Imagination Technologies 社が MIPS 搭載シングルボードコンピュータを発表

New MIPS Creator CI20 development board for Linux and Android debuts – Imagination Blog
Imagination Launches MIPS-Based “Creator CI20” Development Board For Linux And Android, Free For Developers

 この手のシングルボードコンピュータはもはや珍しいものではなくなっていますが,コレは(よくある ARM でなく)MIPS CPU を搭載しており,しかも MIPS アーキテクチャの総元締めである Imagination Technologies 社直々の投入ときており,なかなか面白いので紹介。
 MIPS アーキテクチャは,古くからマイクロプロセッサ設計の教材として用いられてきたことで知られているほか,今でも組み込み用途でよく使われているアーキテクチャです。しかし近年では,家電の多機能化などもあるのか,Android を制した ARM に人気が移りつつあるようで,MIPS とってはあまり好ましい状況が続いているようです。2012年の Imagination Technologies による MIPS Technologies の買収はその現れでしょう。このままでは ARM の x86/x64 侵攻も静観するしかない状況です。
 恐らくはそうした現状を打破するためでしょう,突如投入したのがこの開発者向けシングルボードコンピュータ「Creator CI20」というわけです。Debian 7 に対応,Android 4.4 にも対応予定となっています。Raspberry Pi を意識したようなハード構成になっており(公式 Blog からも Raspberry Pi や Linux 「コミュニティ」を多分に意識していることが伺えます),豊富な拡張端子,強力な再生支援,そこそこよい性能を備え持っています。そしてその値段は,なんと無料! ――ただし,自分自身についての情報と予定している Creator CI20 を使ったプロジェクトの詳細を Imagination Technologies 社に送り,認められた人のみです。技術力と影響力を持った人に無料配布し,実際に開発をして広告塔になってもらおうという考えでしょう。Google が Android を発表した時と同じやり方ですね。現在のところ市販の予定はないようです。
 さて,この試みが成功するかどうかですが……個人的には,どれだけ情報をオープンにできるか,どれだけオープンソースコミュニティに貢献できるかにかかっているのではないか思います。Google の Android と違い圧倒的に強力なライバルが存在しているという事実も考慮せねばなりません。今回の発表はつまるところ Linux コミュニティの中でも本職の技術者やハイアマチュアを惹きつけるための施策です。狙いは賢明だと思いますが,彼らの支持を勝ち取るためには,彼らにとっての最大の魅力であるところの「自由さ」「開発のしやすさ」が確保されていなければなりません。たとえば,Creator CI20 は Debian Wheezy をサポートしていますが,Imagination Technologies の Debian Project に対する支援はそれほど積極的でないように見受けられます。本気で Linux コミュニティに訴えかけるつもりがあるのであれば,より積極的な支援を行うべきでしょう。また,このボードをはじめ現状 MIPS をデスクトップ利用しようとすると必ず PowerVR がセットになりますので, 当然 PowerVR についての情報もよりオープンにすべきです(公式 Blog を見る限りその意向であるように思われますが)。Broadcom でさえ Raspberry Pi の GPU ドライバをオープンソース化した今,GPU のパワーを引き出すためにはバイナリ配布されるプロプライエタリドライバが必要,というような状況では早晩愛想をつかされてしまうでしょう。また,PowerVR 用のフリーなドライバの開発は FSF の High Priority Projects の一つに数えられており,活発に開発されているようですが,まだ万全ではないようです。これを機に可能な限りの協力と支援を行うべきです。

Brastel 050 Free と Fusion IP Phone Smart の仕様比較

現在,月額基本料が無料の国内の SIP サービスは「Brastel 050 Free」と「Fusion IP Phone Smart」の2つが存在しているようです。自分はあまり深く考えずこのうちの Brastel の方を使い始めてみたわけですが,両者の仕様をよく比べてみるとかなり性格の違うサービスのようですので,簡単に比較してみたいと思います。なお,スマートフォン + MVNO SIM での利用を念頭に置いています。

