Raspberry Pi + L-02C でバッチリ安定する多機能 LTE ルータをつくったメモ

 3大キャリアが横並びの料金・制度を維持している一方で,ドコモの回線網を利用する MVNO 業界はますます盛り上がりを見せています。各社とも特色あるプランを用意し,様々なニーズに応えられる便利かつわかりやすいシステムを発達させています。そしてそのどれもが3大キャリアの同等プランの数分の一の料金なのです。
 この春の契約見直しで,私は IIJmio のファミリーシェアプランを契約しました。音声通話オプションを付けて月額3520円,1ヶ月に10GBが利用でき,同一回線で SIM カードが3枚まで追加料金無しで利用できるというものです。10GBの高速通信容量の利用は回線ごとではなく SIM ごとに手軽にオン・オフすることができ,オフにすると最大200kbpsでの通信となります。スマートフォンならこんなものでも困りませんから,常時オフで使えば,スマートフォンでのデータ通信では容量が減らないことになります 1。これで,光回線と DTI の490円 SIM を置き換えることを狙いました。
 今回は,その IIJmio 回線で使う LTE ルータを Raspberry Pi + L-02C で仕立てたメモです。

全体像

  • Raspberry Pi をルータにする。回線は ドコモ LTE ネットワーク(MVNO : IIJmio)とし,L-02C で接続する。
  • RPi ルータには無線アクセスポイント機能を持たせず,市販のブロードバンドルータ(光回線で使っていたもの)を AP モードで運用,有線 LAN で RPi ルータに接続する。
  • apt-cacher-ng を導入する。
  • その他,BGM 再生機能,時報チャイム機能などを搭載する。

使ったもの

  • Raspberry Pi B 3500円 2
  • LG L-02C 2000円
  • システムトークス USB ハブ SUGOI HUB 4X AC アダプタ付き 2600円 バッファロー BSH4AE12 1600円(重要)
  • Transcend 16GB UHS-1 microSDHC カード 500円
  • テンキー 300円
  • アクティブスピーカ 500円
  • Raspberry Pi 用 USB-AC アダプタ 3 1000円
  • microUSB ケーブル 100円
  • 筐体(100均の箱・蝶番,ネジ) 600円

計:11100円
(価格は100の位までに四捨五入してあります)

 L-02C,USB ハブ,SD カードと筐体以外は実際には流用。後述しますが USB ハブの選択肢は非常に限られます。この機種を強く推奨します。

侮るなかれ熱暴走
 最初,こんな感じで使っていました。
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 蓋を閉めて,すっきりしていいなあと満足していたのですが,なぜか止まってしまうことがあります。止まった状態でしばらく放置しても,SoC に電力は行っているようで,触ってみると熱を持っています。どうも熱暴走っぽい雰囲気です。SoC 温度のログを取ってみると,室温25度で60度近くまで行くようです。大した数字ではないようにも思いますが,初代 B で CPU が古い設計なので熱に弱いのかもしれません。熱で壊れたという話もちらほら聞くので,冷却は重要です。
 ファンをつけるというのが最も確実な対策ですが,ファンレスは男のロマンですので,なるべくファンレスの枠内でのエアフロー改善を目指しました。その結果,こんな感じになりました。
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 はい,また100均です。前はもうちょっと精度の高いメッシュの小物入れも置いてあったのですが,近所3軒回ってなかったのでオシャレグッズコーナーにあったへなへなの小物入れで妥協しました。蝶番も100均で調達,ネジはホームセンターで購入した M3 の 8mm です。絶縁とホコリ除けのため,蓋側となる Raspberry Pi の下にはクリアフォルダから切り出したポリプロピレンのシートを敷いてあります。コンパクトさ重視のためエアフローは合理的とは言えませんが,効果はかなりあり,同条件で概ね43度以下で推移するようになりました。今のところハングアップもありません。夏場はどうなるかわかりませんが,50度を超えることはないでしょう。
 (16/5/4追記)ウワーだめだ。カーテンを開けたまま部屋のサーキュレータを止めて散歩に出かけて帰ってきたら春の陽気に誘われて意識不明の重体になっていました。室温はそれでも28度。残念ながら,部屋の隅に置く通信機器としては,来たるべき夏をファンレスで乗り切るのは難しそうです。とりあえず普段使っているBIGFAN 80Uを筐体の横に置いてみました。ファンコンスイッチを挟んで回転数を抑えてありますが冷える冷える。室温28度ですが32度で安定しています。ロマンの敗北は残念ですが,やむをえまい。次に秋葉原に行った時にでも静かそうで5V以下でも動きそうなファンを買ってきて筐体に組み付けたいと思います。

LTE 回線の仕様
 MVNO の LTE 回線には,プライベート IP アドレスが割り振られるものとグローバル IP アドレスが割り振られるものが存在しています 4。私が今回契約した IIJmio は前者です。プライベート IP アドレスはローカルエリアネットワーク内での居場所を指し示すものに過ぎず,インターネットの向こう側からこちらにアクセスすることはできません。したがって,LTE 回線を利用してサーバを公開したり,P2P ファイル交換を利用することはできません。逆に言えば,セキュリティについてはそれほど心配する必要はないでしょう。この記事はプライベート IP が割り当てられる回線を念頭に置いたものですのでご注意ください。グローバル IP が割り当てられる環境の場合,ファイアウォールやサーバ設定をより慎重に行い,ソフトウェアアップデートを欠かさず行う必要があります。

ハードウェアの仕様・問題
 Raspberry Pi は,誰もが忘れていますがあくまでも教育用のマイコンボードであり,常時稼動でバリバリ使う前提で作られているデバイスではありません。電源アダプタはノーブランド品を避け容量に余裕があるものを選択するだとか,SoC と LAN コントローラにヒートシンクをつけるだとかいった基本は抑えておきましょう。また,第一世代では USB 端子の出力電流が少なく,各ポート 100mA となっています 5。最大で 740mA 消費する 6L-02C はバスパワー駆動では全く足りないので,セルフパワーの USB ハブを用意する必要があります。B+/2B では設定の変更によって, 7,3B では,デフォルトで全ポート合計で最大 1.2A まで供給可能 8なので,一時的な使用であればバスパワーでも問題なさそうですが,後述のように安定して運用するためには USB ポートの電源を制御する機能が必須であり,B/B+/2B/3B の内蔵ハブともにその機能はないようですので,やはり SUGOI HUB を購入する必要が有ります。
 L-02C について,当初は問題が多かったようですが,最新ファームウェア V10e では安定しているようです 9。ただし,いくつか注意すべき点があります。
・初期設定では,始めに CD ドライブとして認識され,それを eject するとモデムとして改めて認識されるというわけのわからない仕様になっています。これは無効化できます(後述)。
・SIM カードの認識がシビアなようで,mini/micro/nano SIM にアダプタを噛ませた状態で挿入すると SIM を認識できません(インジケータが赤く点滅していたら,SIM を認識できていないということ) 10。これは厚みに起因するらしく,アダプタの「背」の部分を切り抜くことで解決します。

Raspberry Pi の準備
 OS として「Raspbian Jessie Lite」を使います。これは Raspbian から X 等を除いた最小版で,今回のように Raspberry Pi をデスクトップ用途でない目的に使用する場合に適しています。
 まず,Raspberry Pi Foundation 公式サイトから,Raspbian Lite のイメージをダウンロードします。
 zip ファイルを解凍のうえ,dd で SD カードに書き込みます。もし SD カードが /dev/sdc として認識されていれば,コマンドは以下のようになります。

$ sudo dd bs=1G if=Downloads/2016-03-18-raspbian-jessie.img of=/dev/sdc

 書き込み終えたら Raspberry Pi に挿入して起動し,ユーザ名 pi,パスワード raspberry でログインします。

raspi-config でもろもろの設定をする

$ sudo raspi-config

 ”Internationalization Options” および “Expand Filesystem”を実行,設定。Boot Options から Console Autologin を選択(後述するテンキーでの操作を可能とするため)。Advanced Options の SSH から SSH サーバ有効化。好みで Hostname や Memory Split 11も設定。
続きは SSH から。

ユーザ名を変更
 まあ好みの問題です。

$ sudo adduser hoge
$ sudo nano /etc/systemd/system/getty.target.wants/getty@tty1.service

 自動ログインするユーザを変更します。

ExecStart=-/sbin/agetty --autologin pi --noclear %I $TERM

となっている行の「pi」を新しく作ったユーザにします。

$ sudo gpasswd -a hoge adm,dialout,cdrom,sudo,audio,video,plugdev,games,users,input,netdev,gpio,i2c,spi

 pi が入っているもろもろのグループに入っておきます。

$ sudo passwd

 su できたほうが便利なこともあるので,root のパスワードを設定して su できるようにします。

音が出るようにする
 Raspbian Lite では標準ではオーディオドライバが読み込まれていないので,これを読み込みます。

$ sudo modprobe snd-bcm2835
$ amixer sset PCM 100%
$ speaker-test

 音が出たら,起動時にカーネルモジュールを自動で読み込ませるようにします。

$ sudo nano /etc/modules

 末尾に以下の一行を追加。

snd-bcm2835

ルータ機能のセットアップ
L-02C のファームウェアアップデート,リセット,CD として認識される機能の無効化
 ファームウェアアップデートと端末リセットは Windows でやります。ドコモの製品ページに書いてあるとおりにやるだけです。
 次に CD として認識される機能を無効化します。AT コマンドを送ることで恒久的に 12無効化することが可能です。
 手順は以下を参照のこと。

L-02Cを最初からUSBモデムで認識させる/手動でAPN登録する – /dev/stkinosh

wvdial の設定,IP フォワーディング・IP マスカレード
 書こうと思ったのですが,こちらも既に素晴らしい記事が多くありますので紹介のみにとどめます。私が見つけた中で最も網羅的でかつわかりやすい記事は以下です 13

