『平成生まれ』が最終回を迎えるそうで

 過去記事を見ていただければわかる通り,このブログでは,というか私は基本的に硬派な話しかしないのですが,これは言及せざるをえない。
 私イチオシの漫画,ハトポポコ『平成生まれ』が掲載誌「まんがタイムきららキャラット」8月号(今月28日発売)で最終回を迎えるそうです。単行本も7月に発売予定で,Amazon の商品ページには以下のようなキャプションがあります。

ウザくて堪らないのに何故か読み出すとやめられない、とまらない。
そんな「平成生まれ」シリーズも遂に最終巻。

平成生まれ3 (まんがタイムKRコミックス) | ハトポポコ | 本 | Amazon.co.jp

 終わると見せかけて終わらないことに定評のある『平成生まれ』ですが,「シリーズ」最終巻とあるので本当に終わってしまうようです。私がこの作品を知ったのは今年の2月なんですが,もう終わってしまうとは…… 1

 この作品,まず登場人物がよくあるストックキャラクタの枠の中に収められておらず,かつそこまで奇をてらったような設定でもないのがすごくよい。むろん漫画という特性上おのおのカリカチュアライズされた特徴が与えられていますが,そこから少し崩すことで「人」を描写しようとする意識が感じられます。間合いのとり方や言葉の選択が丁寧であり,特定の表現に関連付けられた記号としての“感情”ではなく,連続的でアナログな感情描写がなされています。そのため,きちんと書かれた小説のように,次に何が起こるか覚えるほど読み返しても繰り返し楽しめます。そして,そうしたリアリティとうまく両立している理想化された悪意のなさ。人の弱さ,すなわち感情や自意識に振り回されてのぎこちないコミュニケーションは妙に現実的でさえありますが,そこで交わされているのは限りない肯定です。ああ,なんて現実の世に足りないものであることか。人はここに善を見いだすでしょう。不条理と獣性に満ちた殺伐とした現実からのつかの間の逃避ができる場所,それが『平成生まれ』なのです 2

 とりあえずは単行本の予約ですね。雑誌も探してみます。そして買いましょう,皆さんも。千円近くとちょっと高いですけど,何度読んでも楽しめるのでお得ですよ!

Notes:

  1. もっとも連載開始は2011年とのことで,5年という長い期間続いたわけですから,仕方のないことです。
  2. まだ大丈夫です。まだそんなに追い込まれてないです。