X60 に Wheezy をインストールしたメモ

ThinkPad X60 を Squeeze から Wheezy にアップデートするにあたりクリーンインストールしたので設定のメモ。Debian 7.2 i386 xfce

1.とりあえず使いそうなものをまとめてインストール
# aptitude install sylpheed ghex sudo gksu gedit vim wine keepassx xdg-user-dirs-gtk gpicview gigolo

2.トラックポイントでのスクロールを利用可能にする
Fedora上でTrackPointのスクロールを有効に | PCと遊ぶ日々の記録

3.~/ のディレクトリを英語に
$ LANG=C xdg-user-dirs-update –force

4.無線 LAN のドライバを導入
X60 標準の内蔵無線 LAN アダプタには発熱問題があるので引っこ抜いてしまって,BIOS による純正チェックや電波法規の絡みから代わりのアダプタの内蔵は諦め,PLANEX の GW-USNano-G という USB アダプタを刺しっぱなしにして使っています(案外邪魔になりませんし感度もまずまずです)。そいつのドライバの導入。
Untitled : Ubuntu13.04 GW−USNano2-G(rtl8192cu)
firmware-realtek というドライバが自動で導入されているけれど,せっかく Realtek が一発で導入できるインストールスクリプトを用意してくれているので純正ドライバを入とく。

5.Mozc の設定
# aptitude install mozc-utils-gui
# aptitude remove uim-mozc
$ /usr/lib/mozc/mozc_tool –mode=config_dialog
(設定ウィンドウが開くので,設定をしたうえで閉じる)
# aptitude install uim-mozc
protobuf とやらのほにゃららのほにゃららで,uim-mozc があると設定を保存できないらしい。→mozc_tool | ekato’s note
対策方法はあるようだけど,めんどいので力技で解決しちゃう。

6.CapsLock を Ctrl にする
設定>セッションと起動>自動開始アプリケーション
以下のコマンドを追加
setxkbmap -option “ctrl:nocaps”
CapsLock 滅ぶべし!
液晶の文字が読みにくいなどの場合は「xgamma -gamma X.X(X.X はお好みの値)」も追加しておくと幸せになれます。

7.表示を設定
設定>ウィンドウマネージャ(詳細)>合成処理
から,合成処理を有効にする(グラフィックで描画するため CPU 負荷が減ります)。
あとはお好みで。

8.レポジトリにないソフトを導入
Dropbox
TrueCrypt – Free Open-Source On-The-Fly Disk Encryption Software for Windows 7/Vista/XP, Mac OS X and Linux

8.その他
電源管理,デスクトップパネル,メーラーやブラウザの設定など。

「Kanvus Note A5」を Linux で(兼・簡易レビュー)

近ごろ安く出ている台湾 Kworld 社の「Kanvus Note A5」。これはどういうものかというと,バッテリ駆動で PC から独立して利用できるペンタブで,上に A5 サイズの紙ノートを据えボールペンであると共にデジタルペンでもある専用ペンでメモを取ると紙媒体だけでなく電子データとしてもメモが残るというもの。本格的な液タブを搭載したタブレット PC が使えればそりゃいいですが重いしバッテリ持たないし冗談みたいに高い。流行りの Android や iOS のタブレット端末は精度が低くてとてもじゃないが文字書きには使えない。紙のノートをスキャンするのはかなり良さそうだがいかんせん手間だしイニシャルコストがそれなりにする(最低でも二万円,実用するなら三万以上は用意せねばならない)。そんな中,ペンタブの実用的な精度の出るデジタイザをそのまま活用できる本品はなかなかいいところを突いてると言えるのではないでしょうか。まあ一万円を超えているとかであれば少しは考えますが,今なら投げ売りで野口さん三枚でお釣りがくるときた。この手の機器を見ると血が騒ぐガジェットオタクとしては買うしかないでしょう。ひょっとしたら,実用できるかもしれないし。