L-02CでLTEルータ作成 – /dev/stkinosh

ほぼ上のとおりにやりました。違うことをしたのは以下のみです。

  • usb_modeswitch は導入不要。
  • wvdial.conf で,
    Init3 AT+CGDCONT=1,"IP","iijmio.jp"

    を追加(フラッシュメモリに APN をあらかじめ書き込んでおいて使うのではなく,接続時に ID・パスワードと一緒に渡す)。元々の Init3 は Init4 に。

  • wvdial.conf で,/dev/ttyUSB2 ではなく /dev/serial/by-path/platform-bcm2708_usb-usb-[ここは環境によって違うはず].2-port0 を指定。こちらは(ttyUSB* と違い)物理的に同じ場所に挿される限り不変なので,L-02C を再起動した(抜いて挿し直した)場合にも Raspberry Pi の再起動が不要になる。
  • $ sudo vi /etc/network/interfaces
    iface eth0 inet manual

    となっているのを,

    auto eth0
    iface eth0 inet static
    address 192.168.1.1
    netmask 255.255.255.0

    などとし,固定 IP を指定する。

  • iptables の設定保持用に netfilter-persistent (iptables-perssstent) を導入。仕上がったら
    $ sudo netfilter-persistent save

    するだけで保存して次回起動時にも読み込んでくれる。

  • まあ念の為ということで ssh は 192.168.0.0./24 および 192.168.1.0/24,domain および bootp (dhcp) は 192.168.1.0/24 からのアクセスのみを許可するよう変更。グローバル IP が振ってくる回線の人は必須です。別の回線から当該回線の IP に nmap -Pn してみて出てこなければオーケー。このへんがわかりやすい→iptablesの設定方法|さくらインターネット公式サポートサイト
  • ディレクトリ,ログ,DNS サーバなどを自分の好みに変更。

ほか,以下のページも参考にしました。
格安SIM(MVNO)とRaspberry Pi(ラズベリーパイ)でモバイルルータを作った 〜初期設定から完成まで〜 – $yuzu->log();
Qaplaの覚書・メモ・備忘録・独言 Raspberry Pi をUSBモデムでインターネット接続
Berrbear: Raspberry piでUSBモバイルモデム
SORACOM Air が使える USB 3G/LTE モデム、WiFi ルーターのまとめ – bearmini’s blog
Raspberry PiをL-02C+IIJmioでつないでみた: EeePCの軌跡
Raspberry Pi 2で0SIMをL-02Cで使ってみた。
Raspberry Pi 2 Model BをSORACOM Airに接続してみました。 #soracom |
デジモノステーション2016年2月号付録の0SIMをRaspberry Piで試す | matoken’s meme

ルータ以外の機能のセットアップ
 ルータ以外の機能をセットアップします。apt-cacher-ng を導入する以外は以前書いた「Raspberry Pi ホームオートメーション計画(1)」とほぼ同じです 14。それぞれの機能は USB テンキーで操作できるようにします。

apt-cacher-ng
 Apt-Cacher Next Generation は,APT の deb ファイルをキャッシュしてくれるソフトウェアです。これを導入することによって,アップデートに伴うデータ通信を削減することができます。LAN 内に Debian 系で同じアーキテクチャ(i386 など)の同じディストリビューションが導入されたマシンが複数台ある場合に有用です。サーバにインストールしたうえでクライアントでプロキシの設定をするだけで利用できます。なお,場合によっては大量のデータをローカルに書き込みますので,SD カードの寿命を大きく削ることが予想されます。最初 USB メモリや USB HDD などに書き出すことも考えましたが,一度設定が完成したらオリジナルの(消えたら困る)データは蓄積されませんので 15,SD カード一本で行って壊れたら都度買い直して dd でイメージを書き戻すようにした方が手間を考えると低コストであると考え,とりあえずそれで様子を見ることにしました。

# aptitude install apt-cacher-ng

 次にポートを開けます。ローカルネットワークから,ポート3142への通信を許可します。上で紹介したページでの IP アドレスレンジ,rules の場合の例。

$ sudo iptables -I OPENNEW 4 -p tcp --dport 3142 -s 182.168.1.0/24 -j ACCEPT

 よくある凡ミスでパケットを全部 drop した後ろにルールを追加して反映されないというのがありますので気をつけてください 16。iptables は上から順番に逐次マッチングされて,最初に見つかった合致するルールだけが使われます。
 LAN 内のマシン全てに以下のファイルを作ります。

# vi /etc/apt/apt.conf.d/02proxy

中身はこんな感じで。

Acquire::http::Proxy "http://192.168.1.1:3142/";

 update のうえで何かインストールしてみて,/var/log/apt-cacher-ng/apt-cacher.log にきちんとログが残っていたらうまくいっています。http://192.168.1.1:3142/ にブラウザでアクセスすると,キャッシュのヒット率などを見てニヤニヤすることができます。
第315回 apt-cacher-ngを使ってAPT用キャッシュプロキシの構築:Ubuntu Weekly Recipe|gihyo.jp … 技術評論社

音楽再生
 次に ogg123 を導入します。この手の用途では mplayer がよく使われますが,多機能な一方 X に依存しているなどヘッドレス環境で使うにはあまり便利でないので,単機能でコンパクトなこちらのソフトを選択しました。

$ sudo aptitude install vorbis-tools

 たとえば,~/Music/Classical にある全ての ogg ファイルをシャッフルして無限ループさせる場合は以下のようにします。

$ ogg123 -r -z -q Music/Classical/*.ogg &

 mp3 ファイルを使用する場合は,mpg321 を使用します。ソフト名は mpg321 ですが,コマンドとしては mpg123 でもデフォルトでパスが通っています。逆に ogg321 はダメなので,ごっちゃにならないよう mpg123 として使うことをおすすめします。

$ sudo aptitude install mpg321
$ mpg123 -r -z -q Music/Classical/*.mp3 &

 これを後で alias に設定します。

チャイムを鳴らす
 部屋にいることが多い学生身分なので,だらだら過ごしてしまわないよう時報を鳴らすようにしています。私の設定は以下で,朝8時〜夜10時まで1時間ごとにチャイムが鳴ります。

$ crontab -e
0 8-22 * * * ogg123 -q [パス]/chime.ogg

なお,「crontab -e」しようとして「crontab -r」しちゃうというのは定番ネタですので,.bashrc に alias ‘crontab’=’crontab -i’ を加えておくのがおすすめです。
cron の設定ガイド

データ通信量を出す
 本当は「みおぽん API」を使おうと思ったのですが,この辺になるとそろそろめんどくさい短い人生の限りある時間を大切に使おうという気持ちが強まってきたので,/proc/net/dev を使って簡易的に済ませます。

$ grep eth0: /proc/net/dev | while read x1 x2 x3 x4 x5 x6 x7 x8 x9 x10 x11; do echo $(((x2+x10) / 1024 / 1024)); done

 これで eth0 を通った上り・下りのデータ量の合算を表示できます。単位は MB です。後述のように LTE の接続が切れて ppp0 が消えてしまうことがあり,その時に累積が消えてしまうので,入口の ppp0 ではなく LAN への出口の eth0 を見ています。Raspberry Pi の自体の通信(ソフトウェアアップデートなど)は反映されませんが,このさい細かいことは気にしない。
 /proc/net/dev は再起動するとリセットされるので,電源を切るときはどこかに書きだしておく必要があります。/var/log/packetcount.log に書き出すとして,以下のようにすると合算して表示できます。

$ grep eth0: /proc/net/dev | while read x1 x2 x3 x4 x5 x6 x7 x8 x9 x10 x11; do echo $((((x2+x10) / 1024 / 1024)+$(cat /var/log/packetcount.log))); done

 このまま実行するとファイルが存在せず何も挿入されず文法エラーになるので,/var/log/packetcount.log を作って 0 とだけ書いて保存しておいてください(雑

 これを毎月リセットするために,crontab を設定します。Raspberry Pi には RTC がなく,たとえば1日0時5分などとすると5分以内に NTP サーバとの通信がうまくいかなかった場合に実行されてしまいますので,余裕を持った時間指定にしておきます。

$ sudo crontab -e
1 10 1 * * echo '0' > /var/log/packetcount.log

ネットワークの転送量を調べる方法 – ぴょぴょぴょ? – Linuxとかプログラミングの覚え書き –

OpenJTalk で喋らせる

$ sudo apt-get install open-jtalk open-jtalk-mecab-naist-jdic htsengine libhtsengine-dev hts-voice-nitech-jp-atr503-m001

 オプションを引数で指定するのが必須だったり,wav ファイルとして出力されるのでそれを別途再生する必要があったりといろいろ煩雑なので,引数として文字列を渡せばそのまま喋ってくれるスクリプトを用意しておきます。なお,Raspbian のベースが Wheezy から Jessie に変わった関係で,OpenJTalk の使い方もやや変わっているのでお気をつけ下さい。

$ nano /usr/local/bin/ojsay
#!/bin/bash
TEMP=$HOME/ojsay.wav
echo $1 | open_jtalk -x /var/lib/mecab/dic/open-jtalk/naist-jdic -m /usr/share/hts-voice/nitech-jp-atr503-m001/nitech_jp_atr503_m001.htsvoice -ow $TEMP
aplay --quiet $TEMP
rm $TEMP
$ chmod +x ojsay
$ ojsay 誰かがヨーゼフ・Kを中傷したにちがいなかった。悪いこともしていないのに,ある朝,逮捕されたのだ。

 少し待たされて,読み上げられるはずです。むちゃくちゃお手軽ですね。処理に時間がかかるのと,一文が長くなると突然読み上げがやたら遅くなるというバグ?があるようなので,一度に喋らせるのは一言二言にしておくのがおすすめです。
他のコマンドの出力やウェブスクレイプイングと組み合わせれば,可能性は無限大です。

$ ojsay "$(date +"%B%d日 %I時%M分")"