いきなり比較表から行ってみましょう。

対固定電話 対携帯電話 対海外 対同一サービス 留守番電話 圏外着信通知 着信転送 SRTP/TLS 対応コーデック
Brastel 050 Free 1.44円 5.94円 国・回線種別による 無料 非対応 GSM,G.711μ-law?(公式サポートは GSM のみ)
Fusion IP Phone Smart 8.64円 8.64円 8.64円 無料 非対応 Speex(8kHz),iLBC,GSM,G711μ-law,G.722

(通話料金は税込,30秒あたりに換算。実際の課金単位は異なるものもあります)

見て分かる通り,「安さの Brastel」「機能の Fusion」ときれいに得意分野が分かれています。

通話料金
圧倒的に Brastel 050 Free が安いです。対携帯電話でも Fusion の 69%, 対固定電話に至っては17%(!)です。海外通話は Brastel の場合国や回線種別によって料金が異なりますが,対固定電話では Brastel のほうが圧倒的に安いことが多い一方,対携帯電話では逆転することも少なくないようです。同一サービスへの通話は両社とも無料です。

留守番電話/圏外着信通知/着信転送
今度は Fusion IP Phone Smart の独走です。特に圏外着信通知の有無はかなり大きいですね。本来 SIP は固定電話の置き換えとして生まれた規格であるからか,携帯電話のようにプツプツ圏外になる環境は想定していないようです。そのため,事業者で独自の対策を施していない限り圏外での着信を通知する仕組みはないようです。
もちろん Brastel であっても普通の SIP サービスである以上は自前で適当に留守録・圏外着信通知・着信転送もどきシステムをでっち上げてしまうことは可能です。しかし,既に内線システムが組んであるなどでもない限りは(このサービス専用としては)構築維持の手間はメリットに見合わないと思います。

SRTP/TLS(セキュリティ)
端末から事業者サーバまで(SIP 同士の場合は端末同士)の通信を暗号化します。Brastel および Fusion では,残念ながら対応していないようです。これらに対応していないと,たとえば公衆無線 LAN に接続している場合などに,通話内容を盗聴される可能性があります。モバイル対応を謳うなら必ず対応すべきだと思うのですが,どうでしょう。

対応コーデック
Fusion IP Phone Smart ではここで対応コーデックが書かれており,Speex(8kHz),iLBC,GSM,G.711μ-law,G.722となっています。一方の Brastel は特に明記されていないようです。公式のセットアップガイドではクライアントで GSM 以外のコーデックは無効化せよとの指示があり,公式サポートは GSM のみということかと思われます。ただ,非公式ながら,G.711μ-law も使えるようです(これのみを選択してもエラー無く通話できる)。G.729 が使えるという話はデマのようです。
こちらも Fusion IP Phone Smart の勝ちです。上の G.722 対応も気になりますが,やはり下の iLBC 対応が目を惹きます(Speex もありますが,可変ビットレートのため少し事情が異なり,また音質についてもあまりよい評判を聞かない)。iLBC は低速回線向けのコーデックで,音質の割に低容量というのが売りのようです。使用する帯域としては GSM と比べてたった16kbpsの差ではありますが,DTI 490円 SIM のような細い回線ではこの16kbpsに救われることもあるでしょう。

総評
発信が多い人は当然 Brastel でしょう。逆に,着信のみの人や,Brastel で17.28円/分を超える国・回線種別の人と多く通話する人は Fusion を選ぶべきです。それ以外の場合では,圏外着信通知と留守番電話をどう評価するかで適した選択が変わってきます。特に圏外着信通知機能は“携帯電話”として求められる最低限度の機能のひとつであり,仕事などで使う人は(仕事で使うならそもそもこうした格安サービスを使うべきではないというのはありますが)Fusion しか選択肢に残らないでしょう。

2014/8/27追記:
ユニークなやり方で圏外着信通知・留守番電話・着信転送機能を簡易的に実現している方がいらっしゃいました。
ブラステル(050)に留守電や着信通知を付加する方法 | 自己満 備忘録