発売が2010年とやや古く,値段を見ても在庫処分に入っているようなので,この製品はあまり長くは出ないかもしれません。そのため,この記事は読みやすさより早さを優先して一気呵成に書きました。読みにくいかと思われますがご容赦を……

さて,この Kanvus Note A5。秋葉原では良くも悪くも有名な,玉石混淆の品揃えでお馴染みの某 A 店が最安のようです。この店はなんというかアジア的な感覚でやっておられる店で,面白いもの,珍しいものをとても安く手に入れることができるのですが,活用には少々コツが必要です。A 店の POP では「文字認識! 多機能! 高性能ペンタブとしても使える!」みたいな感じのことが書いてあった気がしますが,これを文字通り受け取っているのではシロウトだと言わざるをえません。こういう買い物には情報,もしくは勇気が必要です。勇気というより蛮勇かもしれませんが。この機種については検索してもあまり細かな情報は得られませんので,もっぱら後者が問題となります。とはいえこの値段であればたとえダメダメでも諦めはつくだろうということで購入したわけです。後進に情報を残すのが人柱 er の努め(?)ですので,ちょっとレビューしてみましょう。なおこの機種の取扱説明書はウェブ上から無料でダウンロードできます(こちら・PDF)。購入前に目を通しておくとよいかもしれません。

 

・電子ノートとして

後述。

・ペンタブとして

まあ……当然ですがあまり多くを期待してはいけませんね。低価格ペンタブとしては頑張っている方だとは思いますが,重要な技術をいくつも特許でおさえている WACOM の製品と比べると,電子ペンの低機能さ,ペンに電池が必要なことによる重さ・電池交換の手間,ペンのチープさ(電池を入れるためにハウジングを開けたらあまりの貧弱さに折れないか心配になった),あと実用上の違いは未チェックですがカタログスペックもいろいろ劣るようです。WACOM のエントリー向けペンタブの中古は安く手に入りますが,そちらのほうが機能も利便性も品質(丈夫さ)もずっと上です。自分のペンタブの主な用途は写真編集で,絵を描く人に比べるとライトユーザーもいいとこですが,その程度でも実際の感覚としてそれなりの違いがあります。PC につなぎペンタブとして利用するのをメインの利用方法として予定しているのであれば中古の WACOM 製ペンタブを購入した方がよいかもしれません。

なお,Linux 環境においても,以下の設定をすることでペンタブとして正しく認識させることができるようになるようです(未検証。にしてもネットの海にはこんな情報まであるんだなあ)

Installing the Kanvus Note A5 tablet on Linux « Site 42

・付属品等

筆圧検知機能付きのペン1本,筆圧検知機能はないがボールペン付きのペン2本,多機能な専用ケース(説明書には「レザーケース」なんて偉そうなことが書いてありますが当然ポリウレタンのこれ以上ないほど安っぽいものです),ソフト類等とかなり充実しています。ただし,本製品の発売は2010年。経年劣化が無視できませんので少しだけ注意が必要です。ペン類には問題がないため困ることはありませんが,たとえばケースは空気で分解してボロボロです。単4電池に至っては数本盛大に液漏れしていました(笑) 見た目が大丈夫そうなものでも液漏れ寸前のはずです。間違えて機器に入れてしまわないよう気をつけましょう。

・消耗品の入手性

良好です。

本体の電池は単4×3,筆圧ペンの電池は単4×1,ボールペン付きペンの電池は PR48 空気電池x1。いずれも安価かつ手軽に手に入れられるものです。

ペン先について。ボールペンの指定リフィルは「Mini Star D1」なる見慣れないもの。調べてみた限り入手は難しいようです。では交換できないのか? というとそうでもないようで,似たような規格のリフィルは国産品でもいくつか見つかります。実際に試してみたわけではありませんのでなんとも言えませんが,「ZEBRA 4C-0.7芯」あたりが使えそうな雰囲気。筆圧検知ペンのペン先は専用品ですが,予備が3本も付いていますし,酷使するわけでもなければ全部がすり減って使えなくなる前には本体が壊れているだろうと思われます。