 日時を読み上げ。

$ ojsay "現在のコア温度は $(echo $(($(cat /sys/class/thermal/thermal_zone0/temp)/1000)) | sed s/\.[0-9]+$//g)度 です"

 SoC の温度を読み上げ。

$ sudo aptitude install curl
$ ojsay "$(curl http://www.tenki.jp/forecast/3/16/4410/13101-daily.html 2> /dev/null | grep -e "wethreDrtalIiconText" | sed "-e s/<[^>]*>//g" "-e s/^ *\(.*\)\$/今日の天気は \1 です/" | head -n1)" | head -n1"

 天気を読み上げ。

$ ojsay "$(curl http://www.asahi.com/ 2> /dev/null | grep -A 1 "iref=comtop_6" | sed "-e s/<[^>]*>//g")"

朝日新聞社ウェブサイトの見出し読み上げ。(流石に結構待たされる)
RaspberryPiにOpenJTalkをインストールする – 試したこととか困ったこととか
Debian Jessie に OpenJtalk を入れてテキストを読み上げてみた – 残しときます(自分用)
Linux – シェルスクリプトで天気予報取得! – mk-mode BLOG

テンキーで操作できるようにする
 入力は USB テンキーから行います。最初はプログラマブルテンキー「NT-19UH2BK」を検討したのですが,金欠なので無駄をなくし環境負荷を軽減するために棚に転がっている普通のテンキーを有効活用することにしました。入力そのものは数字だとか記号だけですので alias でそれぞれにコマンドを割り当てます。まあ,今回の用途なら特に不足はありません。

とりあえず,こんな感じで割り当てました。

* 再起動
*** 停止
7 SoC 温度読み上げ
8 ニュース見出し読み上げ
9 音声出力オン
+ データ通信量読み上げ
+++ データ通信量リセット
4 天気予報読み上げ
5 日付読み上げ
6 音声出力オフ
1 再生開始1
2 再生開始2
3 再生停止
0 ping
00 L-02C 電源リセット(詳細は後述)
000 アップデート試行
000000 とてもつらい

以下を ~/.bashrc に追加します。

alias '*'='ojsay '再起動します'; if [ "$(grep eth0: /proc/net/dev | while read x1 x2 x3 x4 x5 x6 x7 x8 x9 x10 x11; do echo $(((x2+x10) / 1024 / 1024)); done)" != "" ]; then sudo sh -c "echo "$(grep eth0: /proc/net/dev | while read x1 x2 x3 x4 x5 x6 x7 x8 x9 x10 x11; do echo $((((x2+x10) / 1024 / 1024)+$(cat /var/log/packetcount.log))); done)" > /var/log/packetcount.log"; fi; sudo sh -c "shutdown -r now"'
alias '***'='ojsay '停止します'; if [ "$(grep eth0: /proc/net/dev | while read x1 x2 x3 x4 x5 x6 x7 x8 x9 x10 x11; do echo $(((x2+x10) / 1024 / 1024)); done)" != "" ]; then sudo sh -c "echo "$(grep eth0: /proc/net/dev | while read x1 x2 x3 x4 x5 x6 x7 x8 x9 x10 x11; do echo $((((x2+x10) / 1024 / 1024)+$(cat /var/log/packetcount.log))); done)" > /var/log/packetcount.log"; fi; sudo sh -c "shutdown -h now"'
alias '7'='ojsay "現在のコア温度は $(echo $(($(cat /sys/class/thermal/thermal_zone0/temp)/1000)) | sed s/\.[0-9]+$//g)度 です"'
alias '8'='ojsay "$(curl http://www.asahi.com/ 2> /dev/null | grep -A 1 "iref=comtop_6" | sed "-e s/<[^>]*>//g")"'
alias '9'='amixer sset PCM on'
alias '+'='ojsay "今月のデータ通信量は $(grep eth0: /proc/net/dev | while read x1 x2 x3 x4 x5 x6 x7 x8 x9 x10 x11; do echo $((((x2+x10) / 1024 / 1024)+$(cat /var/log/packetcount.log))); done)メガバイト です"'
alias '+++'='ojsay "データ通信量の記録をリセットします"; sudo sh -c "echo '0' > /var/log/packetcount.log"; sudo sh -c "shutdown -r now"'
alias '4'='ojsay $(curl http://www.tenki.jp/forecast/[お住まいの地域の URL] 2> /dev/null | grep -e "wethreDrtalIiconText" | sed "-e s/<[^>]*>//g" "-e s/^ *\(.*\)\$/今日の天気は \1 です/" | head -n1)'
alias '5'='ojsay "$(date +%B%d日%I時%M分)"'
alias '6'='amixer sset PCM off'
alias '1'='ogg123 -r -z -q ~/Music/Jazz/*.ogg &'
alias '2'='ogg123 -r -z -q ~/Music/Classical/*.ogg &'
alias '3'='sudo sh -c "pkill -f 'ogg123'"'
alias '0'='ojsay "$(ping=$(echo "$(ping -c1 8.8.8.8)"|grep " 0% packet loss"); if [ "$ping" = "" ]; then echo "ネット接続に問題があります"; else echo "ネット接続は正常です"; fi)"'
alias '00'='sudo sh -c "checkppp0"'
alias '000'='sudo sh -c "aptitude update; sudo aptitude upgrade -y"'
alias '000000'='ojsay "とてもつらい"'

 このままだと sudo sh がパスワード入力待ちで止まってしまいますので,これらのパスワード入力を不要にします(雑

$ sudo visudo
hoge ALL=(ALL) NOPASSWD: /bin/sh

を追加。ま,今回の場合パスワード入力は自分のフールプルーフになればいいのでこれでよしとします。
 テンキーにシールを貼るなどして割り当てた機能を書いておくとわかりやすいです。

L-02C の自動再起動を実現する
 よし完成,めでたしめでたし……と思ったら,ときどき通信が切れて,L-02C の電源を一度切るまで(ポートから一度抜いて挿しなおすまで)使えなくなることがあることに気が付きました。どうも L-02C のファームウェアの安定性に何かしら問題があるようです。数分おきに ping を飛ばすなどして自動切断の回避を試みるなどしても 17,あまり効果はないようです。他は完璧なのに,ここだけはどうやってもうまくいきません。
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格安simをパソコンで使えるようにする曲者デバイスL-02cを紹介(オススメするとはいわない)|投げて、捨てて、シンプルライフ

 残念ながら AT コマンドでハードウェアを再起動させる方法はない模様です。しかしまあ,要するに,一度電源を切ってやればよいのです。/sys/bus/usb/drivers/unbind や /sys/bus/usb/devices/*/power/control 18 19 20から電源を切れますし……と思ったら,できない。前者は認識はしなくなるけど電源は切れない。後者は存在すらしない。なんで。
 しばらくさまよい歩くと,「hub-ctrl.c」というイカしたツールを見つけました。これを使えば,USB ポートの電源をより手軽に制御できるとのことです。――自分の環境ではできませんでしたが。なんでも,lsusb -v してみて Hub Descriptor に「Per-port power switching」とあるものでしか電源制御はできないらしい。「No power switching」や「Ganged power switching」とあるものはそもそもそのための回路が入っていないとのこと。最初に購入した U2HS-T201SBK という USB ハブは,案の定というか「Ganged power switching」でした。なんてこった。名前からはできそうな雰囲気が漂っているんですけどね…..光学マウスを付けて試してみたら,(全てのポートに一斉に反映されるのではなく)特定の1ポートのみに反映され,ランプが消えました。これは行けるか? と L-02C につなぎ替えてみたら無理でした。USB ランプ(単に電力を取ってるだけでなんの制御回路もなし)をつないでいると p=0 にしても光ったままですから,電源自体は供給されたままのようです。手元にあった U2HS-T201SBK(バスパワー)および BSH5U03(セルフパワー)の2機種で同じ挙動。また,実機が手元にないのと情報が少ないのでなんともいえませんが,今回使用した B に加え B+/2B/3B の内蔵ハブもポート個別の電源制御はできないようです。
 じゃ「Per-port power switching」なハブってどんなのがあるのというと,マザーボード内蔵のものを除き殆ど無いんだそうな。まあ確かに USB ハブのポートを個別に制御しようという需要なんてあんまりないでしょうからねえ。動作報告のある現行品で唯一の選択肢が,「SUGOI HUB 4X (USB2-HUB4X)」というものらしい。なんとなく不安になる製品ページですが,ともかく,4つあるポートの内なぜか2つだけですがちゃんと電源を制御でき,USB ランプのような電源ラインしか使っていない機器もオンオフできるらしい。ということで購入。予算オーバーつらい。
 喜び勇んで /sys/bus/usb/ 方面を漁ってみたのですが,power/control がない。ああそうだった。調べてみると,Raspbian が採用している4.1系のカーネルではこの制御方法は廃止されているようです。unbind にデバイス ID を書き込むやり方は使えて,無事にオンオフできましたが,両方のポート一斉にしかできません 21。まあそれでも困りませんが,せっかく買ったので実力を出し切りたい。幸い,先述の hub-ctrl を試してみたところ今のカーネルでもそのまま使えましたので,これを採用することにしました。

$ wget http://www.gniibe.org/oitoite/ac-power-control-by-USB-hub/hub-ctrl.c
$ sudo aptitude install libusb-dev
$ gcc -o hub-ctrl hub-ctrl.c -lusb
$ chmod +x ./hub-ctrl
$ mv ./hub-ctrl /usr/bin/
$ sudo hub-ctrl -b 001 -d 004 -P 2 -p 0
$ sudo hub-ctrl -b 001 -d 004 -P 2 -p 1

 おー,いけるいける。lsusb して NEC Corp. HighSpeed Hub とあるものの Bus を -b, Device を -d,ポート番号(向かって左から1,2)を -P で指定しています 22。-p 0 でオフ,-p 1 でオン。これさえあればこっちのものです。
というわけで,

