自宅サーバのメリット・デメリット ~VPS と比較して~

自分用メモ。
自宅サーバを運営しといてナンだけど,自宅サーバのメリットらしいメリットが本気で思いつかない。さくら VPS のステマとか言われそう。誰か自宅サーバならではのメリットを思いついたら教えてください。
あ,ちなみにこのサイトは自宅サーバではなくレンタルサーバでのホスティングです。

デメリット

  • コストが高い
  •  自分の環境=Interlink 1 IP(月1,296円) + Star domain .net 独自ドメイン(年850円) + 標準的なサーバとルータ(計45 + 10 = 55W として電気代月1,026円・ハードウェア代計2万,4年間使えるとして月417円)の場合で,月2,810円,年間33,714円もの費用がかかります。ISP を i-revo(月525円。ただし転送容量制限が非常にキツいです)に,サーバを ECS LIVA(ASCII.jp のレビューによるとアイドル3W,月約56円・ハードウェア約1.8万,2年間使えるとして月750円)にしてルータをマルチセッション対応かつポリシールーティング対応のものにし通常使用のセッションと共有にすれば月1,402円,年間16,824円まで圧縮することができますが,VPS の方が高スペックで安価(「さくらの VPS」で仮想3コアRAM2GBディスク200GBのプランが月1,396円)です。ある程度大規模になり,大量の物理回線がある環境であれば自宅サーバの方が割安になるのかもしれませんが,まあ個人が趣味で運用する「自宅サーバ」の範疇としてはありえない話でしょう。
    2014/9/18追記:いまさら不備を発見。「標準的なサーバ」というのは「自宅サーバとして標準的なサーバ」という意味であり,具体的には富士通 PRIMERGY TX100 S3P で,CPU Pen G640,RAM 6GB,HDD 1TBx2 という構成で使っていました(過去形。現在停止して WWW のみレンタルサーバで運用中。そのうち VPS に乗り換えるかも)。またどうやら最近は「安鯖」も1万円以下では出なくなっているようなので,自宅サーバの初期投資費用は+1万くらいになるかも。
     見えないコストとして,室温上昇による空調費アップ,火災などのリスク(滅多にあることではないでしょうがこのリスクが無視できるほど低いと言い切ることのできる理由も見当たりません)などもあります。
     つまり,コスト面では,自宅サーバを選ぶ理由は一切ありません。

  • 可用性・信頼性が低い
  •  気をつけていても電気の使いすぎでブレーカーを落とすことはありますし,そうでなくても家庭用電源はまれに瞬断を起こします。ろくな検証をしていない自宅サーバ環境ではディスクのホットスワップは避けたいですので RAID を組んでいるディスクの1台が故障すればサーバの電源を落として作業したいですし,生活空間に置くものですからケーブルをひっかけて抜いてしまうことなどもあるかもしれません。サーバルームに並べられた高信頼性サーバで安定して運用されている VPS からすれば全く比べものにならないほど止まりやすいシステムだと考えるべきでしょう。
     つまり,可用性・信頼性の点から見ても自宅サーバを選ぶ理由は一切ありません。

メリット

  • トラブル対応がより容易(かもしれない)
  •  リモートアクセスが不能になるような大失敗をしても容易に復旧ができます。そのため,自分の使ったことのないソフトウェアやベータバージョンのソフトウェアなども気兼ねせずどんどん使えます。ただし,普通は VPS でもブラウザ越しにシリアルコンソールからアクセスできる機能が提供されているので,実際のメリットは微妙なところです。

  • ハードウェアの知識も(本当に少しだけだけど)付く
  •  タワー型サーバを使用する場合のみ,かつ本当に少しだけではありますが,VPS とは違いハードウェアいじりめいたことも楽しめます。

  • リソース制限が(やや)ゆるい
  •  個人が趣味で運営する程度の規模では VPS でもリソースの使いすぎで規制されることは考えにくいですし,ましてや規制される水準のリソースが恒常的に必要となる可能性なんてほぼありえないとは思いますが,自宅サーバであれば CPU やディスク I/O を制限なしで利用できます。ただし,回線の転送容量については,(ISP も VPS も具体的な数値は示されていないものの Interlinkが30GB~?/日に対してさくらレンサバのスタンダードプランが80GB/日であることから推測するに)VPS の方が大幅に制限がゆるいものと想像されます。