単4電池に充電池を使えば,月のランニングコストは数十円程度になると思われます。

 

以下やっと本題。こいつを Linux で使えるようにしましょう。といっても勿論 Linux 用ドライバなんて提供されてはいません。つまり,PC に接続した際に内蔵メモリがマスストレージクラスとして認識されるか否かに全てがかかっています。2010年発売なら行けそうな気もするが……? ともかく USB ケーブルを差し込んでみましょう。……認識した! やったぜ。……あれ,でもなんだこのファイル? なに「.DNT」? 開けるソフトはないっぽい? やっちまったぜ。 ということで,ファイル自体は参照できるものの開けないという大変はがゆい状況に。とはいえ手元には専用ソフトが満載されたドライバ CD があるわけで,これを利用できれば問題ないわけです。そう,WINE に登場願いましょう。WINE は Windows 互換レイヤーであり x86/x64 であれば他の OS で Windows アプリケーションを……という能書きはまあ置いといて,さっそく試してみましょう。この忌々しき .DNT を見慣れた形式に変換してくれるのは「Digital Organizer」というソフトらしい。ドライバ CD の Autorun.exe を実行するとどのソフトをインストールするか聞かれますが,他のソフトはぶっちゃけ不要ですのでチェックボックスからチェックを外して,「Digital Organizer」だけインストールするようにしました。幸運なことにインストールは無事に完了。アプリケーションランチャーに Wine > Programs > Kanvus Tablet Software > DigitalOrganizer が登場します(Wine 1.4.1,Debian Wheezy で確認)。祈るような気持ちで Digital Organizer を立ち上げたところあっさり起動。デスクトップの .DNT のファイルたちを無事 .JPG に変換できました。やった! 最近の WINE ってホントすごいですね。いろいろと試し書きしてみましたがけっこう使えそうという感触です。Android や iOS のタブレット,こと静電容量式とは使い勝手がまるで違います。この機器を買った理由は「大学の講義ノートを電子データとして保管・利用するため」なのですが,それぐらいの目的であれば果たされそうです。さて,実用になる(っぽい)ということが明らかになり次に考えるのは USB 接続の Kanvus Note A5 を WINE そして Digital Organizer に認識されせたいということですが,ファイルサイズがとても小さいことだし,設定もめんどくさそうなのでもうシェルスクリプトで ~/ に作った一時フォルダにコピー→ Digital Organizer で手動変換(そう手動! これだから Win○ows 用ソフトは!),とすることにしました。出てきた .JPG はシェルスクリプトで Dropbox フォルダに移します。これで Android のタブレット端末で講義ノートを参照できるというわけ。先述のようにソフトは他にもいろいろ添付されているし Digital Organizer にも他にいろいろ機能はあるようですが興味がないのでレビューしません。以上!

以下,今回の記事のまとめです。

・けっこう使えそう。

・Linux でも(少なくとも基本的な機能は)問題なく使える。

・いろいろわかってる人にはかなりおすすめ。

 

(13/9/3 追記)

こんなものが出ていたことに気づいた。すごく良さそう。これの大画面版が出たら買っちゃうかも……

WG-N20 | 電子ノート:シャープ

「1Mobile Market」って何者? 調べてみた。

「1Mobile Market」って何者? とウェブ検索して昨年書いた記事に辿りつく人がけっこういらっしゃるみたいなので,1Mobile Market の正体について知っていること・調べてみてわかったことを書いておこうと思います。

まず,1Mobile Market が中国のものであると判断した理由ですが,ドメイン「1mobile.com」を whois した結果からです。1mobile.com を whois にかけると以下のような情報が得られます。なお,ここに掲載するにあたり念のために一部情報を伏せてあります。