$ sudo vi /usr/local/bin/checkppp0
#!/bin/sh
pppalive=$( /sbin/ifconfig | grep "ppp0" ); if [ "$pppalive" = "" ]; then /usr/bin/hub-ctrl -b 001 -d 004 -P 2 -p 0; sleep 10; /usr/bin/hub-ctrl -b 001 -d 004 -P 2 -p 1; fi

 (crontab に一行で書こうと思ったけどなんかうまくいかなくて面倒くさくなってそのまま外部のスクリプトにしたというアレ)
 
 (16/9/11追記)追記し忘れていましたが,ハブを BSH4AE12 に交換して,1)ハブしか接続していなくても Device の番号がたまに変わるようになる,2)ポートのひとつひとつを選択して入切してやらないといけないっぽい?という仕様の違いがあったので,それに対応するために checkppp0 を修正しました。BSH4AE12 対応版は以下です。たぶん大丈夫と思いますがちゃんとチェックしてないのであんまり自信ない。

#!/bin/sh
pppalive=$( /sbin/ifconfig | grep "ppp0" )
if [ "$pppalive" = "" ]
        then
        HUB=`/usr/bin/lsusb -v 2>/dev/null | grep ^Bus | grep "Genesys Logic, Inc. USB-2.0 4-Port HUB"`
        BUS=`echo $HUB | awk '{print $2}'`
        DEV=`echo $HUB | awk '{print $4}' | sed -e "s/\(.*\)\:/\1/p;d"`
        for i in 1 2 3 4
        do
                /usr/local/bin/hub-ctrl -b $BUS -d $DEV -P $i -p 0
        done
        sleep 20
        for i in 1 2 3 4
        do
                /usr/local/bin/hub-ctrl -b $BUS -d $DEV -P $i -p 1
        done
fi

 
 ここまで何日もいじっていて,圏外(ランプ黄色),接続待機でのハングアップ?(ランプ白),接続再試行中のハングアップ?(ランプ青点滅)問わず通信ができなくなった時には確実にセッションも切れて(そしてそう認識されて) ppp0 が消えるらしいということがわかったので,単に ppp0 の存在確認をしています。ping を飛ばすのと違いネットワークに負担がかかりませんし,CPU も食いませんので,毎分だって実行できます。これによって,ダウンタイムを最小化でき,自宅回線としてストレス無く利用することができるようになります。15分の load average を見ても 0.1 を超えることはない(おおむね0.05〜0.07で推移)ようなので,更にチェックの頻度を上げるのもアリでしょう。
 (16/5/1追記)と書きましたが,ダメっぽいです。時々ひっそりと死んでいることがあります。理由は特定できていませんが,ログに出てないのでハードウェア側っぽく,熱は大丈夫なので電源周りっぽい雰囲気があります。2.4A対応アダプタ+ケーブルで試してもダメなので,本体の問題の模様 23。だとしたら,B+以降やポリヒューズ改造後の個体なら大丈夫かもしれません。そのへんはまた後で検討するとして,とりあえず毎分ではなく5分おきに実行するようにしてみたところ安定しています。
 (16/11/2追記)別ハードウェアで毎分の実行を試してみて気付きましたが,wvdial の自動再接続で事が済むような“正常な”接続断にまで L-02C 再起動で対応することが増えてしまうため,却ってダウンタイムが一気に増えてしまいます。やはりチェックのインターバルは数分程度はあったほうが良いようです。
 なお,今回は Raspberry Pi 本体にハブしか挿しておらず数字が変わらないのでベタ指定してますが,他のデバイスも挿している場合は,こちらを参考に lsusb から自動取得するようにするとよいでしょう 24
 
では,最後の敵をいざ倒さん。

$ sudo crontab -e
*/5 * * * * /usr/local/bin/checkppp0

 ふー,倒した。長かった。ともあれ,これでやっと RPi ルータが完全体になりました。

 (16/8/14追記)SUGOI HUB 4X が早くも故障してしまいました。享年4ヶ月という夭折です。改めてネットを眺めてみると,比較的ニッチな製品の割に故障報告が多く目に付きます。じっさい製品の値段もそう高くありませんし,回路は奢っていてもコンポーネントの質は高くないのかもしれません。修理をしても(これがまた販売店への持ち込み不可で最初にメールであれこれしないといけないとやたら煩雑なのですが,それはまた別の話……)また壊れてしまうかもしれません。そこで代替機種を調べてみることにしました。白羽の矢が立ったのが,「節電 USB ハブ」を謳うバッファロー BSH4AE06 です。とても小さい上,手にとってみると非常に軽く,おそらく中はスカスカでしょう。しかしその分,部品点数が少なく壊れにくいことが期待できます。この機種は既にディスコンになっており,後継機種として BSH4AE12 というものが出ています。型番や能書きを見る限り,中身は miniUSB 対応から microUSB 対応に修正された以外は同じものではないかと思われます。今はまだ BSH4AE06 の方が安いですが,まもなく入れ替わることになると思います。なお,USB 3.0 ハブにも目を向けると,電源制御に対応しているという報告のあるものがいくつもあります。 25ただし,セルフパワー対応のものはまだ値段がこなれていません。
 さて BSH4AE06 ですが,結論としては「当たり」でした。Per-port power switching ではなく ganged power switching ですが,先述のような,実際には電源制御できないのに(おそらくは設計上の不備によって)情報だけはそう渡していると思われるものではなく,「本物の」 ganged power switching ですので,ポートごとの電源制御はできませんが,ハブの全ての電源を一度にオンオフすることであれば可能です。lsusb すると「Genesys Logic, Inc. USB-2.0 4-Port HUB」というのがありますので,/usr/local/bin/checkppp0 を先述の要領で書き換えます。また,/etc/wvdial.conf のモデムのパスも書き換える必要があります。
 あと,この件に関する修正を加えるにあたって,この記事がものすごく役に立ちました。当然といえば当然ですが,何かするときに記録を細かく残すのは大切ですね。

 しばらく運用してみて大丈夫そうなら,完成です! おめでとう! 忘れずにバックアップしておきましょう。shutdown -h now したあとカードを別のマシンに刺して,わかりやすいファイル名で保存しておきます。圧縮をかけると未使用領域が縮んでナイス。

$ sudo sh -c "dd if=/dev/sdc | gzip -c > RPI-LTE-ROUTER-$(date "+%y-%m-%d").gz"

(/dev/sdc の部分は環境によって異なります)
 いやあ〜よかったよかった。
モーション検出でUSBライトのON・OFF
LinuxからUSB HUBの電源のON/OFFを制御してみる – memoメモ
電源制御型USBハブでUSBチューナーの見失い状態を解消する。(PX-W3U3、S3U2ほかUSBチューナー汎用): Vladiのブログ
IoTでアボカドの発芽促進とカビを防止する – Part2: BeagleBone Blackで植物育成LEDライトを制御する – Qiita
えびめも(2011-05-30)
GitHub – codazoda/hub-ctrl.c: Control USB power on a port by port basis on some USB hubs.

感想
 3,4年周回遅れなだけあり情報が多く,基本機能については OS 導入から DHCP で IP アドレスを貰ってネットに出られるようになるまでが1時間くらいで終わりました。が,そこからが長かった。ちょっとした問題を潰すために試行錯誤したり,問題の原因を探るために勉強しなおしたりで,期間で一週間以上,丸何日かを費やしました。この記事を書くにあたっても,調べなおしたり再現するか確かめたりしてさらに1日潰れました。いちおう2週間近く実用したうえでの記事公開ですが,まだ何か起こるかもしれないとヒヤヒヤです。しかし,市販のモバイルルータも常時稼動に対応するほどには安定してはいないらしく,データ通信ドングルに対応したルータもいまいち痒いところに手が届かないようですから,LTE 回線を自宅回線として使いたいのであれば,「Raspberry Pi で DIY する」というのがいまのところ最良の選択肢でしょう。ネットワークの復習を含めなかなか勉強になるので,時間に余裕があればやってみると面白いはずです。

4ヶ月使ってみての感想
 記事公開から4ヶ月ほど経ちました。しばらく光と併用していたので正味では2ヶ月くらいですが,中間報告をば。

  • 1ヶ月10GBに収めるためには1日あたり333MBまでの通信に収める必要があります。これはけっこう厳しいですが,ストリーミング系は禁止とし,漫然とウェブブラウジングすることもやめれば,特に問題ない範囲です。この負のインセンティブにより時間を有効に使えるようになるというメリットもあります(?) ブラウザを起動しない日を週に何日か取るようにすれば完璧です。土日は古今東西の名著を手にとったり近場を散歩したりして過ごしましょう。なんて健康的なんだ。
  • 通信速度はそれなりですが,LTE なので ping が速めで,体感としては割と快適です。テキストベースのサイトであれば光回線と違いがわかりませんし,画像の多いサイトでも少し引っかかる程度です。混雑する時間帯でも体感としては ADSL の遅いとき程度です。
  • 自動再接続のおかげで「使おうと思ったら繋がらない」ということはほとんどありませんが,回線が混雑する時間帯には複数のタブを同時に開くと読み込み中のまま止まったり接続がタイムアウトしたりすることがあり,その場合にはページを再読込する必要があります。
  • Linux ディストロのインストールディスクなど大きなファイルのダウンロードは困難です。通信速度が充分でも途中で失敗してしまうことが多いです。Wget などのダウンローダを使用すると多少改善しますが,それでも失敗が多いです。Bittorrent は“無駄”な通信が多いので容量制限のある回線では避けたほうが無難ですが,IIJmio では遮断されているようでそもそも使えません。ダウンロードに失敗するとその分のデータ容量が無駄となり痛いので,大きなファイルのダウンロードはなるべく避けましょう。なお,OS のアップデート程度であれば,回線が空いている時間帯であれば特に問題なくできます。
  • 空冷にしてからとても安定していますが,帰宅したらラズパイが落ちていたことが一度だけありました。電源か熱でしょうが,再現しないのでなんともいえません。思えば今使っている初代Bはもう4年くらい前に買ったブツですので,ハードウェアの変更も視野に入れています。

