DDoS 攻撃者を「サイバーフーリガン」と呼んではどうか

 最近また DDoS 攻撃が増えているようです。
 DDoS 攻撃は一般に面白みのない単純な力技で,わずかな代金で攻撃を請け負う業者まで存在します。ボットネットの構築から自前でやるにしても,ソースコード付きのソフトウェアがウェブ上で流通しており,多くの人のセキュリティ意識は依然として非常に低いという現状があって(そう,専門家でもなんでもない普通のおっさんおばさんが相手なのです),脆弱性を抱えた情報家電も多く存在していることから,技術的にはそのへんの中学生でも簡単にできてしまいます。いにしえのハッカー・クラッカー論争は置いといても,このダサさを恥ずかしく思わない,あるいはダサいと気づかない程度の者は,いかなる定義によってもハッカーの範疇に含まれることはありえないでしょう。
 また,彼らは技術のみならず「抗議」の対象についてもしばしば無知です。たとえば,捕鯨への反対を大義名分に掲げつつも,実際に攻撃を受けているのは何の関係もない(しかし外国人への知名度は高い)組織が殆どです。その一方で,どことは書きませんが,捕鯨に関係の深い組織の大半は特に攻撃が観測されていません。そもそもターゲット自体が見当違いであり,抗議としての体をなしていないわけです。
 どこかで似たようなものを見たものがありますね。サッカーにおけるフーリガンです。彼らは必ずしもチームの熱心なファンというわけではありません。しかし,欠かさず試合を観戦し,ちょっとしたきっかけを目ざとく掴んではそれを理由にして大声で叫んで暴れます。それを見た他のフーリガンもまた集団心理で同調して暴れ始めます。赤信号もみんなで渡れば怖くないというわけです。そうして堰を切ったように暴れる者が増えてゆき,まもなく馬鹿げた大騒ぎへと至るのです。暴力の対象は問わず,無関係の人をも巻き込みます。
 思うに,近ごろの DDoS 攻撃者も似たようなものでしょう。誰それ構わず手当たり次第に DDoS 攻撃を仕掛ける攻撃者には何の美学も見いだせません。見えるのは自己顕示欲だけです。彼らをハクティビストと呼ぶのは本物のハクティビストに失礼というものです。彼らは完全に区別された名前で呼ばれなければなりません。また,動機が自己顕示欲であれば,ハクティビストというある種の“ブランド”から切り離してしまい,ダサくて取るに足らない存在として扱うことで,安易な違法行為に走る理由が失われることが期待できます。一つのアイデアとして,安直ですが,「サイバーフーリガン cyber hooligan」という呼び名を提案してみます。

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