(略)
Registrant Name: Kunlun Kunlun
Registrant Organization: Kunlun Wanwei Keji Gufen Youxian Gongsi
Registrant Street: Beijing
Registrant Street: ******
Registrant City: Beijing
Registrant State/Province: Beijing
Registrant Postal Code: ******
Registrant Country: China
Admin Name: Kunlun Kunlun
Admin Organization: Kunlun Wanwei Keji Gufen Youxian Gongsi
Admin Street: Beijing
(以下略)

というわけで,中国の Kunlun Wanwei Keji Gufen Youxian Gongsi なるところがこのドメインを取得し,サイトを維持しているようです。中国語はぜんぜん読めませんが,Keji が「科技」で Gongsi が「公司」だ,といった乏しい知識を切り貼りして考えてみるに,どうもこれは企業の名前であるようです。代表者名か担当者名を書いておくべき Admin Name の欄に「Kunlun Kunlun」なんてフザケたことが書いてあるのがいかにも怪しげな感じですが,とりあえずこの「Kunlun」なる単語が重要っぽいことはわかりました。

件の記事を書いた際はここまで調べたところでおしまいにしました。20個ほどアプリを落として調べてみても特に改竄はないようで,一部ウイルス対策ソフトではアドウェアとして警告されるという情報があるもののそこまで行儀の悪いこともしてないようだったので,多分それほどのリスクはないだろうと考えてブログで紹介しても大丈夫だろうと判断しました。さて,ここからが本日やったこと。

まず Kunlun Wanwei Keji Gufen Youxian Gongsi という文字列でウェブ検索してみましたが,役に立ちそうな情報は出てきませんでした。それではということで「Kunlun」という単語を検索窓に突っ込んでウェブ検索してみると……

ア,なんか出てきた。

その名も kunlun.com,遊技とか書いてあるしゲーム関係のなにかのようです。ふむ。

で,運営会社名を見てみると……

昆仑万维科技股份有限公司

さっきの whois で出てきたのが……

Kunlun Wanwei Keji Gufen Youxian Gongsi

漢字を眺める限り,ここで合っているっぽい? なお,この漢字社名で検索してみるといろいろな情報が出てきます。残念ながら全部中国語なので読めませんが……

更に,「公司介绍」(会社紹介?)のページにはこんなことが書いてありました。

昆仑万维集团成立于2008年,目前已经发展成为全球化的综合互联网企业。旗下包含三大业务品牌:昆仑游戏(包含集团旗下所有游戏业务的研发及发行)、Brothersoft&1mobile应用商店以及Raidcall(RC语音)。

バッチリ書いてありますね。ビンゴ!

では,一体なぜ 1mobile.com では正体を隠しているのか? その謎を解くヒントは,1Mobile の隣に書いてある「Brothersoft」なるサイトにありました。このサイトも 1Mobile 同様無料ソフトの紹介サイトのようです。ま,とりあえず「Brothersoft」でウェブ検索してみましょう。するとどうでしょう。出るわ出るわ,被害者の声……

そう,Brothersoft も,恐らくは 1Mobile も,「無料ソフトの無断転載」で広告収入を集めているサービスであるようなのです。こんなトンでもないことを堂々と悪びれることもなくやっているのでは,目立つところに連絡先を書けば殺到する抗議で電話回線やメールボックスがパンクするのは火を見るより明らかです。Brothersoft や 1Mobile のウェブサイトに連絡先らしい連絡先,会社情報らしい会社情報が無いのはたぶんそういう訳でしょう。本当にトンでもない。

ではこの昆仑万维科技股份有限公司なる会社はどうしようもない悪徳企業なのかというと,必ずしもそういうわけでもなさそうです。というのも,この会社が提供している「Raidcall」なる VoIP ソフト(たぶん)はどうも普通のソフトのようなのです。公式サイトについている数十万もの「Like!」は絶対にフェイク(金で買ってる)だと思いますが,それでもまあ実際にゲーマー界隈を中心にそれなりに支持を集めているみたいです。やはり,この無茶苦茶な無断転載はかの国の企業の独特の商習慣によるもので,当人はそれが真っ当なビジネスだと信じて疑っていないのかもしれませんね……