更新履歴

  • 16/05/01 接続確認の頻度が高すぎて動作が不安定になることがあった件を修正
  • 16/05/04 ファンレスの夢が破れた件について追記
  • 16/08/14 SUGOI HUB 4X がすごいすぐ壊れた話と BSH4AE06 への乗り換えについて追記
  • 16/09/08 4ヶ月使ってみての感想を追記

Notes:

  1. もっとも,高速通信オフ時は3日で366MBまでという制限があります。 通信規制はありますか? | IIJmio
  2. Raspberry Pi (1) B+ の現在の価格より
  3. SUGOI HUB 付属 AC アダプタの出力は 5V2A なので数値上は USB ハブから余裕を持って取れそうなのですが,なぜか正常動作しませんでした。気になりますが,面倒なので今回は調べません。
  4. 一般的には前者が多く,OCN 系や Biglobe 等はグローバル IP らしい。Interlink のように安価に固定 IP を提供しているところもあります。
  5. USB – Raspberry Pi Documentation
  6. マニュアル p.120
  7. Raspberry Piブログ : [コラム] Raspberry Pi Model B+でUSBの最大出力を1.2Aにグレードアップしよう, なお safe_mode_gpio=4 は古いバージョンでのオプションで,互換性のために書かれているだけのため,最近のバージョンを使っている場合は max_usb_current=1 だけで大丈夫です。
  8. Raspberry Pi • View topic – RPi 3 – Very poor wifi performance, 16/4/19 Raspberry Pi Foundation エンジニアの Dom 氏曰く,”1.2A is the default and max_usb_current has no effect on Pi3.”
  9. 価格.com – 『バージョンV10eで安定化』 docomo L-02C [レッド] のクチコミ掲示板
  10. L-02C SIM(UIM)カードが認識しなくて困っていたが解決のようです|ぽちびろの日々ツイート
  11. ディスプレイに繋いでも CUI のみで VRAM はほぼ使うことはないのでがっつり減らしてよい。その分,システムに割かれるメモリ容量を増やせる。ただ,最小値は16MBらしい。 RPiconfig – eLinux.org – http://elinux.org/RPiconfig
  12. 設定がフラッシュメモリに保存されます。
  13. さすがに LTE 回線を自宅回線にしようというニーズはまだ殆どないようで,安定しそうにない構成だったり,重要な情報が抜けていたり,中には明らかに問題のあることをしている記事も散見されますので,実際に作業を始める前に検討する必要があります。
  14. なお part2 は結局まだ書けていません。音声入力はやたら手間がかかる割にうまく行っても他の入力手段より実用上快適にはならないということがわかったので pending という名の放置中です。そのうちやる気と時間がある時にでも……
  15. 犯罪に巻き込まれたような場合にログが残ってなかったら困るな,という程度
  16. またやっちまった。
  17. 定期的に ping を飛ばす手順はこちらを参照のこと。 常時接続の維持 (PING コマンド)
  18. Controlling a USB power supply (on/off) with linux – Stack Overflow
  19. kernel – Turning off power to usb port. Or turn off power to entire usb subsystem – Unix & Linux Stack Exchange
  20. Power OFF and ON USB device in linux (ubuntu) – login: root
  21. 細かく指定しようとするとエラーが出る。
  22. そこに挿しているデバイスではなく,ハブを見ることに注意してください。
  23. Minecraft Pi もできたので,Bとはいえ改良後のリビジョンのはずなのですが……
  24. ただし,手数が増える分 CPU 負荷はやや増えるはずです。
  25. 詳しくないですが,USB HDD エンクロージャも USB 3.0 のものはどれも電源連動に対応していますし,規格上対応が必須になるなどしたのではないか? という気がします。

ThinkPad T61 に Debian 8 + xfce をインストールしたメモ

 ジャンクの ThinkPad T61 を買ったので Debian 8 + xfce セットアップのメモ。

1, まず普通にインストール

2, sources.list 編集

# nano /etc/apt/sources.list

cdrom: 行をコメントアウト。
contib/non-free が必要な場合、ついでに追加。

3, 最低限使うソフトをインストール

# aptitude update
# aptitude install sudo vim keepassx arandr xfce4-whiskermenu-plugin icedove icedove-l10n-ja zotero-standalone xul-ext-zotero

4, 自分をグループ sudo に入れる

# gpasswd -a hoge sudo

一度ログアウトするまで反映されない。

5, ユーザに戻って ~/ をデフォルト(英語)に

$ LANG=C xdg-user-dirs-update --force

6, トラックポイントでのスクロールを有効化

$ sudo vi /usr/share/X11/xorg.conf.d/20-thinkpad.conf

以下をコピペ。

 Section "InputClass"
     Identifier "Trackpoint Wheel Emulation"
     MatchProduct       "TPPS/2 IBM TrackPoint|DualPoint Stick|Synaptics Inc. Composite TouchPad / TrackPoint|ThinkPad USB Keyboard with TrackPoint|ThinkPad Compact USB Keyboard with TrackPoint|USB Trackpoint pointing device"
     MatchDevicePath    "/dev/input/event*"
     Option             "EmulateWheel"          "true"
     Option             "EmulateWheelButton"    "2"
     Option             "Emulate3Buttons"       "false"
     Option             "XAxisMapping"          "6 7"
     Option             "YAxisMapping"          "4 5"
 EndSection

もうちょっと詳しい話は Debian 公式 Wiki の当該項目を参照のこと

7, xfce の設定
– 標準からパネル1削除、パネル2を画面下端へ。
– ワークスペースを1つに。
– 標準メニューボタン、ワークスペーススイッチャー、アクションボタンを削除。
– Whisker Menu とシステム負荷モニターを追加。
– 合成処理有効化ほか、環境や気分に合わせ設定。
– 初回ログアウト時には確認画面の「次回ログインのためセッションを保存する」のチェックを外す。

8, Mozc の設定
 なにやら難しくてよくわからない理由により標準では一部の設定項目が変更できません。仕様の違いが原因のため、バグとしては扱われていません。なので何年も前からこの状態ですし、修正する予定もないようです。ワークアラウンドとしては、いったん uim-mozc を削除したうえで mozc-utils-gui を起動し設定を行えば問題なし。

$ sudo aptitude remove uim-mozc

句読点変更、サジェスト自動表示・リアルタイム変換を無効化したうえで

$ sudo aptitude install uim-mozc

9, CapsLock を Ctrl に
「設定>セッションと起動>自動開始アプリケーション」から「setxkbmap -option “ctrl:nocaps”」を追加。
液晶が見にくく感じる場合は、このとき「xgamma -gamma X.X」も追加してガンマ値を下げるなどしておくと良いかもしれません。バックライトが黄ばんでいる古いマシンでは -bgamma を上げるのもおすすめ。

10, 画面ロックを xscreensaver から light-locker に変更
先日の記事参照のこと。

11, 完了
やったぜ。

 この機種 T61 についてですが,1960年代にソビエト連邦が開発した第2世代主力戦車で……じゃなかった,2007年発売の14.1型ラップトップです。数字が同じ X61 と同世代のようです。
 T シリーズは初めてなのですが,なかなかいいですねコレ。X をそのまま引き伸ばした感じで,X 独特の“秘密基地感”のようなもの(伝われ)が出ています。その一方で画面が物理的に広々として見やすく,キーボードも無理がありません。スピーカもステレオで,ついつい用もなく音楽をかけてしまいます。それでいて「小脇に抱える」ことができる程度のフットプリント・軽さ・薄さを保っており,モバイルマシンならではのわくわく感(伝われ)が損なわれていません。Core2 Duo T7100 1.8GHz + GM965 Express のモデルなので性能は大したこと無いはずなのですが,インタフェースにゆとりがあるためか,体感としてはなかなか快適です。リース落ちが一気に出たようでかなり安かった(PC-NET で3千円)ので,買った翌週にも秋葉原に寄って実家用にもう一台確保してしまいました。
 
参照:
製品の概要 – ThinkPad T61, T61p – Lenovo Support (JP)
Hothotレビュー レノボ「ThinkPad T61」レビュー ~Santa Rosaとワイド液晶で強化

Debian 8 jessie + xfce 4 で xscreensaver から light-locker に移行する方法

 前置きを書いてたら長くなったので本題から先に。

 light-locker は lightdm に依存する画面ロックツールで,xscreensaver や gnome-screensaver の代替として利用可能。ただしスクリーンセーバ機能や独自のロック画面は提供せず,ロック画面として lightdm のログイン画面を利用する。Debian の xfce および LXDE の標準のセットアップではディスプレイマネージャとして lightdm を使用しているので,そのまま利用できる。

 レポジトリにあるので,apt でインストールできる。

# aptitude update
# aptitude install light-locker
# aptitude purge xscreensaver xscreensaver-data

 xflock4 は xfce のスクリーンロックを管理するプログラムで,実体は簡単なシェルスクリプト。xscreensaver, light-locker, gnome-screensaver という優先度でデーモンにコマンドを与え,そのうち存在するものが画面をロックするという仕組み。標準で light-locker にも対応した設定になっているので,特に何かする必要はなし。

$ cat /usr/bin/xflock4
...
for lock_cmd in \
    "xscreensaver-command --lock" \
    "light-locker-command --lock" \
    "gnome-screensaver-command --lock"
do
    $lock_cmd >/dev/null 2>&1 && exit
done
...

 xflock4 がそのまま使えるので,画面ロックまでの時間の設定は xfce 電源管理 (xfce4-power-manager) から可能。
 いじょ。

追記:
 Debian 8 における lightdm の初期設定では,ログイン画面にユーザリストが表示されないため,画面ロックを解除するたびにユーザ名も入力せねばならずやや煩雑。ユーザが自分のみであれば,ユーザ名のリストを表示する設定にすることで xscreensaver や gnome-screensaver の画面ロックと同じ手軽さになる。

設定ファイルにある「greeter-hide-users=false」のコメントアウトを外してサービスを再起動する。

# vi /etc/lightdm/lightdm.conf
...
greeter-hide-users=false
...
# service lightdm restart

追記その2:
 lightdm のログイン画面に戻るためか,画面のロック後に時間経過で自動的にサスペンドやシャットダウンをさせる設定(たとえば,20分間無操作で画面ロック,1時間無操作でサスペンドという設定)が,ユーザ権限では機能しない。複数人が同時にログインするマシンでない場合,以下の設定で解決する。

# vi /usr/share/polkit-1/actions/org.freedesktop.login1.policy
        ......
        <action id="org.freedesktop.login1.suspend">
                ......
                <defaults>
                        <allow_any>auth_admin_keep</allow_any>
                        <allow_inactive>auth_admin_keep</allow_inactive>
                        <allow_active>yes</allow_active>
                </defaults>
        </action>
        ......