  • けなげに働くサーバの姿を見ると和む
  •  私はサーバを玄関に設置しているのですが,一日を終え玄関ドアを開けて帰宅するとサーバが HDD アクセスランプをチカチカと光らせながら出迎えてくれます。雨の日も風の日も回線メンテの日も,怠けずたゆまず一心に働き続ける自宅サーバ。その姿を見ると,現代社会の矛盾に耐えるうちに汚れきってしまった私の心に清らかなそよ風が吹き,僕も一生懸命頑張ろう,24時間は無理だけど1日8時間くらいは頑張ろう,と健やかで前向きな気持ちになれます。

T100TA では Ctrl2Cap が使えないという話

同じことをしてハマっている人もいそうな気がしたのでメモ。ただし,あくまでも私が遭遇したトラブルの場合です。また,このトラブル自体は去年買ったばかりの時の話ですので,説明が大雑把なのはご容赦を。
ある日 T100TA がキーボードを認識しなくなり大いに焦ったのですが,結論から言うと,「Ctrl2cap」というソフトをインストールしたのが原因でした。これはキーボードの Caps Lock に Ctrl を割り当てるというもので,自分は Windows XP の頃から使い続けていました。詳しいところはよくわかりませんが,他の Windows8 マシンでは依然として使えているとの情報があるので,T100TA の作りの特殊さに由来するように思われます。あるいは単に自分が利用している他のソフトとの干渉かもしれません(T100TA で普通に使えているという方は教えていただけると幸いです)。

ついでのメモ:
Lenovo3000 v200 で無線 LAN を有効化できない(ドライバは当たっているが通信できない,有効化してもすぐ切れる,rfkill -list すると acer-wireless が soft blocked が yes となっていてどうやっても no にできない)場合は
11.10 – Unable to enable wireless on Lenovo 3000 V200 – Ask Ubuntu
rmmod acer-wmi すれば ok

「3D プリンタ法規制反対」への違和感

3D プリンタで DIY 銃「Liberator」を作成した大学職員が銃刀法違反の疑いで逮捕されたというニュースが世間を賑わしています。発見された銃は銃刀法施行規則に定められているところの規制値を大きく上回る能力が認められたとのことで,被疑者も容疑を認めているとのことです。この事件を受けてさまざまな角度からの議論が展開されつつあるのは周知の通りです。

さて,この問題について一つ気になることがあります。それは,Twitter 等で,3D プリンタへの法規制に反対する意見がきわめて多く見受けられることです。もちろん短文の投稿を見るだけではどの程度までの規制に反対しているのかを知ることは難しいですが,一切の法規制に反対,(2D)プリンタと同等の扱いにせよ,といった意見が圧倒的であるように見受けられます。

はっきり言って,こうした意見は無責任であり危険でさえあるように感じます。

社会の安寧に対する危険ではありません(いや,もちろんそれもありますが)。3D プリンタの未来と自由に対する危険です。

まず確認しておきたいのは,規制の当否はメリットとデメリットの兼ね合いによって決まるということです。私はインターネットの自由についてはアナキストに近い(笑)ですが,これは電子回線越しの殺人は当分実現しそうにないということ(詳細は割愛)と,多くの場合でネットの規制は精神的自由の制約に直結するというのがその理由です。たとえば米国愛国者法に基づく検閲の場合ですと,「テロや犯罪を未然に防げることがある」というのがメリットであり,「米国サービスを利用している外国人の思想信条等を丸裸にして管理することができる」というのがデメリットです。私は,検閲のメリットはこのあまりに重大なデメリットを上回るものではないと確信しています。この点,3D プリンタの法規制,たとえばカセットを購入する場合の本人確認などが考えられますが,これは精神的な自由を何ら制約するものではありません。