というわけで,「1Mobile Market」についてわかったことをまとめると以下の通りです。

  • ソフトウェアデータベースは無断転載によるものであると考えられる
  • 中国の「昆仑万维科技股份有限公司」なる会社が運営している。この会社自体は(この会社による主張が正しければ)当局の許認可も得ている普通の企業
  • おそらくリスクはそれほど高くないが,著作権侵害の疑いが非常に強いので,良識ある大人として利用するべきではない

こんな感じですかね。なにか誤り等ありましたらご指摘いただけるとありがたいです。

2014/08/29追記:
この記事を書いてから1年が経ちましたが,今でもこの記事にはそれなりのアクセスがあるようです。当時より情報も増え,非公式 Android マーケットを取り巻く情勢にも変化がありますので,簡単に追記。

・1mobile market が(少なくとも日本法では)「クロ」なのは確定のようです。

【情報】1mobile market に勝手に登録されててドキドキした話 子持ち主婦でもできる!無料で簡単Androidアプリ開発
1mobile marketにアレされたよという話 – 今日の興味

利用した場合に法的には具体的にどういう扱いになるのかはそのうち暇なときにでも調べてみたいですが,これだけ 1mobile market の違法性を信じるに足る理由があり,そのことを知っている以上,刑事罰の対象にこそならないものの「利用(ダウンロード)自体が違法」なのは確実でしょう。はっきりと言いますが,決して利用してはいけません。記事公開時,正確性と中立性に慎重を期すあまり「黙認」とも取れるような曖昧な表現をしてしまったのは反省せねばなりません。

・Amazon Appstore を利用しましょう
Amazon Appstore は Amazon 社が同社の Kindle Fire のために立ち上げたマーケットですが,通常の Android タブレットでも利用可能です。登録アプリの乏しさが指摘されていましたが,最近ではかなり改善しています。概ね実用可能なレベルと言ってよいと思います。Amazon アカウントとの紐付けが要求されますが,無料で利用することができます。
他にも非公式マーケットは数多く存在しますが,合法と断言でき,かつある程度データベースが充実しているものとなると選択肢はあまりありません。数少ない Amazon Appstore 以外の選択肢の筆頭は Tapnow Market で,JWord の創業者で Kingsoft 日本法人の社長であった人物が設立した日本の会社,ACCESSPORT株式会社によって運営されています。サービス開始当初無断再配布問題を起こしていますが,特に被害が届け出られることもなかったのか沈静化し,現在は事前に許可を取った上で掲載している模様。ただし,データベースはそれほど充実しているとは言えない状況です。もう一つは F-Droid で,自由ソフトウェアのみが公開されているマーケットです。運営主体は英国の非営利団体 F-Droid Limited です。非常に理想的な存在ではありますが,Android をプラットフォームとするオープンソースソフトウェアは少なく,とても実用的とは言えません。
→2017/8/22追記:
各マーケットの2017年8月現在の状況について補足。なお,先述の条件を満たすマーケットは他に見つかりませんでした。
・Amazon Appstore(Amazon Android アプリストア)は,特に変化のない状況のようです。ゲームの大型タイトルなどではやはり取り扱っていないものが多いですが,広告収益が主なゲームやユーティリティ類などはかなりカバーしています。依然として Amazon Appstore が一番お薦めの選択肢です。
・Tapnow Market は,サービスが放棄(?)されたようです。会社は残っておりドメイン名やウェブサイトの残骸も残っているのですが,マーケットはもはや機能していないようです。
・F-Droid は,幾度かのリニューアルを重ねてより一般向けになると同時に,レポジトリへのアプリ収録数も充実し,この3年間でかなり実用的になってきました。自由ソフトウェア以外は一切取り扱わないため,使うアプリが決まっている人には活用しにくいはずですが,それまでと別のアプリを使うことに抵抗がなければ必要な機能を F-Droid だけで一式揃えることも容易となりました。以下は一例です(* はF-Droid Archive レポジトリ収録)。
ホーム – ADW.Launcher, OpenLauncher, KISS Launcher
ブラウザ – Firefox (IceCatMobile or FFUpdater 使用)
メール – K-9 mail
エディタ・ジョッタ – Lesser Pad
オフィス – LibreOffice Viewer
画像 – Gallery (com.simplemobiletools.gallery)
動画 – *VLC
音楽(ディレクトリベース) – Pretty Good Music Player, Vanilla Music
カメラ – Open Camera
地図 – OsmAnd, ウェブアプリ
電卓 – Mathdroid
ファイラ・アーカイバ – Amaze File Manager
二段階認証 – FreeOTP
ゲーム – Tanks of Freedom ,*Gloomy Dungeon 3D, Gloomy Dungeon 2, *Pixel Dungeon, *Recursive Runner, Anuto TD など質の高い Android ゲームが多数ある他,Minetest などデスクトップ Linux における人気ソフトの移植も。