これを

        ......
        <action id="org.freedesktop.login1.suspend">
                ......
                <defaults>
                        <allow_any>yes</allow_any>
                        <allow_inactive>yes</allow_inactive>
                        <allow_active>yes</allow_active>
                </defaults>
        </action>
        ......

こうする(allow_any と allow_inactive を auth_admin_keep から yes に変更)。

追記その3(17/03/20):
 どうしたわけかいつの間にか(おそらく前回 dist-upgrade してから)また画面ロック後のサスペンドが効かなくなってしまっていました。設定ファイルを見るとデフォルトの状態に上書きされてしまっているようです。普通はこういうことはありませんので,何らかの手違いでしょうか。たしかにまあ,本来は考慮されていない使い方なわけで,セキュリティに深く関わる機能であることを鑑み,念のため Light-locker を使う時は画面ロック時=サスペンド時としたほうがいいのかもしれません。(しかしデスクトップ環境の電源管理ユーティリティとの統合を考えるとこの仕様?は問題があると思います)
 ところで xscreensaver の一件は Debian では xscreensaver から単に警告表示部分を取り除くことで対応する方向性のようですが,個人的には,他の部分――名称と見た目も変更しておいてくれないものかと思います。仮想パッケージとして “xscreensaver” からのエイリアスを残しておけばあえて xscreensaver としての登録にこだわる必要はないと思いますし,なによりあのロゴを見てウイルスかと勘違いされたことがありますので……(笑)

 以下前置きです。

 4月1日から,xscreensaver を使用している Debian jessie システムで,ログイン時に「This version of XScreenSaver is very old! Please upgrade!」(このバージョンの XScreenSaver は非常に古いです! アップデートしてください!)と書かれた仰々しく目立つポップアップウィンドウが出るようになり,物議を醸しています。同じ文面は xscreensaver のロック画面にも現れ,xscreensaver の設定画面には以下のような強い表現さえ使われています。「This version of xscreensaver is VERY OLD! Please upgrade! http://www.jwz.org/xscreensaver/ (If this is the latest version that your distro ships, then your distro is doing you a disservice. Build from source.)」(このバージョンの xscreensaver は非常に古いです! アップデートしてください! http://www.jwz.org/xscreensaver/ (もしこれがお使いのディストロが提供する最新のバージョンである場合,そのディストロはあなたに害を与えています。ソースからビルドしてください。))このメッセージは,作者である Zawinski 氏が書いたもので,そのバージョンのリリースからどれくらい時間が経過したかを見て,単純に12ヶ月を超えると表示される仕組みになっているようです。
 この問題について Debian のバグレポートメーリングリストに投稿した方が現れたのですが,そこへ作者でありこのメッセージを書いた本人である Zawinski 氏が登場して反論し,かなりの荒れ模様となっています。

#819703 – xscreensaver: please disable “This version of XScreenSaver is very old! Please upgrade!” message – Debian Bug report logs

両者の主張の要点は以下の通り。
Zawinski 氏:

  • 古いバージョンの xscreensaver をいつまでも提供し続けるディストロのせいで,既に修正したバグについての修正依頼が何度も舞い込み,大変迷惑している。
  • 私は言う,「あんたの使っているディストロはクソだ」。だけど彼らはいつもこうだ。「でもソースからコンパイルするなんてどうすればいいのかわからないんだけど 1
  • 古いバージョンのソフトウェアを何年も使い続けるなんてどうかしている。最新のバージョンを使うようにすべきである。仮にそれができないなら,私のソフトウェアを Debian から取り除いてくれ。
  • ライセンス上はこの要求を無視する権利もあるが,合法的なことと正しいことは違う。

反対意見:

  • まず,表示される警告メッセージがあまりに無礼かつ攻撃的である。ユーザにとって迷惑であり,社会通念上問題がある。
  • Debian の stable(安定版)リリースでは,バージョンは2年ごとのリリース時点で凍結し,セキュリティホールや重大なバグのみについて最低限の修正を加える仕組みになっている。これによって,修正に伴う新たな問題の発生を極力抑え,システムの安定性を長期的に最大限高く保つことができるようになっている。この仕組みを理解できていないのではないか。
  • 標準的な Debian システムに含まれる千数百のパッケージそれぞれがこのようなことをすれば,システムは不安定になり,ひどいことになる。
  • Debian における xscreensaver のバグは Debian のバグトラッキングシステムで管理されており,理論的には,直接メールなどで Zawinski 氏に報告が行くことはないはずである。仮に来ても,単に無視すれば手間ではないはずだ。
  • バージョンが古いことそれ自体はバグではない。
  • そもそも xscreensaver は自由ソフトウェアライセンスで提供されており,作者がその使われ方についてどうこう言うことはできない。ライセンスに規定されている以上の要求はソフトウェアの自由と相反するものである。

 そんなわけで,現在「レポジトリから xscreensaver を取り除け」(Zawinski 氏)という主張と「アホ言うな」という反応の間で侃々諤々の,というか感情的すぎるきらいのある議論が行われています。
 個人的には,ハードウェアに効果的な省電力機能が搭載され S3 スリープも普及しきった今ではスクリーンセーバの存在意義はかなり限定的であるように思いますし,xscreensaver のルックスはいかにも昔風で今時のデスクトップに合わないと思いますので,これを機にスッパリ xscreensaver を離れてもいいんじゃないかと思いますがね。
 Zawinski 氏が優れたハッカーであり,これまでコミュニティに多大な貢献をなしてきたことは疑う余地がありませんが,氏の理想は古き良き時代のハッカー文化にあり,それは今の世の中と少し乖離しているようです。昔は技術力こそが力であり,コードの書けない,ましてやコンパイルさえできないユーザは,”luser”(user + loser)として蔑まれました。しかし時代は変わりました。今や Linux ディストリビューションはハッカーのみならずコンピュータ科学以外の分野の研究者,医療従事者,ごく普通の事務職員までが日常的に使用するものとなりました。多くのニーズに応えるためにシステムがより大きく複雑になる一方,コミュニティへの貢献の道はあらゆる人へと開かれ,コーディングに限らず,各人のできることでのコミュニティへの貢献が尊重され,かつ必要とされるようになりました。ハッカーならぬ私はこの新しい時代はとても素晴らしいものだと思っていますが,古くからのハッカーにとっては必ずしもそうでもないのかもしれません。
 ともあれ,早期の円満な解決を祈っています。

参照:
#819703 – xscreensaver: please disable “This version of XScreenSaver is very old! Please upgrade!” message – Debian Bug report logs
Bug #1406825 “xscreensaver complains “This version of xscreensav…” : Bugs : xscreensaver package : Ubuntu
light-locker/README at master · the-cavalry/light-locker · GitHub
Set up light-locker with XFCE action buttons. / Newbie Corner / Arch Linux Forums
14.04 – Authentication required before suspend – Ask Ubuntu

Notes:

  1. ソースのコメントでは “herp derp I eat paste” と続く。要するに知識も調べる気もないユーザを揶揄しての囃し文句。

Debian 8 で Bluetooth DUN

 Debian 8 Jessie で Bluetooth DUN しようとして……泥沼にハマった。
 Bluez のバージョンが 5 に入り仕様が大きく変わったようで,これまでの定石が通用しません。一応 blueman や gnome-bluetooth なども入れて試してみましたが,やはりうまくいかない。つなぐ先も「BlueDUN」という市販のアプリを入れた Android スマートフォンで,こっちが特殊な仕様である可能性もあります。せめて他にいくつかモデムがあればいいのですが……なんとか調べながら設定してはみるものの,正体不明のエラーとか……検索してみるとバグがうんたらかんたらとか言ってるし……うわこのコマンドも無くなったのか……このエラーは何だ?……しかし眠い……寒い……外明るくなってきた……つらい……などと合計10時間以上を無為に費やし,「これは複雑なバグまたは心霊現象が関与しており自分の手には負えない」という結論に達したところで以下のページを見つけました。

delx » Bluetooth DUN Tethering with Linux and a Nokia Symbian Phone

 2014年? Arch? もしや,これでいける? 藁にもすがる気持ちで試してみると……いやっほううう!!! 繋がった!!! 何度再起動して試してもオーケー。引っ掛かりポイントは Debian では「python-dbus」ではなく「python3-dbus」が必要であるという点と始めに wlan の接続を切ってから試さないとダメという2点くらいで,本当に書いてあるとおりにコピペして書き換えて実行するだけ。恐ろしく簡単。
 スクリプトを眺めてみるとなにやら見たことのないことをしている部分がある。やっぱり仕様変更絡みで別のやり方をする必要があったらしい。この辺はそのうちちゃんと調べないといけませんね。
 いやあ,ありがたやありがたや。