話を 3D プリンタに戻しましょう。3D プリンタでの武器製造は現実的でないという意見を多く目にします。確かに 3D プリンタは非力です。パーソナルタイプ(非事業用)の物は特にそうです。オウムの組織的に作られた密造銃でさえすぐにダメになるものだったそうですから,プラスティックの銃など使い捨てに近いでしょう。暴発のリスクも無視できません。これなら,より強力で安全な武器が他にいくらでもあります。――しかしそれは,今,現時点の 3D プリンタだけを見た場合についての話です。3D プリンタの解像度は向上しつつあります。実際,ほんの数年前までは「ぼこぼこして糸を引いた粗雑な塊」というのが 3D 印刷物でしたが,このイメージはもはや過去のものになりつつあります。また,金属を印刷することのできる 3D プリンタも出回るようになってきました。現状では仕組み上それほどの強度は出そうにないですが,産業界に強いニーズがありますので,遠からず改善策が提案されるかと思います。3D プリンタの進化の速度を考えると,今現在市販されているもののみを前提として想定するのはあまりにナンセンスだと言わざるを得ません。また,鉄パイプからでも銃は作れるので 3D プリンタのみを規制する理由はない,という意見もありましょう。鉄パイプから銃が作れるのはよく知られた事実です。しかし,熟練した技術を持った者が多大な労力をつぎ込まないと銃ではなく爆弾になるだけ,というのもまたよく知られた事実です。一方で 3D プリンタでは,ただボタンを押すだけで合理的な構造の銃をいくらでも大量生産できます。しかも,先で述べたように,成果物の性能はどんどん向上してゆくと考えられるのです。このように,3D プリンタによる武器製造のリスクは,仮に現時点では低いにしても,ごく近いうちに無視できないレベルになると考えるべきです。

3D プリンタによる武器製造のリスクが存在するとしましょう(まだ納得できない方もいるでしょうが,一つの可能性として考えてください)。すると,法規制が存在しない場合に,いったいどのようなことになるのでしょうか。まず考えられるのは,強力な自主規制です。自社製品で印刷した銃による殺人事件が多発すればブランドイメージに傷が付きますし,警察に目をつけられることになるかもしれません。避けるべきリスクは避けるのが経営というものです。少し毛色が違いますが,テレビで,その内容についての規制はほとんど存在しないにもかかわらず自主規制によって横並びの報道しかされていないという事実は,大きな力と大きな責任を持った企業がどういう行動を取るのかを考えるにあたって示唆を与えてくれます。もちろん,放送とは違い参入撤退が自由な業界ですから,Winny を開発した金子氏のように,自主規制に従わない主体も出てくるでしょう。すると考えられるのは警察権力の持つ裁量の伸張です。よく誤解されていますが,Winny 事件はあくまでも Winny という特定のソフトの開発が著作権侵害の幇助にあたるとしただけで,P2P 自体がどうこうという話ではありませんし,ましてや P2P を禁止する法律があるわけではありません。国内において P2P 利用の機運が萎縮したというのはありますが,これもあくまでも過剰な自主規制の結果であり,米国でも同様の判断はあるにはかかわらず,向こうでは仕組みを工夫することで積極的に P2P を利用しています。閑話休題。Winny は著作権侵害を想定して開発されたのに対し 3D プリンタは何も銃を作るための機械ではありませんので同列に扱うのは適当ではありませんが,クリティカルに合致する法(条文+判例)は存在しないが「疎ましい」存在に対して検察がどうのような対応をするのかをよく示す一件です。検察も条文や判例には逆らえませんので,そこで明示的に許されている範囲内であれば起訴されることはまずないでしょう(尤も本来であれば逮捕や起訴自体は好きにやって問題はない云々とかそういった話もあるにゃあるんですが,長くなりますので割愛)。何の明文の基準もない中で,自主規制で窮屈な思いをしたり,警察に怯えたりしながら暮らすのは,果たして自由なのでしょうか?

法規制。いかめしい字面ですし,なんだか管理されるようで嫌な感じがします。しかし,この社会はすべてルールから成り立っているのです。そのルールの中で最もマシなものが,明示的で公平なものである法律です。リスクのあるところにルールが一切存在しないことなど存在し得ないのであり,あまりの理想主義は却って悪い結果を招くことにもなりかねません。そのため私は「3D プリンタへの法規制反対」に反対します。

参照:
3Dプリンターで銃自作か 大学職員を所持容疑で逮捕:朝日新聞デジタル
自動小銃密造事件 – Wikipedia
金属を造形できる家庭用3Dプリンターが75,000円で登場 | 3Dプリンター 家庭用なら、3D CAD DATA.COM