2014/09/01追記:
Kunlun 社のウェブサイトを改めて見てみたところ,「会社紹介」に日本支社があるというようなことが書いてありました(前は書いていなかったよな気が……書き足されたのかな)。本当かよと調べてみたところ,本当らしい。

koramgame.co.jp – 無料ブラウザゲーム&ソーシャルアプリ – トップ

会社名は「崑崙日本株式会社」で,驚くべきことに資本金9000万円とかなりの規模。ウェブ検索してみると,遅くとも2011年ごろには既に日本で本格展開していた模様。なお,「会社概要」ページで「北京崑崙万維科技有限公司」の日本法人である旨明記されています(この日本字体?表記でウェブ検索すると,いろいろと情報が出てきます。たとえば,東証一部上場企業の KLab 株式会社が北京本社と業務提携しているほか,同じく東証一部上場の株式会社コロプラも北京本社と契約を結んでいるようです。)。Kunlun 社の Linkedin ページというのもあり,これによると,中国,北米,欧州,日本,韓国,台湾,マレーシア,ベトナムで事業を展開しているらしい。著作権や企業の責任についての認識には(ここまで述べてきた通り)かなり問題がありますが,勢いのある会社のようですし,ぜひ 1Mobile Market についても著作権の問題を完全に解決した上で改めて日本市場参入をし直してもらいたいところです。

2014/09/01追記その2:
……と,無難な結論に至ったところで,あることに気づいてしまいました。正直なところあまりこれ以上踏み込みたくないので,簡単に。
www.1mobile.com の下の方に注目してください(フォントが潰れているのは私がブラウザのフォントサイズを大きく設定しているからですのでお気になさらず)。

左から「UC Browser」「Crack APK」「Good e-Reader」と3つ広告のようなものがあります。貼られている URL は(何も挟まず,特別なランディングページでもなく)行き先のトップページです。まあリファラを見ているのかもしれませんし,ここまではおかしくありません。まずは「UC Browser」のリンクを開いてみましょう。UC Browser は中国ではよく知られたモバイルブラウザです。すると下の方に「友情链接(友情リンク?)」というものがあり,あまり関係なさそうなサイトへのリンクが並んでいます。なるほど,日本でも個人サイトではよく見られる「相互リンク」ですね。こうして SEO で協力しているわけです。この前提で今度は「Good e-Reader」を見てみましょう。こちらはどうも電子本リーダについての英語圏のニュースブログのようです。ページの下の方には果たしてリンク集があり,1mobile.com が筆頭となっています。サイト名でウェブ検索すると同一ドメインに怪しげなアプリマーケットが見つかり(http://apps.goodereader.com/),1mobile とは SEO での協力以上の契約があることを伺わせます。まあ,これも置いときましょう(置いといちゃいけないのですが)。最後に,3つの中でも異彩を放つ「Crack APK」です。これは名前の通り有料アプリのクラック版を公開しているサイトのようで,完全に真っ黒けっけです(当然違法です! 有料のもののため,コンテンツや場合によっては2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはその両方を課せられる可能性もあります! 決してダウンロードしないように!)。クリックしてダウンロードダイアログを開いてみると,それぞれファイルサイズが違い,本物のように思われます。さてこの真っ黒なサイトですが,例によって whois してみると……

