,サスペンドの動作に問題がある場合は xfce4/xfconf/xfce-perchannel-xml/xfce4-power-manager.xml を削除してご利用ください。

Debian でも LibreOffice のアイコンセットをかっこよくする――Sifr アイコンセットの導入

 Debian で LibreOffice を使うとき,「新規作成」や「開く」といったボタンを表示するのに,標準では「Tango」アイコンセットが使われます。
 Tango も良いものなのですが,ボタンがたくさん並ぶオフィススイートではどうしても取っ散らかって古くさい印象になってしまいます。
 ところで,LibreOffice 4.2 から「Sifr」という単色のアイコンセットが導入されています。Debian では Jessie でも Stretch でもレポジトリに登録されており非常に簡単に利用できるので,今回はこのアイコンセットを導入します。

# apt-get update
# apt-get install libreoffice-style-sifr

1) LibreOffice を開いて「ツール>オプション」を選択。
2) 「LibreOffice>表示」を開く。
3)「アイコンのサイズとスタイル」で「自動(Tango)」となっているのを「Sifr」に変更。

 まだ全てのアイコンが揃っていないようでメニュー内などで一部 Tango も混じりますが,これだけでも雰囲気はかなりモダンな感じになります。
Sifr 導入後のスクリーンショット

 LibreOffice で真のオープン標準規格 ODF を使おう!

Debian with Raspberry Pi Desktop を試してみる(日本語化等の手順紹介)

 青い空,白い雲。絶好の Liunx 日和ですね。
 そこで今日は“ Debian with Raspberry Pi Desktop ”(以下 Debian with RPD)を試してみました。

Raspberry Pi Desktop – Raspberry Pi

 Debian with RPD は昨年末に「PIXEL」として公開された Debian GNU/Linux ベースのディストリビューションで,その後「Debian with Raspberry Pi Desktop」という名前に変更されたようです。このディストリビューションはRaspberry Pi の標準 OS である Raspbian 同様 Raspberry Pi Foundation の主導で開発されているものであり,Raspbian に近い見た目とバンドルアプリを備えていることが特徴です。公開時,このブログでも簡単に紹介しました。

Raspberry Pi Foundation,PC 向け GNU/Linux ディストリビューションを公開 – 怠惰の形而上学

 以前紹介した際は Live DVD としてしか利用できませんでしたが,現在では通常のデスクトップディストリビューションとして利用できるようになっています。今のところ RPD は LXDE のテーマに近い状態ですので,機能や安定性は既に実用的な水準に達しています。


 GRUB2 は Debian テーマのままながら,起動時に Raspberry Pi Desktop オリジナルのスプラッシュスクリーンが表示されます。デスクトップが開いてしまえば見た目は完全に Raspbian ですね。なお,標準ではキーボードレイアウト選択以外のローカライズは何もありません。スクリーンショットはローカライズ後のものです(あくまでも Debian なので翻訳も揃っており,簡単にローカライズできます)。


 ソフトウェアも Raspbian と同じものがプリインストールされて,設定も素の Debian ではなく Raspbian と同様になっています。


 この特徴的なアイコン等,テーマとしては「PiX」という名前が付けられているようでした。

 以下,ローカライズ(日本語化等)の方法等について解説します。シェルスクリプトになっており,そのまま実行して動くはずですが,例外処理などはしていないので適宜修正してお使いください。

Raspi.sh(root として実行)

#/bin/sh

apt-get update
apt-get upgrade

# 1. 最低限あったほうがいいパッケージの導入
apt-get install compton tlp tlp-rdw
# apt-get install aptitude vim xscreensaver
echo @compton >> /etc/xdg/lxsession/LXDE-pi/autostart
systemctl enable tlp.service
systemctl enable tlp-sleep.service
systemctl disable systemd-rfkill.service
# compton はコンパクトなコンポジットマネージャで,グラフィックが極端に古くなければ(GMA 900 とか以降なら),これを起動時に開始することで CPU 負荷を軽減し体感スペックを上げることができます。
# 万が一トラブルが発生した場合は Ctrl+Alt+F1 でシェルからログインして自動起動を削除するか(/etc/xdg/lxsession/LXDE-pi/autostart を開いて"@compton"の記述を削除), compton をアンインストール(apt-get remove compton)してください。

# 2. IM 導入
# 軽快さ重視なら Anthy がオススメ。
#   apt-get install uim uim-anthy kasumi
apt-get install uim uim-mozc mozc-utils-gui

# 3. ロケール・タイムゾーン変更
# 手動で raspi-config でもできます。というかそっちが正攻法?
sed -i -e 's/# ja_JP.UTF-8 UTF-8/ja_JP.UTF-8 UTF-8/g' /etc/locale.gen
update-locale LANG=ja_JP.UTF-8
locale
timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
timedatectl