ジャンクの VersaPro VC-7 を買ったメモ

秋葉原 PC-NET でジャンクの NEC VersaPro VC-7 (PC-VY14A/C-7) を買ったメモ。

・C2D SU9400,RAM 1GB(DDR3,MAX 3GB,非公式ながら5GBまで認識可),HDD 120GB
・むっちゃ軽い。バッテリ込みで実測900g切ってる。軽さに惹かれて衝動買い。
・こう軽けりゃ当然 SSD に換装するしかない(?)けど,軽さの代償として,分解を前提とした作りにはなっていない。構造上,ダメージ無く分解することはほぼ不可能。この手の作業には慣れてるつもりだけどキータッチが少しおかしくなってしまった…… なお分解レポートを公開してくださっている方がいることもあり,分解自体は比較的簡単(参照:2011年05月04日の記事 | nana1451@たぶん日記 – 楽天ブログ
・AC がちょっと特殊な 10V 4A のブツ 1で,秋葉原でも発見が難しい。幸いネット通販でなら中古2000円ほどで入手可。
・RAM は DDR3 で,4GB 追加の合計5GBまで認識することを確認。初期の DDR3 モデルに共通の仕様として,2Gbit チップまでの対応なので注意 2
・腑分けしてびっくり,無線 LAN 非搭載モデルだった 3。残念。
・Debian Wheezy が普通に動く。
・自分の個体のバッテリはそれほど劣化していなかった。互換バッテリが売られていないので,バッテリの劣化が激しい個体を引き当てるとけっこうつらいかも。

かかった費用(本体以外は概算)
・本体 – ジャンク3780円
・AC ケーブル – 中古2000円
・DDR3 SODIMM 2GB – 中古500円
・SSD 32GB – 新品3500円
・PC カード wlan アダプタ – 中古300円
合計:10080円

本体は安かったものの,というジャンク品の王道パターンにはまってしまったなあ。そして,これで実戦可能なモバイル機が意味もなく4台に……

参照:
公式スペック表
公式周辺機器表,バッテリの型番など
公式ドライバ配布ページ,~Win7
NECモバイルノート LaVie J/VersaPro VY/UltraLiteタイプVC・VM @ ウィキ – 7代目(3代目Ultralite) タイプVC・タイプVM パワーアップ情報(2ch スレ由来の wiki)
価格.com – 「VersaPro UltraLite タイプVC」レビュー(発売当時の広告記事,ベンチなど)

15/2/8 スペック(CPU,RAM)情報修正,リンク追加

Notes:

  1. 何種類かある。自分が購入したのは ADP69 という機種。
  2. 簡単な見分け方としては,4GB の場合,裏表8枚ずつ全部で16枚チップがついてるやつ。2Gbit*16=32Gbit=4GB。
  3. PCI-E half size スロット(筐体の構造上フルサイズは入らない)はある。アンテナは無し。

Imagination Technologies 社が MIPS 搭載シングルボードコンピュータを発表

New MIPS Creator CI20 development board for Linux and Android debuts – Imagination Blog
Imagination Launches MIPS-Based “Creator CI20” Development Board For Linux And Android, Free For Developers

 この手のシングルボードコンピュータはもはや珍しいものではなくなっていますが,コレは(よくある ARM でなく)MIPS CPU を搭載しており,しかも MIPS アーキテクチャの総元締めである Imagination Technologies 社直々の投入ときており,なかなか面白いので紹介。
 MIPS アーキテクチャは,古くからマイクロプロセッサ設計の教材として用いられてきたことで知られているほか,今でも組み込み用途でよく使われているアーキテクチャです。しかし近年では,家電の多機能化などもあるのか,Android を制した ARM に人気が移りつつあるようで,MIPS とってはあまり好ましい状況が続いているようです。2012年の Imagination Technologies による MIPS Technologies の買収はその現れでしょう。このままでは ARM の x86/x64 侵攻も静観するしかない状況です。
 恐らくはそうした現状を打破するためでしょう,突如投入したのがこの開発者向けシングルボードコンピュータ「Creator CI20」というわけです。Debian 7 に対応,Android 4.4 にも対応予定となっています。Raspberry Pi を意識したようなハード構成になっており(公式 Blog からも Raspberry Pi や Linux 「コミュニティ」を多分に意識していることが伺えます),豊富な拡張端子,強力な再生支援,そこそこよい性能を備え持っています。そしてその値段は,なんと無料! ――ただし,自分自身についての情報と予定している Creator CI20 を使ったプロジェクトの詳細を Imagination Technologies 社に送り,認められた人のみです。技術力と影響力を持った人に無料配布し,実際に開発をして広告塔になってもらおうという考えでしょう。Google が Android を発表した時と同じやり方ですね。現在のところ市販の予定はないようです。
 さて,この試みが成功するかどうかですが……個人的には,どれだけ情報をオープンにできるか,どれだけオープンソースコミュニティに貢献できるかにかかっているのではないか思います。Google の Android と違い圧倒的に強力なライバルが存在しているという事実も考慮せねばなりません。今回の発表はつまるところ Linux コミュニティの中でも本職の技術者やハイアマチュアを惹きつけるための施策です。狙いは賢明だと思いますが,彼らの支持を勝ち取るためには,彼らにとっての最大の魅力であるところの「自由さ」「開発のしやすさ」が確保されていなければなりません。たとえば,Creator CI20 は Debian Wheezy をサポートしていますが,Imagination Technologies の Debian Project に対する支援はそれほど積極的でないように見受けられます。本気で Linux コミュニティに訴えかけるつもりがあるのであれば,より積極的な支援を行うべきでしょう。また,このボードをはじめ現状 MIPS をデスクトップ利用しようとすると必ず PowerVR がセットになりますので, 当然 PowerVR についての情報もよりオープンにすべきです(公式 Blog を見る限りその意向であるように思われますが)。Broadcom でさえ Raspberry Pi の GPU ドライバをオープンソース化した今,GPU のパワーを引き出すためにはバイナリ配布されるプロプライエタリドライバが必要,というような状況では早晩愛想をつかされてしまうでしょう。また,PowerVR 用のフリーなドライバの開発は FSF の High Priority Projects の一つに数えられており,活発に開発されているようですが,まだ万全ではないようです。これを機に可能な限りの協力と支援を行うべきです。

Linux 用 Twitter クライアントの決定版:「gFeedLine」

普段私が PC で Twitter へアクセスするときには公式 web か Hootsuite を使うことが殆どなのですが,最近ちょっとミュート機能が必要となる場面があり,Linux の Twitter クライアントを調べてみました。すると,「gFeedLine」というものがよさそうとの情報を発見。なんでも開発者は日本人の方だそう。日本における Twitter の使い方は他の国とは少し違いますので,これは期待できます。

依存関係を満たし .deb をインストールして起動し,「編集(V) > 設定(P)」からアカウントや表示するフィードの設定を終えた画面はこんな感じです。一見何の変哲もない画面ですが,User Stream 対応で API 切れの心配がありません(これが欧米発のプロジェクトでは対応するつもりもない場合が大半)。
snapshot7

同じく(ほぼ)日本独自の機能であるミュート設定も充実しており,特定の語を含むツイートや特定のユーザーによるツイートを隠すことができるのはもちろん,語やユーザーごとにミュートを続ける期間を細かく(最短1時間刻み)設定することができます。映画などのネタバレツイートの流れ弾被弾を防ぐのに役立つこと請け合い。
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テーマを変更することもできます。
snapshot6

難点は投稿時のキーショートカットが(あまり一般的でないように見受けられる)Ctrl + U で変更不可という点くらいで,(→事実誤認でした。一般的な Ctrl + Enter でもポスト可能です。お詫びして訂正いたします)軽くて安定動作,ミュートや Userstream など日本人ユーザーのツボをおさえた機能アリと素晴らしいクライアントです。Linux 用 Twitter クライアントは他にもいくつか試してみましたが,日本で求められる機能を備えつつ万人におすすめできるものというとやはりコレが一番でしょう。

追記:
自分は最初からアルファ版を試したので気づきませんでしたが,執筆時点現在の正式版 2.4.1 には「システムがサスペンドからレジュームした時に user stream が切れたままになる」という問題があるようです。この問題はアルファ版 2.4.2 では修正されています。アルファ版とのことではありますが,かなり安定していますので,特別な理由のない限り 2.4.2 を選ぶべきでしょう。

参照:
gfeedline – Social Networking Client – Google Project Hosting
GFeedLine: GNOME 向け SNS クライアント | yendo weblog
Geeekooo: Twitterクライアント(Ubuntu編) [追記]
GFeedLine: A Social Networking Client For Twitter, Facebook And Tumblr

xfce でセッションを保存させないには

最近の xfce にはログアウト時にセッション内容(起動しているアプリケーションとその状態)を保存して次回ログイン時に復元してくれる機能が付いているみたいです。流行ではありますが自分にとっては要らんおせっかい。設定項目にこの機能を無効化するものがなかったので弱っていましたが,なんのことはない,ログアウト時の選択画面で「次回ログインのセッションを保存する」のチェックを外せばいいだけでした。一度チェックを外せば次回以降も記憶していてくれます。

X60 に Wheezy をインストールしたメモ

ThinkPad X60 を Squeeze から Wheezy にアップデートするにあたりクリーンインストールしたので設定のメモ。Debian 7.2 i386 xfce

1.とりあえず使いそうなものをまとめてインストール
# aptitude install sylpheed ghex sudo gksu gedit vim wine keepassx xdg-user-dirs-gtk gpicview gigolo

2.トラックポイントでのスクロールを利用可能にする
Fedora上でTrackPointのスクロールを有効に | PCと遊ぶ日々の記録

3.~/ のディレクトリを英語に
$ LANG=C xdg-user-dirs-update –force

4.無線 LAN のドライバを導入
X60 標準の内蔵無線 LAN アダプタには発熱問題があるので引っこ抜いてしまって,BIOS による純正チェックや電波法規の絡みから代わりのアダプタの内蔵は諦め,PLANEX の GW-USNano-G という USB アダプタを刺しっぱなしにして使っています(案外邪魔になりませんし感度もまずまずです)。そいつのドライバの導入。
Untitled : Ubuntu13.04 GW−USNano2-G(rtl8192cu)
firmware-realtek というドライバが自動で導入されているけれど,せっかく Realtek が一発で導入できるインストールスクリプトを用意してくれているので純正ドライバを入とく。