Domain Name: CRACKAPK.COM
Registry Domain ID: 1857234548_DOMAIN_COM-VRSN
Registrar WHOIS Server: whois.godaddy.com
Registrar URL: http://www.godaddy.com
Update Date: 2014-05-03 20:39:14
Creation Date: 2014-05-03 20:39:14
Registrar Registration Expiration Date: 2015-05-03 20:39:14
Registrar: GoDaddy.com, LLC
Registrar IANA ID: 146
Registrar Abuse Contact Email: *****
Registrar Abuse Contact Phone: *****
Domain Status: clientTransferProhibited
Domain Status: clientUpdateProhibited
Domain Status: clientRenewProhibited
Domain Status: clientDeleteProhibited
Registry Registrant ID:
Registrant Name: CRACKAPK COM
Registrant Organization:
Registrant Street: Beijing
Registrant City: beijing
Registrant State/Province: beijing
Registrant Postal Code: 100000
Registrant Country: China
Registrant Phone: *****
Registrant Phone Ext:
Registrant Fax:
Registrant Fax Ext:
Registrant Email: chenxy+gmail.com
Registry Admin ID:
Admin Name: CRACKAPK COM
Admin Organization:
Admin Street: Beijing
Admin City: beijing
Admin State/Province: beijing
Admin Postal Code: 100000
Admin Country: China
Admin Phone: *****
Admin Phone Ext:
Admin Fax:
Admin Fax Ext:
Admin Email: chenxy+gmail.com
Registry Tech ID:
Tech Name: CRACKAPK COM
Tech Organization:
Tech Street: Beijing
Tech City: beijing
Tech State/Province: beijing
Tech Postal Code: 100000
Tech Country: China
Tech Phone: *****
Tech Phone Ext:
Tech Fax:
Tech Fax Ext:
Tech Email: chenxy+gmail.com
Name Server: NS1.CRACKAPK.COM
Name Server: NS2.CRACKAPK.COM
DNSSEC: unsigned
URL of the ICANN WHOIS Data Problem Reporting System: http://wdprs.internic.net/
Last update of WHOIS database: 2014-09-01T22:00:00Z

例によって念の為に一部情報を伏せてある他,メールアドレスの「@」を「+」に書き換えています。流石真っ黒なサイトだけあり運営母体や住所なんて登録したりはしてはいません。しかし,妙な詰めの甘さがあるようです。このメールアドレス「chenxy+gmail.com」で検索してみましょう。すると,こんなサイトが出てきます。

chenxy@gmail.com – Page 1 – Advanced Reverse Whois Lookup Results

どうも共通する情報を登録してあるドメインの一覧を表示するサイトのようです。有料サービスらしく費用を払わないと全部を見ることはできませんが,最初のページだけは見ることができます。……しかしこれ,あれ? 「koramgame.com」というドメインがあるのですが……

koramgame.com – Connect, share, play! – Home

「About us」のページを見ると,会社名は「Koram Games Ltd.」となっていますが Kunlun の別ブランド?である「Kalends」のロゴがあります。また,「koramgame」は Kunlun 日本法人のブランド名でもあります。なお,似たような名前で多くのドメインが登録されているようですが,ウェブサーバが生きているのはこれだけ(他はブランド保護のためのドメイン保持?)のようです。
このサイトも whois してみると……