Brastel 050 Free を契約したメモ

概要
・いわゆる SIP サービス。
月額基本料(050番号使用料を含む)無料,Brastel 050 Free 回線同士の通話も無料。電話回線への通話料も携帯電話の音声回線と比べて安い。また,オープン標準に準拠したサービスであるため好きなクライアントを利用できる。
・事業者のブラステル株式会社は1996年設立で国際電話が主力の日本の会社。電話回線のノウハウもあるはずなのでよくある新興の専業企業より安心できそう。それにサーバが国内にあるので海外のサービスと比べて対電話回線の通信が安定する,かも。
・セキュリティがどうなっているのかは記載がなく不明。SRTP が使えず TLS も使えないので垂れ流しの可能性が高い。信頼できる回線(自宅の共用でない固定回線,モバイル回線など)でのみ利用しましょう。また,その場合でも,国家機密とかについて話すのはやめときましょう。->なお NTT Com の「050plus(月額基本料324円)」は SRTP,TLS 対応らしい。もちろん対電話回線の通話ではサーバまでの暗号化なのでその場合はこっちもやはり国家機密は話せませんが(?)
・また,IP 電話に共通する話として,電話回線と比較して信頼性が低いのでそのへんは頭の片隅に置いておきましょう。

契約
・けっこうわかりにくい。
・クレカでのオンライン登録が可能だが,SMS に対応した(つまり音声通話に対応した)携帯電話回線が必要になるほか,始めに2000円チャージする必要あり。Brastel Card を取り扱い店舗に行けば500円のチャージで登録できるらしい。
・左の「インターネット電話」>「スマホ・パソコン・その他端末」から登録開始(「Flipのお申し込み」ではない)。
・「ユーザーID」は「アクセスコード」の左8桁,「暗証番号(PIN)」は「アクセスコード」のスペースを挟んだ右4桁。ややこしいので注意。
・個人情報を入力したり規約(余談。短いのは嬉しいものの不備が多い気がする。特に「利用の停止について」6-iiは定義なしの「他の団体」に不正行為を行った利用者の個人情報を提供できることになっているので相当アレ。問い合わせたら変わるだろうか)に同意したりして登録完了
・050 Free の登録と050着信サービスの登録は別なので注意! 末尾「7800」はシステムの発信専用番号です。左上「ログイン」からログインの上「カード情報」>「SIPアカウント」から番号追加。番号は選べない。

準備
・標準アプリは無料の「Cloud Softphone」およびその有料版の「Acrobits Softphone」というものの2つで,プッシュ着信はこの2つのソフトでのみ公式サポート。ただ,あんまり使いやすくはない。バッテリ消費量如何では「CSipPhone」みたいな定番のほうがいいかも。その場合も,アカウント名(ソフト内でのみ使用する任意の名前),サーバ(ドメイン/ホスト),ユーザ名(ユーザーID),パスワードを入力するだけで利用可能。

発信
・冒頭にチャージ残高での通話可能時間についてのガイダンスが入る(数秒)。10秒くらいの自社サービス宣伝が流れることもある。そのまま待つと発信,普通に通話できる。
・まだちゃんと会話して試してはいないけれど,自分の回線にかけてテストしてみた限り,DTI 490円 SIM のベストエフォート250kbps回線でも問題なく通話可能。

着信
取得した050番号で着信できる。着信はプッシュ対応。
某巨大掲示板の情報によると APN f1.mobile.ne.jp または lte-mobile.jp に接続する回線ではプッシュ着信はそのままでは利用できないらしい。その場合でも「PNF NoRoot」というソフトを導入することで解決できるらしい。
ありがたいことに,向こうに聞こえる「○×にお繋ぎします」のようなガイダンスはなし。そのまま繋がる(番号と音質以外は電話回線と変わらない感覚で利用してもらえる)。

人感センサ付きデスクライトが欲しいメモ

いつもどおり自分用メモ。

どのようなものが欲しいか
・在席中のみ点灯するデスクライト。自室で使う。読書用なのである程度の明るさが必要。昼白色が望ましい。

何故欲しいか
・いちいちデスクライトの電源をオンオフするというのは面倒
・でも付けっぱなしだと電気代がもったいなく,ライトの寿命も縮み,それにワンルーム住まいなのでうっかり電源を切り忘れたままベッドに横になってしまうと消すためにまた起き上がることになりひどく億劫(これが一番大きかったり)