# あとはユーザに戻って sourcehan-raspi.sh を実行すればローカライズは完成。

# 以下はお好みでどうぞ
# フォント導入
# apt-get install fonts-vlgothic fonts-ipafont-gothic fonts-ipafont-mincho
# 他のディストリビューションに通常標準搭載されている日本語フォントを入れておきたい場合は導入しておきましょう。なお,Droid と Unifont が標準で入っているため,特に入れなくても(表示品質はともかく)日本語表示に問題はありません。

# 標準アプリケーションの削除(Raspberry Pi 関係なく純然たる軽量 OS として利用する場合)
#   apt-get purge bluej geany greenfoot idle idle3 scratch scratch2 sense-emu-tools sonic-pi python3-thonny  claws-mail chromium
#   apt-get autoremove
#   mv /usr/share/raspi-ui-overrides/applications/raspi_resources.desktop /usr/share/raspi-ui-overrides/applications/raspi_resources.desktop.bck
#   mv /usr/share/raspi-ui-overrides/applications/magpi.desktop /usr/share/raspi-ui-overrides/applications/magpi.desktop.bck
#   mv /usr/share/raspi-ui-overrides/applications/python-games.desktop /usr/share/raspi-ui-overrides/applications/python-games.desktop.bck
# "Raspberry Pi Resources" と "The MagPi" はブラウザを起動するショートカット,"Python Games" は ./python_games/launcher.sh を起動するショートカットです。
# geany や chromium は残しておいてもいいかも。Claws Mail は軽量 MUA です。

# 自分がよく使うアプリケーションを入れていく
#   apt-get install firefox-esr firefox-esr-l10n-ja keepassx

# 用途によっていろいろ追加
#   apt-get install thunderbird thunderbird-l10n-ja simple-scan gimp filezilla vlc radiotray brasero easytag gparted ltris freeciv-client-gtk freeciv-server

# ある程度のグラフィック性能(目安:GMA X3100 以降)があるマシンならちょっとした 3D ゲームなんかも
#   apt-get install minetest megaglest extremetuxracer

# あとは普段使っている設定ファイルを ./ にコピーするといい感じに。
# お疲れさまでした。

sourcehan-raspi.sh(一般ユーザとして実行)

#/bin/sh

# Source Han フォントファミリを導入します。
# このスクリプトに実行権限を付与するか,"sh ./sourcehan-raspi.sh" して実行してください。
# フォントはこのスクリプトを実行したユーザのみに導入されます。

cd
if [ ! -d .fonts ]; then
    mkdir ./.fonts
fi
wget -t 3 -T 60 https://github.com/adobe-fonts/source-han-serif/raw/release/OTF/SourceHanSerifJ_EL-M.zip
unzip ./SourceHanSerifJ_EL-M.zip
mv SourceHanSerifJ_EL-M/SourceHanSerif-*.otf .fonts/
wget -t 3 -T 60 https://github.com/adobe-fonts/source-han-serif/raw/release/OTF/SourceHanSerifJ_SB-H.zip
unzip ./SourceHanSerifJ_SB-H.zip
mv SourceHanSerifJ_SB-H/SourceHanSerif-*.otf .fonts/
wget -t 3 -T 60 https://github.com/adobe-fonts/source-han-sans/raw/release/OTF/SourceHanSansJ.zip
unzip ./SourceHanSansJ.zip
mv SourceHanSansJ/SourceHanSans-*.otf .fonts/
ls ./.fonts
fc-cache -v -f .fonts
rm -rf SourceHan* __MACOSX

# Debian with RPD 用
sed -i -e 's/Roboto Light/源ノ角ゴシック Light/g' ~/.config/openbox/lxde-pi-rc.xml
sed -i -e 's/Roboto Light 12/源ノ角ゴシック Light 12' ~/.config/lxsession/LXDE-pi/desktop.conf
sed -i -e 's/Roboto Light 12/源ノ角ゴシック Light 12' ~/.config/gtk-3.0/gtk.css

参考:
Linux におけるラップトップマシン向け電力管理スイートの紹介(Pm-utils, Laptop-mode-tools, Powertop, TLP) – 怠惰の形而上学
Debian Jessie + Xfce で UIM ツールバーのアイコンの背景色がおかしいのを直すには – 怠惰の形而上学
Debian 上の GTK デスクトップ(Xfce, Gnome 等)で Qt アプリの外観を統合したい – 怠惰の形而上学

Debian with RPD,とても気に入りました。これからも使っていきたいです。