キングジム,折りたたみキーボードのモバイル PC「PORTABOOK XMC10」発表

フルサイズをコンパクトに、たためるパソコン「ポータブック」 | キングジム
【Hothotレビュー】キングジム 「ポータブック XMC10」 ~開閉型キーボード搭載のコンパクトWindows 10ノート – PC Watch
動画:キーボード変形Win10 PC『ポータブック XMC10』開発者ロングインタビュー – Engadget Japanese

 どこもかしこも判で押したような退屈でくだらないモバイル機器ばかりを出しているモバイル不毛の時代ではありますが,まだこの世の中も捨てたものではありませんね。なにしろこの「XMC10」が世に出ることができたのだから。
 XMC10 はスペックこそ近頃はやりの「PC の形をしたタブレット」ですが,そんじょそこらのガラクタとは一線を画しています。見てください,このキーボードを。名機 Thinkpad 701 を彷彿とさせる,ユニークな変形キーボードを搭載しているのです! 個人的にはこの手のギミックの有用性については懐疑的だったりするのですが,ともかくこれを実現させて世に送り出した心意気は素晴らしい。ポインティングデバイスもタッチパッドなんておもちゃじゃありません。Thinkpad Tablet で採用例のある人差し指で操作するタイプの光学式ポインティングデバイスです。でも,せっかくなら Thinkpad のような物理的なトラックポイントにして欲しかったですね。コストや厚さの兼ね合いから妥協もやむを得なかったのでしょうけども。閑話休題,液晶もあの忌々しいグレア液晶ではなく,屋外や日光の差し込む環境でも快適に使える安心のアンチグレア液晶です。このマシンはモバイルマシンであることに加えディスプレイが8インチとかなり小さめですので,ディスプレイが見やすいアンチグレアであることは重要なポイントです。プロジェクタの接続を念頭に置いてでしょう,変換コネクタ不要の VGA 端子も搭載しています。 
 一方で難点や荒削りな部分も目立ちます。まずは何より価格でしょう。Atom,RAM 2GB,eMMC 32GB というスペックで予価「9万円前後」というのは相当厳しいと言わざるを得ないでしょう。もっとも,独特で手の込んだ造り,ニッチ製品で数が出ることは期待できないことを考えると,仕方のないことだとは思います。バッテリ駆動時間が公称5時間というの厳しいです。バッテリ駆動時間は徐々に縮んでいくものであることを考えると,せめて8時間は超えて欲しいところです。また,バッテリが取り外せないのもマイナスです。そして,これはかなりクリティカルな問題ですが,重量が公称で820gと実はあんまり軽くありません。10.1〜13.3インチの普通のモバイルマシンと同じくらいあります。たとえば,予算をあと3万円ほど足せば,性能が遥かに上でバッテリも倍持って重量が85g軽い Let’snote RZ4 が買えてしまいます……
 とはいえ,これはキングジムの初のモバイル PC です。代を重ねるごとにユーザの声を取り入れて進化していった Pomera のように,これからユーザの声に応えて洗練されてゆくことでしょう。正直なところこの機種はそれほど売れないとは思いますが,それにこりず,第二弾・第三弾とユニークなモバイルマシンを投入していって欲しいものです。これからもキングジムのモバイル PC に注目していきたいと思います。

16/11/25追記:発売から一年近く経ったいま,値段は22000円前後まで落ちているようです。一般的なタブレット構成のラップトップより安いですから,これは間違いなく破格です。尤も特殊な仕様ですから「他のを買うならこれを」という勧め方はできません。ともかく,うっかり買ってしまわないよう気をつけたいと思います(?)

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