条件に適合する商品の例(現行機種)
山田照明 Z-3600 実売1.2万 より安い旧機種もあり
6.0W Ra70
山田照明 Z-81 実売2.2万
11.0W Ra80 色温度変更機能
ツインバード LE-H839B 実売1.8万
16W Ra80 自動調光機能 デザインいまいち
・(参考)山田照明 Z-3500
Z-3600 の蛍光灯版で,24型蛍光灯を使用(一般的なデスクライトで使われているものは27型)。この機種の「中心直下照度」1823Lxに対して Z-3600 は1020Lx。Z-81 でも1493Lxで,かなり暗いことがわかる。
・人感センサ搭載タップを使用するという手もあるが,工事不要のタイプは現在のところ国内発売がない模様。海外製品で125V対応のものを手に入れてもいいけれど,24時間365日コンセントに挿しっぱなしにするわけで,なるべく避けたい。

人感センサ付き LED デスクライトの問題点
・高い
1〜2万円の出費。ランニングコスト削減分での回収というのも無理そう
・暗い
2.2万円の Z-81 でもホームセンターで売っている2000円くらいのデスクライトに遠く及ばない
・寿命の問題
LED ライト部分は長寿命だとしても人感センサの寿命は不明。LED と比べてだいぶ短いらしい

参照:
カタログを読む|山田照明株式会社
照度&人感センサー付LEDクランプ式デスクライト LE-H839B ツインバード工業株式会社
人感センサーLED電球の選び方

LDE-SX010U,M-TP01DS

買ったきりあまり使わず転がしてたデバイスのミニレビュー2つ。

Logitec USB ディスプレイアダプタ LDE-SX010U
秋葉原東映ランド。どこから出てきたのか2008年発売の機種です。古い機種なので出力解像度は WXGA(1440×900)やら SXGA+(1400×1050)までとなっていますが,1980円と安く,DisplayLink 社製チップ採用とのことでまあツブシはきくだろうと,古い SXGA ディスプレイの再利用でもしようかと購入(衝動買い)。
PC に接続するとデバイス内のフラッシュ ROM から autorun でドライバのインストールプロセスを開始するという最悪最低な仕様になっている(これは Logitec には罪はなく Displaylink 側の仕様らしい)以外は,まあいい意味で平凡,特に困ることもない感じです。とりあえず Windows タブレットにつないでみたところなぜか表記スペック以上の 1600×900 での表示ができました。FullHD など今時のパネルのアスペクト比でも比率が合っていい具合になりますが,FullHD ディスプレイでも利用するつもりがあるのであれば FullHD 対応のアダプタを購入するべきでしょう。
年代的にたぶん Displaylink 製のオープンなドライバが使えるはずですし,ドライバ導入のノウハウみたいなのもネットにいくらでもありますので,恐らく Linux でも普通に使えるのではないかと思います。まあ今のところその必要を感じないので試していませんが。……コレ買う必要あったか?

参考:
DisplayLink – ArchWiki
Atelier Orchard: Raspberry Pi でDisplayLinkのudlfbドライバを使う
DisplayLink: Windows Software Windows 版最新ドライバ

ELECOM 無線タッチパッド M-TP01DS
東映無線。けっこう前から絶賛投げ売り中の Win8 対応無線タッチパッド。タブレット固定アームでベッドに固定した(こんな感じですな) Android タブレットを腕をなるべく動かさずぐうたらに操作するために購入。あまり期待していませんでしたが意外とよくできています。作りもまずまずしっかりしています。が,パワーセーブからの復帰のために物理ボタンを押す(ゴム足がボタンになっているので盤面を押す)必要があるとか,そもそもポインティングデバイスとしてタッチパッドは使いにくいんじゃとか,いろいろ問題はあります。マウスと違って平面がなくても使用出来るのはメリットですが,どうせなら3倍出して M570t かタッチパッド付きハンディキーボードを買ったほうが幸せになれそうな気がします。