5.Mozc の設定
# aptitude install mozc-utils-gui
# aptitude remove uim-mozc
$ /usr/lib/mozc/mozc_tool –mode=config_dialog
(設定ウィンドウが開くので,設定をしたうえで閉じる)
# aptitude install uim-mozc
protobuf とやらのほにゃららのほにゃららで,uim-mozc があると設定を保存できないらしい。→mozc_tool | ekato’s note
対策方法はあるようだけど,めんどいので力技で解決しちゃう。

6.CapsLock を Ctrl にする
設定>セッションと起動>自動開始アプリケーション
以下のコマンドを追加
setxkbmap -option “ctrl:nocaps”
CapsLock 滅ぶべし!
液晶の文字が読みにくいなどの場合は「xgamma -gamma X.X(X.X はお好みの値)」も追加しておくと幸せになれます。

7.表示を設定
設定>ウィンドウマネージャ(詳細)>合成処理
から,合成処理を有効にする(グラフィックで描画するため CPU 負荷が減ります)。
あとはお好みで。

8.レポジトリにないソフトを導入
Dropbox
TrueCrypt – Free Open-Source On-The-Fly Disk Encryption Software for Windows 7/Vista/XP, Mac OS X and Linux

8.その他
電源管理,デスクトップパネル,メーラーやブラウザの設定など。

「Kanvus Note A5」を Linux で(兼・簡易レビュー)

近ごろ安く出ている台湾 Kworld 社の「Kanvus Note A5」。これはどういうものかというと,バッテリ駆動で PC から独立して利用できるペンタブで,上に A5 サイズの紙ノートを据えボールペンであると共にデジタルペンでもある専用ペンでメモを取ると紙媒体だけでなく電子データとしてもメモが残るというもの。本格的な液タブを搭載したタブレット PC が使えればそりゃいいですが重いしバッテリ持たないし冗談みたいに高い。流行りの Android や iOS のタブレット端末は精度が低くてとてもじゃないが文字書きには使えない。紙のノートをスキャンするのはかなり良さそうだがいかんせん手間だしイニシャルコストがそれなりにする(最低でも二万円,実用するなら三万以上は用意せねばならない)。そんな中,ペンタブの実用的な精度の出るデジタイザをそのまま活用できる本品はなかなかいいところを突いてると言えるのではないでしょうか。まあ一万円を超えているとかであれば少しは考えますが,今なら投げ売りで野口さん三枚でお釣りがくるときた。この手の機器を見ると血が騒ぐガジェットオタクとしては買うしかないでしょう。ひょっとしたら,実用できるかもしれないし。

発売が2010年とやや古く,値段を見ても在庫処分に入っているようなので,この製品はあまり長くは出ないかもしれません。そのため,この記事は読みやすさより早さを優先して一気呵成に書きました。読みにくいかと思われますがご容赦を……

さて,この Kanvus Note A5。秋葉原では良くも悪くも有名な,玉石混淆の品揃えでお馴染みの某 A 店が最安のようです。この店はなんというかアジア的な感覚でやっておられる店で,面白いもの,珍しいものをとても安く手に入れることができるのですが,活用には少々コツが必要です。A 店の POP では「文字認識! 多機能! 高性能ペンタブとしても使える!」みたいな感じのことが書いてあった気がしますが,これを文字通り受け取っているのではシロウトだと言わざるをえません。こういう買い物には情報,もしくは勇気が必要です。勇気というより蛮勇かもしれませんが。この機種については検索してもあまり細かな情報は得られませんので,もっぱら後者が問題となります。とはいえこの値段であればたとえダメダメでも諦めはつくだろうということで購入したわけです。後進に情報を残すのが人柱 er の努め(?)ですので,ちょっとレビューしてみましょう。なおこの機種の取扱説明書はウェブ上から無料でダウンロードできます(こちら・PDF)。購入前に目を通しておくとよいかもしれません。

 

・電子ノートとして

後述。

・ペンタブとして

まあ……当然ですがあまり多くを期待してはいけませんね。低価格ペンタブとしては頑張っている方だとは思いますが,重要な技術をいくつも特許でおさえている WACOM の製品と比べると,電子ペンの低機能さ,ペンに電池が必要なことによる重さ・電池交換の手間,ペンのチープさ(電池を入れるためにハウジングを開けたらあまりの貧弱さに折れないか心配になった),あと実用上の違いは未チェックですがカタログスペックもいろいろ劣るようです。WACOM のエントリー向けペンタブの中古は安く手に入りますが,そちらのほうが機能も利便性も品質(丈夫さ)もずっと上です。自分のペンタブの主な用途は写真編集で,絵を描く人に比べるとライトユーザーもいいとこですが,その程度でも実際の感覚としてそれなりの違いがあります。PC につなぎペンタブとして利用するのをメインの利用方法として予定しているのであれば中古の WACOM 製ペンタブを購入した方がよいかもしれません。

なお,Linux 環境においても,以下の設定をすることでペンタブとして正しく認識させることができるようになるようです(未検証。にしてもネットの海にはこんな情報まであるんだなあ)

Installing the Kanvus Note A5 tablet on Linux « Site 42

・付属品等

筆圧検知機能付きのペン1本,筆圧検知機能はないがボールペン付きのペン2本,多機能な専用ケース(説明書には「レザーケース」なんて偉そうなことが書いてありますが当然ポリウレタンのこれ以上ないほど安っぽいものです),ソフト類等とかなり充実しています。ただし,本製品の発売は2010年。経年劣化が無視できませんので少しだけ注意が必要です。ペン類には問題がないため困ることはありませんが,たとえばケースは空気で分解してボロボロです。単4電池に至っては数本盛大に液漏れしていました(笑) 見た目が大丈夫そうなものでも液漏れ寸前のはずです。間違えて機器に入れてしまわないよう気をつけましょう。

・消耗品の入手性

良好です。

本体の電池は単4×3,筆圧ペンの電池は単4×1,ボールペン付きペンの電池は PR48 空気電池x1。いずれも安価かつ手軽に手に入れられるものです。

ペン先について。ボールペンの指定リフィルは「Mini Star D1」なる見慣れないもの。調べてみた限り入手は難しいようです。では交換できないのか? というとそうでもないようで,似たような規格のリフィルは国産品でもいくつか見つかります。実際に試してみたわけではありませんのでなんとも言えませんが,「ZEBRA 4C-0.7芯」あたりが使えそうな雰囲気。筆圧検知ペンのペン先は専用品ですが,予備が3本も付いていますし,酷使するわけでもなければ全部がすり減って使えなくなる前には本体が壊れているだろうと思われます。

単4電池に充電池を使えば,月のランニングコストは数十円程度になると思われます。

 

以下やっと本題。こいつを Linux で使えるようにしましょう。といっても勿論 Linux 用ドライバなんて提供されてはいません。つまり,PC に接続した際に内蔵メモリがマスストレージクラスとして認識されるか否かに全てがかかっています。2010年発売なら行けそうな気もするが……? ともかく USB ケーブルを差し込んでみましょう。……認識した! やったぜ。……あれ,でもなんだこのファイル? なに「.DNT」? 開けるソフトはないっぽい? やっちまったぜ。 ということで,ファイル自体は参照できるものの開けないという大変はがゆい状況に。とはいえ手元には専用ソフトが満載されたドライバ CD があるわけで,これを利用できれば問題ないわけです。そう,WINE に登場願いましょう。WINE は Windows 互換レイヤーであり x86/x64 であれば他の OS で Windows アプリケーションを……という能書きはまあ置いといて,さっそく試してみましょう。この忌々しき .DNT を見慣れた形式に変換してくれるのは「Digital Organizer」というソフトらしい。ドライバ CD の Autorun.exe を実行するとどのソフトをインストールするか聞かれますが,他のソフトはぶっちゃけ不要ですのでチェックボックスからチェックを外して,「Digital Organizer」だけインストールするようにしました。幸運なことにインストールは無事に完了。アプリケーションランチャーに Wine > Programs > Kanvus Tablet Software > DigitalOrganizer が登場します(Wine 1.4.1,Debian Wheezy で確認)。祈るような気持ちで Digital Organizer を立ち上げたところあっさり起動。デスクトップの .DNT のファイルたちを無事 .JPG に変換できました。やった! 最近の WINE ってホントすごいですね。いろいろと試し書きしてみましたがけっこう使えそうという感触です。Android や iOS のタブレット,こと静電容量式とは使い勝手がまるで違います。この機器を買った理由は「大学の講義ノートを電子データとして保管・利用するため」なのですが,それぐらいの目的であれば果たされそうです。さて,実用になる(っぽい)ということが明らかになり次に考えるのは USB 接続の Kanvus Note A5 を WINE そして Digital Organizer に認識されせたいということですが,ファイルサイズがとても小さいことだし,設定もめんどくさそうなのでもうシェルスクリプトで ~/ に作った一時フォルダにコピー→ Digital Organizer で手動変換(そう手動! これだから Win○ows 用ソフトは!),とすることにしました。出てきた .JPG はシェルスクリプトで Dropbox フォルダに移します。これで Android のタブレット端末で講義ノートを参照できるというわけ。先述のようにソフトは他にもいろいろ添付されているし Digital Organizer にも他にいろいろ機能はあるようですが興味がないのでレビューしません。以上!

以下,今回の記事のまとめです。

・けっこう使えそう。

・Linux でも(少なくとも基本的な機能は)問題なく使える。

・いろいろわかってる人にはかなりおすすめ。

 

(13/9/3 追記)

こんなものが出ていたことに気づいた。すごく良さそう。これの大画面版が出たら買っちゃうかも……

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