Domain Name: KORAMGAME.COM
Registry Domain ID: 1573605509_DOMAIN_COM-VRSN
Registrar WHOIS Server: whois.godaddy.com
Registrar URL: http://www.godaddy.com
Update Date: 2009-11-03 00:04:21
Creation Date: 2009-10-26 18:43:22
Registrar Registration Expiration Date: 2014-10-26 18:43:22
Registrar: GoDaddy.com, LLC
Registrar IANA ID: 146
Registrar Abuse Contact Email: *****
Registrar Abuse Contact Phone: *****
Domain Status: clientTransferProhibited
Domain Status: clientUpdateProhibited
Domain Status: clientRenewProhibited
Domain Status: clientDeleteProhibited
Registry Registrant ID:
Registrant Name: Yahui Zhou
Registrant Organization: Kunlun Wanwei Keji Gufen Youxian Gongsi
Registrant Street: *****
Registrant Street: Xicheng District
Registrant City: Beijing
Registrant State/Province:
Registrant Postal Code: *****
Registrant Country: China
Registrant Phone: *****
Registrant Phone Ext:
Registrant Fax: *****
Registrant Fax Ext:
Registrant Email: chenxy+gmail.com
Registry Admin ID:
Admin Name: Yahui Zhou
Admin Organization: Kunlun Wanwei Keji Gufen Youxian Gongsi
Admin Street: *****
Admin Street: Xicheng District
Admin City: Beijing
Admin State/Province:
Admin Postal Code: *****
Admin Country: China
Admin Phone: *****
Admin Phone Ext:
Admin Fax: *****
Admin Fax Ext:
Admin Email: chenxy+gmail.com
Registry Tech ID:
Tech Name: Yahui Zhou
Tech Organization: Kunlun Wanwei Keji Gufen Youxian Gongsi
Tech Street: *****
Tech Street: Xicheng District
Tech City: Beijing
Tech State/Province:
Tech Postal Code: *****
Tech Country: China
Tech Phone: *****
Tech Phone Ext:
Tech Fax: *****
Tech Fax Ext:
Tech Email: zhouyahui+gmail.com
Name Server: NS1.KORAMGAME.COM
Name Server: NS2.KORAMGAME.COM
DNSSEC: unsigned
URL of the ICANN WHOIS Data Problem Reporting System: http://wdprs.internic.net/
Last update of WHOIS database: 2014-09-01T22:00:00Z

更にトドメとして,既にお気づきの方も多いでしょうが,crackapk.com 上で各アプリの詳細ページを開くと 1mobile.com へのリンクがあります。

これはもう言い逃れの余地はありません。
無料ソフトウェアの再配布は日本でもネット回線の遅かった時代には割と一般的なことであり,今でも作者(著作権者)が特約を付けて許可していることも少なくないことからまだ好意的な解釈も可能でしたが,有料ソフトウェアを違法アップロードとなるとまるで事情が違います。一応公平のために言っておくと「ドメインは代行取得しただけで,1mobile.com へのリンクは勝手に貼られた」という説明も可能ですが……
世界中で大きな利益をあげていて,日本の複数の東証一部上場企業とも深い関係のある会社が,クラックした有料アプリを違法アップロードしている。いや,どこか私の認識・推理に誤りがあるのでしょうか? そうであればよいと思いつつ,今日は筆を置きたいと思います。

Summary for non-Japanese readers:
– 1mobile.com is operated by a Chinese online game company, Kunlun Wanwei Keji Gufen Youxian Gongsi (昆仑万维科技股份有限公司), according to WHOIS information and their Chinese website. The company also provides Brothersoft.com and Raidcall.
– Some app developers reported that the company uploaded apps to their server without author’s permission. Hence use of 1mobile.com may illegal in certain jurisdictions.
– Security issues like malware infection are not reported, as far as I know. But I strongly recommend to use Amazon Appstore or other safer markets instead to avoid potential danger (security and legal).

2016/04/13 国外からのアクセスも結構あるっぽいので英語の要約を加筆
2017/08/22 だいぶ前にしたサーバ引っ越しで画像が正常に表示されなくなっていたようなので修正。「Amazon Appstore」「F-Droid」「Tapnow Market」について最近の状況について追記。なお,この記事は今でもアクセスが多いですが,既に古く2013年8月時点の事実に基づくものであるため,現在ではあまり参考にならない可能性があることを念のため改めて記しておきます。